ここは京姫鉄道株式会社、広報部システム課。
何故か広報部にあるけれど、社内システム全般を支えている縁の下の力持ち。
はてさて、今日はどんなトラブルが起きるのか。

キャラ紹介

祝園アカネ

c124272f1f85e3342e3613ae629b099c04e0a025入社1年目の新人。広報部システム課の係員。楽をすることに努力を惜しまない。究極に楽する方法を極めていたら、技術方面に詳しくなっちゃった!

英賀保芽依

bb609b2c82a8851d6e18bd94955274ad407bbbf1アカネの同期。広報部広報課の係員。天才的なトラブルメーカー。

少佐

2bb5fdfd68b627a54bd018a7f4e774ac5a308f73宇宙艦隊の制服を着て勤務する、末期のトレッキー。プログラミング速度だけが取り柄。

観客

こうしす!の世界を外から眺めている謎の集団。限りなくウザイが消えないらしい。


第1話「コピー機大暴発の巻」

<システム課>


電話:プルルルルルル

c124272f1f85e3342e3613ae629b099c04e0a025アカネ
「はい、システム課、祝園です」

bb609b2c82a8851d6e18bd94955274ad407bbbf1芽依
『うわーんアカネちゃーん』

30a84e192699657b3e26532cae44f92502a8c722
観客
「HAHAHAHAHAHA」


c124272f1f85e3342e3613ae629b099c04e0a025アカネ
「……またですか」

bb609b2c82a8851d6e18bd94955274ad407bbbf1芽依
『助けてー』

c124272f1f85e3342e3613ae629b099c04e0a025アカネ
「はぁ……」

観客
「HAHAHA」


<広報課>


c124272f1f85e3342e3613ae629b099c04e0a025アカネ
「で、何が起きたんです?」

bb609b2c82a8851d6e18bd94955274ad407bbbf1芽依
「わーん、コピー機が止まらないんだよ-><」

コピー機(オフィス用複合機)から、大量に何かが印刷されている。
すでに溜まった紙だけで広辞苑ほどの分厚さになっている。

観客
「HAHAHAHAHAHA」

c124272f1f85e3342e3613ae629b099c04e0a025アカネ
「あーはいはい。分かりました。犯人はあなたです」

bb609b2c82a8851d6e18bd94955274ad407bbbf1芽依
「何もしてないよー。ホントだよ。今日はパソコンすら触ってなかったんだから」

c124272f1f85e3342e3613ae629b099c04e0a025アカネ
「ふーん、ソウデスカ」

観客
「HAHAHAHAHA」


bb609b2c82a8851d6e18bd94955274ad407bbbf1芽依
「これって、ハッキングされたんじゃないかな!」

c124272f1f85e3342e3613ae629b099c04e0a025アカネ
「確かに、一昨年ぐらいから話題ですね、コピー機というかオフィス用の複合機を使った地味なサイバーテロが」[1]
(作者注:このシリーズの時代設定は2015年です)

bb609b2c82a8851d6e18bd94955274ad407bbbf1芽依
「やっぱり!」

c124272f1f85e3342e3613ae629b099c04e0a025アカネ
「ほら、このコピー機はLAN経由でパソコンから印刷したりできるタイプの複合機ですよね」

bb609b2c82a8851d6e18bd94955274ad407bbbf1芽依
「うん」

c124272f1f85e3342e3613ae629b099c04e0a025アカネ
「このコピー機はこのLANケーブルを通してインターネットに繋がっていますから、可能性としてはハッキングされるということはあり得ます。うちの会社ではありませんが、実際に外部からコピー機に不正侵入されて情報を勝手に盗まれたり、大量に印刷するようなイタズラを仕掛けられたり、という事例があります


bb609b2c82a8851d6e18bd94955274ad407bbbf1芽依
「やっぱり、これも、悪いハッカーの仕業なんだね!」


広報課員
「あ、すみません、祝園さんに電話です。保留2番です」

電話:ピッ

c124272f1f85e3342e3613ae629b099c04e0a025アカネ
「はい、祝園です」

2bb5fdfd68b627a54bd018a7f4e774ac5a308f73少佐
『祝園少尉、話は聞かせて貰った!』

c124272f1f85e3342e3613ae629b099c04e0a025アカネ
「やめてくれませんかね、勝手に社内のPCを使って盗聴するの」

観客
「HAHAHA」


2bb5fdfd68b627a54bd018a7f4e774ac5a308f73少佐
『PCは使ってないよ。祝園少尉のポケットに入っているスマホ……コミュニケーターの脆弱性を使ったのさ!』

c124272f1f85e3342e3613ae629b099c04e0a025アカネ
「……(どん引き)」

観客
「AHAHAHAHAHAHA」


c124272f1f85e3342e3613ae629b099c04e0a025アカネ
「で、何か分かったんですか?」

2bb5fdfd68b627a54bd018a7f4e774ac5a308f73少佐
『艦内で不審な通信は確認できなかった。そもそも、うちのコピー機には外部からアクセスはできないはずだ。まず、ピー機にはグローバルIPアドレスが設定されていないし、ちゃんとしたファイアウォールもある。適切なセキュリティ対策をしていれば大丈夫だよ、少尉』

c124272f1f85e3342e3613ae629b099c04e0a025アカネ
社内のPCを踏み台にした攻撃という可能性は? 標的型攻撃とか、遠隔操作ウィルスとか」

2bb5fdfd68b627a54bd018a7f4e774ac5a308f73少佐
『ふむ、興味深い推論だ、少尉。確かに、その場合は、防ぐのが難しい。だが、今回はその可能性は低いよ、少尉。通信記録を見る限り、印刷が始まった時刻にコピー機への通信は記録されていない。もちろん記録の改ざんという可能性はあるが、それならば宇宙歴2015…』

c124272f1f85e3342e3613ae629b099c04e0a025アカネ
「ああ、やはり」

ガチャ
アカネ、電話を切る。

電話
「ツー・ツー・ツー」

2bb5fdfd68b627a54bd018a7f4e774ac5a308f73少佐
「……祝園少尉? こちらブリッジ、祝園少尉、応答せよ」

観客
「HAHAHAHAHAHA」

bb609b2c82a8851d6e18bd94955274ad407bbbf1芽依
「やっぱり、悪いハッカーがイタズラしてるって!?」

c124272f1f85e3342e3613ae629b099c04e0a025アカネ
「その可能性は低いそうです」

bb609b2c82a8851d6e18bd94955274ad407bbbf1芽依
「だったら、どうしてこんなことに!?」

c124272f1f85e3342e3613ae629b099c04e0a025アカネ
「ちょっと見てみましょう」

アカネ、複合機の画面を見る。


c124272f1f85e3342e3613ae629b099c04e0a025アカネ
「あ」


bb609b2c82a8851d6e18bd94955274ad407bbbf1芽依
「なになに?何か分かった?」

c124272f1f85e3342e3613ae629b099c04e0a025アカネ
「見て下さい、コピーの部数に92304って入力されてますよ。これってパスワードですよね。この複合機の」

観客「HAHAHAHAHAHA」

c124272f1f85e3342e3613ae629b099c04e0a025アカネ
「最後に使ったのだれですか?」


bb609b2c82a8851d6e18bd94955274ad407bbbf1芽依
「あっ……」

観客
「HAHAHAHAHAHA」


c124272f1f85e3342e3613ae629b099c04e0a025アカネ
「心当たりあるんですか?」

bb609b2c82a8851d6e18bd94955274ad407bbbf1芽依
「(気まずそうに)……私……かも」

観客
「AH HAHAHAHAHAHAヒーヒッヒ」


c124272f1f85e3342e3613ae629b099c04e0a025アカネ
「つまり、パスワード入力と部数入力を間違えた、と。そういうことですね?」

bb609b2c82a8851d6e18bd94955274ad407bbbf1芽依
「(気まずそうに)……たぶん」


c124272f1f85e3342e3613ae629b099c04e0a025アカネ
「(満面の笑みでブチ切れつつ)だから言ったじゃないですか、犯人はあなただって」

観客
「HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA」


こうして、トラブルは無事解決。
ハッキングの被害などではなく、コピー機(複合機)の使い方のミスだったのです。
めでたしめでたし。


Fin.


今後もこのような記事を月に1度ほど公開していきたいと思っています。
内容については、チャンネル会員(賛助メンバー)の皆様からのリクエストを受け付けています。
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FAQ: 良くある質問と回答

Q. このウザイ「観客」って何ですか? 超寒いんですけど
A. なんでしょうか。分かりませんね(白目

Q. このウザイ「観客」ってチャンネル会員になれば消えるのですか?
A. 消えません。

参考文献

[1]セキュリティ・ホットトピックス - Anonymousの新手のサイバーテロか、複合機が勝手に数万枚の印刷物を出力:ITpro (閲覧: 2013/11/23)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20131118/518594/


著作権について

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この記事は、Creative Commons 表示 2.1 日本 (CC-BY 2.1 JP) のもとに利用が許諾されています。(特に表記がない限り、有料部分も含む)
http://creativecommons.org/licenses/by/2.1/jp/

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【画像】夏野未来、すら (こうしす!第1話より)
【キャラデザ】夏野未来、絢嶺るり
【キャラ原案】Butameron

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筆者はこう思う!


このコーナーでは、今回取り上げたテーマについて筆者が思っている由無し事を書いていきます。特に重要な情報は含まれていませんw

※以下はチャンネル会員向けに先行公開します。一定期間後に無料で公開されます。

今回は、今HOTな話題である、「複合機を対象としたサイバー攻撃」について取り上げました。
大量に印刷を行うというのは、トナーや紙という物理的な物を無駄に消費してしまうという、地味に困る攻撃となっています。一番困るのはトナーですよね。アレ、交換するの高いですし。

基本的には、プリンターを外部からインターネットを経由して接続できないようにするしかないのですが、遠隔操作ウィルスのような手法で社内のネットワークのPCを乗っ取られてしまった場合、それを対策するのは難しいといえます。複合機に無駄に紙を入れておかない、とかでしょうか。

現在の3Dプリンターの技術が発展して、スタートレックの世界のようにレプリケーターから食品が複製できるようになったら、夜中の飯テロ(物理)みたいなことも起きるのかも知れませんねw


ちなみに、僕は別の部署のプリンターに間違って印刷をしてしまったことがあります。
その後何も反応がなかったので、どうなったのかは不明ですが、まぁその部署の人の困り顔が目に浮かびますね……orz