生物は進化の過程で、変わりゆく環境に適応すべく、その姿を変化させて来ました。しかし、どう考えても進化の仕方を間違えてしまったのではないのか? と感じられる、奇妙な動物達がいます。その姿形は、まるで『ポケモン』の世界の住人のよう。そこで今回は、ポケモンじゃないのが不思議な動物12選をご紹介します。
それでは、続きから詳細をどうぞ!
【アホロートル(別名:ウーパールーパー)】
特徴:ペットとしても人気の高いメキシコ原産のアホロートルは、幼生のまま大人になります。大人になってもエラを持つため、一生を水中で過ごす事が可能です。また、手足を再生することが出来ることでも知られています。
ポケモンっぽい理由:こんなに可愛い生き物がリアルに生きていて良い訳がありません。満面の笑顔、華やかに開いた耳らしき物体、そして赤子のように華奢な指。これを漫画チックなキャラクターを呼ばずして、何があるのでしょうか。サンリオが売り出すキャラだとしてもおかしくありません。
【アイアイ】
特徴:写真を見る限り可愛い動物ですが、アイアイの生息地であるマダガスカルでの扱いはヒドいもの。この哀れな夜行性動物は、現地で不幸の前兆や悪魔の使いと忌み嫌われており、お祓いの意味を込めて殺された上に逆さにして木に吊るされます。
悪魔の使いなどと呼ばれる理由として、非常に大きな夜行製動物であることと、エサを取る際に木を指で叩く事があげられています。度重なる駆除や生息地の破壊により、生息数が減少しており、一時は絶滅したとも考えられていました。
ポケモンっぽい理由:ポケモンのキャラクターとしては多少外見が恐ろしいとは思いますが、名前がポケモンっぽいです。それに、攻撃を発した後に「アイアイ!」と叫びそう。
【ニュウドウカジカ(英名:ブロブフィッシュ)】
特徴:オーストラリアとニュージーランド沖で発見されたニュウドウカジカは、深度2000~3900フィート(600~1200メートル)付近に生息する深海魚です。その体はゼラチン質で出来ており、海水よりも僅かに重い程度なので水に浮く事が可能とのこと。
ポケモンっぽい理由:このやるきの無い姿、まるでオッサンです。英名のブロブフィッシュとは「デブの魚」という意味。この外見とこの名前、いかにも子供が喜びそうじゃありませんか? ポケモン化したら(強いかどうかは別として)人気が出そうです。
【オオクラゲダコ(英名:ダンボオクトパス)】
特徴:英名のダンボオクトパスは、ディズニーの空飛ぶゾウ『ダンボ』から名付けられました。オオクラゲダコは全長20センチ程度で、深度15750フィート(4800メートル)に生息します(幾つかのサイトには、太平洋の深海300~400メートルという記述もあり)。このタコはヒレを使って海底近くを泳ぎ、エサを取ります。オオクラゲダコは18種類確認されており、中には6フィート(1.8メートル)になるものもいます。
ポケモンっぽい理由:こんなにキュートな生き物は、タコの仲間とは思えません。タコと言えば、(美味しいけれど)不気味で気持ち悪いというのが定説。しかし、このオオクラゲダコは気持ち悪さの微塵もありません。鼻(?)がちょこんと付いていて、まぬけな顔をしています。しかし少しだけつり上がった目が、本気を出したら強くて恐いという雰囲気をかもし出しています。
【ハリモグラ】
特徴:先端が4つに分かれる特殊な陰茎を持つ事で知られるハリモグラ。ハリネズミに似たその姿は、先史時代から殆ど形を変えていません。オーストラリアに生息するこの哺乳類は、カモノハシ同様に卵を生みます。ハリモグラは孤独な動物で、一生の殆どを、6インチ(約15センチ)もある粘りのある舌で、エサとなるアリやその他の虫をとって過ごします。
ポケモンっぽい理由:ハリモグラはキャラクターにしやすい姿をしています。刺と丸みを帯びた体、そして長く伸びた口元。セガが『ナックルズ・ザ・エキドゥナ』のモデルにしたのも頷けます。
【ハダカデバネズミ】
特徴:限りなく体毛が薄いこのネズミは、一見しただけではげっ歯類なのか、昆虫なのか、はたまたは虫類なのか判断が尽き難いです。ハダカデバネズミは、一生を土の中で過ごします。げっ歯類には非常に珍しく、寿命は20年。また、地中で暮らす昆虫のように集団生活を営みます。女王ネズミのみが繁殖能力を持ち、子孫は巣を守ったり、強靭な門歯で穴を掘ったりして暮らします。体温を調節する機能が無いため、変温動物とも考えられています。
ポケモンっぽい理由:陰茎にも見えますが、見たまんまディグダです。それ以上でもそれ以下でもありません。
【インドハナガエル】
特徴:2003年に発見されたインドハナガエルはパープルフロッグ、またピッグノーズフロッグの名前でも知られます。インド南西部で発見されたこのカエルは、他のカエルとは異なり丸くて太った体と異様に小さい頭、そして尖った鼻を持っています。一生の殆どを地中で過ごし、地上に出て来るのは1年の内、雨期の2週間のみ。土の中で過ごすインドハナガエルですが、中には地中26フィート(約8メートル)付近で見つかった個体もいたそうです。
ポケモンっぽい理由:ポケモンっぽいことも去る事ながら、『ハーフライフ』にもモンスター役として登場できそうなグロテスクさです。...、ってこれは、ポケモンっぽい理由じゃないですね。
【カモノハシ】
特徴:マッドサイエンティストが生物実験で生み出したような外見をしているカモノハシは、オーストラリアに生息する哺乳類。上で登場したハリモグラ同様、哺乳類でありながら卵を産みます。鴨のように広く平なクチバシをシャベルのように使って、河川や湖底に潜む無脊椎動物を探します。水中を泳ぐ時には目を開けませんが、クチバシに通っている神経が生き物の生体電流を感知するので、視力に頼らずともエサを取る事が出来ます。群居しない動物で、夜に活動的になり、主に水中で過ごします。
ポケモンっぽい理由:明白でしょう。カモノハシはコダックのモデルに違いありません。また、鳥類のクチバシと哺乳類の体を持つカモノハシは、ポケモンキャラクター全般に多大なるインスピレーションを与えていると考えられます。
【テングザル】
特徴:口を隠してしまうくらい多いな鼻を持つテングザル。動物学者も、この鼻が具体的に何に使われているのか定かでは無いそうです。しかし、鼻が大きくなるのはオスのみなので、メスへのアピールではないかと考えられています(関連性は無いそうですが、鼻が大きい人は陰茎も大きいと言われたりしていますしね)。
このサルは泳ぎが上手いことでも知られ、指の間には水かきが付いています。1匹のオスに対して、平均6~10匹のメスが群れをなしハーレムを形成します。メスは他に着に行ったオスが出来ると、グループを替える事も出来るそうです。
ポケモンっぽい理由:こんなやりとりが考えられます。
キャラデザさん「なぁ、サトシ。新作の為にポケモンを100匹考えないといけないんだけど、何か良いアイディアはあるか?」
サトシ「じゃぁ、サルなんてどう? 帽子をかぶったヤツ」
キャラデザさん「個性が無いなぁ」
サトシ「うーん...。じゃぁさ、腕と脚がちぐはぐにくっ付いているサルは? 」
キャラデザさん「ダメに決まってるだろう! 」
サトシ「(ため息)じゃぁ、鼻がでっかいサルで良くない? 」
キャラデザさん「...、一応書き留めておくけど、ボツになるだろうな」
【ハシビロコウ】
特徴:現世というより三畳紀が似合うハシビロコウ。原産地はアフリカで、湿地に生息します。エサとなる大型魚のハイギョを取る時、警戒させない為に数時間体を動かさないことで知られています。卵が熱くなるのを防ぐ為に、コウノトリ同様に大きなクチバシで巣に水をかけて冷やします。
ポケモンっぽい理由:死に別れた母親の骨を頭にかぶっているカラカラと行動を共にしそうな、目つきが鋭いハシビロコウ。また、日本語名はハシビロコウ(嘴広鸛)ですが、英名は「シュービル(靴のクチバシ)」という安直な名前。海外版『ポケモン』のスピアーは「ビードリル(蜂のドリル)」で、シュービルと同じ単純で安直なネーミングです。誰がシュービルやビードリルの名前を付けたのか知りませんが、どっちも同じ匂いがします。
【メガネザル】
特徴:インドネシアやフィリピン諸島に生息するメガネザルは、しばしば世界最小のサルと言われます。系統はハッキリしていなく、キツネザル等が属する原猿亜目か、ニホンザル等が属する真猿亜目になるのかが議論されてきましたが、最近の解析で、直鼻猿亜目に分類されることが多いようです。体重は100グラム程度で人間の手のひらに収まってしまう程小さく、主に木の幹や植物の根の部分に潜み、エサとなる虫を取ります。社交性の高い動物として知られ、しばしば寄り添ったり、尻尾を絡ませている様子が見られます。
ポケモンっぽい理由:小さな体に大きなマンガ目、大きな耳。こんなに愛らしいメガネザルがポケモンになったら、ピカチューを凌ぐ人気になりそうです。このキャラクターグッズを販売すれば、ヒット商品間違い無しでしょう。
【オオカミウオ】
特徴:南アメリカのスリナムで発見されたオオカミウオは、適応力が高く、湖でも浅い小川でも暮らすことが出来ます。大きな魚で、全長1メートル、重さは40キロになる個体もいます。凶暴な魚で人間を襲うとも言われており、地元の猟師は警戒しているそうです。小川に入った犬を2匹のオオカミウオが殺したなんて話も...。
ポケモンっぽい理由:ぎょろっとした目に血管が浮き出たような額、そして大きくて分厚い唇と、並びが悪くて飛び出た歯。こんな残念な顔をした魚がリアルにいるわけ...、いるんですよね。リアルではスターになれなさそうな強面のオオカミウオですが、ママンボウのようなみずタイプのポケモンになったら人気が出そうです。
画像: Axolotl, Aye Aye, Blobfish, Dumbo Octopus, Echidna, Naked Mole Rat, Pignose Frog, Platypus, Proboscus monkey, Shoebill, Tarsier, Wolfish
ソース:BBC Nature, Animal Planet, Arkive
[via io9]
(中川真知子)
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