一見すると、リー・ホンボさんのスカルプチャーは極普通の頭部や身体を模したものなんですが、手に取ってみるとビックリする仕掛けが。この北京のアーティストの作品はぐにゃぐにゃとパーツが伸びる仕様になっているんです。
このモーフィングスカルプチャーの秘密は、その素材と技法にあります。何千枚という紙のレイヤーを蜂の巣のようにアレンジし、糊で接着することで大きな木材ブロックや漆喰のように見せているのです。そして、電動のこぎりでこのブロックを削り、アコーディオンのように開いたり閉じたりする作品を作ります。完成したスカルプチャーは、引っ張ったり、ひねったりでき、その形態の可能性は無限大です。
それでは、気になるホンボさんの作品は以下のギャラリーと動画でどうぞ。
Li Hongbo - Pure White Paper(vimeo)
ホンボさんは、平に収納出来て開けば色んな3次元構造に出来る中国の「paper gourds(紙ひょうたん)」という伝統装飾からヒントを得てこの作品を作ったとのこと。そこに、解剖学と紙のレイヤーを山ほど加えたそうです。
ホンボさんの作品は、最近オーストラリアのDominik Mersch Galleryで展示されました。この作品をもっと見たい方はDominik MerschのホンボさんのページとThe White Rabbit Collectionで見る事ができます。
(中川真知子)
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