「こうしす!」第二話をご覧の皆様、こんにちはこんばんはおはようございます。「こうしす!」第二話参加者の玉虫型偵察器です。
自分は第二話の制作で一部のコンテ・演出と、大部分の撮影を担当しており、役割柄、各カットの絵をじっくり見ることになります。それゆえ、制作中の時点で「ここ好き」となるカットが結構ありました。そこで、今回から二回にわたり、自分にとっての第二話の良作画カットと、その作画担当者を紹介させていただきます。作オタ視点における作画的見どころとは少し違う、演出オタ視点と、所により萌え豚視点による見どころが主になります。
絵を見て感じた事を言葉にするというのはなかなか大変で全部は紹介しきれないので、ここで紹介するカットは「ここ好き」の一部でしかないことをご了承ください。
ここで挙げたカットの他にも、視聴者さん方にとっての良作画カットはあると思うので(ありますよね?)、好きなカットがあったら是非その作画担当者にも注目してみてはどうでしょうか。おっ、ちょうどこんなところにカット別貢献者一覧表があるぞ。
(以下に掲載する画像は、撮影処理を入れていない、提出されたままの状態のものを使用しています。提出されたばかりの絵は公開版のフレームよりも少し広い範囲が描かれています)
■奈良有限動画さん
S02C08 2分58秒付近地味なカットではありますが、自然体でいい具合に力が抜けているようで、自分としては好きな表情です。事件が起こる前ののほほんとした日常パートにぴったりではないでしょうか。通常状態の表情が、綺麗に力が抜けているニュートラルなものとして描かれていると、ちょっとした表情変化も印象深くなるようです。
作画担当の奈良有限動画さんは奈良坂某名義で「伺か」界隈でベースウェア等の開発者としても活動しておられるので、気になる方はそちらの方もチェックしてみては如何か。webベースウェアとはたまげたなあ。
奈良坂某
webサイト: https://narazaka.net/
pixiv: http://www.pixiv.net/member.php?id=827022
■もぐもぐさん
S04C19 5分50秒付近本編のところどころでアカネさんのアホ毛が面白いことになっていますが、この動きはコンテで指定されたものではなく、もぐもぐさんによるオリジナルの要素です。アホ毛の他にも、多くのカットで、絵コンテを上手く拡大解釈して作画的な面白さを増してもらえました。
もぐもぐさんはこうしす以前は、実験がてらに簡単な習作アニメを作ることはあったものの、そこそこの規模の「アニメ作品」の経験は今回が初めてだそうです。現在、「もっと美少女を描きたい」ということで、ラマーズP氏が主催をされている「白菜アニメ」の制作に参加しておられます。上手くアニメ沼に引き込めたかなとほくそ笑みつつ、今後の活躍がとても楽しみです。
■五十野タラさん
S04C31-2S04C326分43秒付近 ロボパート全般
ロボパートのコンテと作画を担当していただきました。ロボパートが大変なことになっているのはだいたいこの人のせい。演出に近い部分において大きな力を発揮していただけたように思います。ロボパートは一番最初に監督が描いたコンテでは結構シンプルなものだったのですが、その後五十野さんの手により大幅に改変されました。五十野さんはコンテではなく作画担当で参加されたと聞いてます。どうしてこうなった?
改変後は、ロボットをどのように魅力的に表現したいかがコンテや素材からよく分かり、その上、撮影工程に大きな自由度をもたせるような素材の作り方になっていました。こんなやる気の出るようなことをされては撮影屋としては半端な仕事はできねーですよ。
webサイト: http://www.tara50no.com/
pixiv: http://www.pixiv.net/member.php?id=5717370
■Lingerieさん
S05C15 14分31秒付近この周辺は自分がコンテと演出を担当しました。コンテを描いた当時は作画参加者がまだまだ少ないときで、作画のリソースの見積もりができない状態でした。あまり多くの作画参加者の存在を想定してコンテを描くのはリスクが大きいと判断したため、第一話ほどではないにせよ、極力少ない作画労力で表現を構築することを目指していました。これは、単なる労力削減上の理由だけではありません。そのシーンの表現を構築する上で効果の薄い、無駄な動きやカットを減らすことで、シーンレベルの表現をより明確に視聴者に伝えたいという理由もあります。
コンテでは作画労力削減のためキャラのパースの強まる構図は避けていたのですが、S05C15は演出上どうしてもCIO主観で、宏佳との距離が近い構図にしたいところでした。少し不安になりながらコンテを描いたのですが、lingelieさんにいい具合に描いていただけました。ほどよい奥行き感によって臨場感が増しています。
表情にも注目してほしい。前半はCIOへの呆れを含んだ表情、後半は二人を案じる憂鬱な表情で、宏佳の内面がよく伝わってきます。
本編最後のエンドカードもlingelieさんによるものです。英賀保ちゃんまじ天使。
Lingerie
pixiv: http://www.pixiv.net/member.php?id=6008894
(後半へ続く)