狐毛こげちゃのブロマガ

mikiの歌声には特徴がないって本当?

2013/04/03 21:01 投稿

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  • VOCALOID
  • 開発コードmiki
  • ボクボカロクロニクル

 どうも、狐毛こげちゃと申します。

 普段はボカロ・UTAUの聴き専で、たまにUTAU漫才動画を作っている者ですが、最近はDAIMというサイトで楽曲のレビューを書くなどしております。

 ブロマガの方はとりあえず始めてすぐ放置という状態でしたが、今回、タイトルにあるように「mikiの歌声には際立った特徴がない」という主張を見かけましたので、それについて私なりの反対意見を書いていこうかと思います。


 まずは本題に入る前に発言元であるブログについて紹介いたします。
 それはコバチカさんの「ボクボカロクロニクル」シリーズです。

ボクボカロクロニクル第0回 - ボカロとヒトのあいだ

 これは、5年間ボカロ曲を聴いてきたというコバチカさんが、ボカロにまつわる自身の記憶を文章として書き綴ってゆく連載記事です。しかも単なる体験記ではなく、曲レビューやPの批評、各ボカロの分析、周辺事情の考察などもあり、ボカロファンならば読んでおいて損はない、というエントリーも数多くあります。実を言うと、私も更新を楽しみにしている者の一人です。

 とはいえ、私の視点からは違和感を覚える、という内容もないわけではありません。主観で書く個人史という位置づけであるため、当然といえば当然なのですが、ここにきて明確に反論したい言葉がありました。
 以下に、それを含む段を引用します。

ボクボカ第79回「10年01-03月オススメ曲 ユキ・GUMI編」 - ボカロとヒトのあいだ
「SF-A2開発コードmiki」なる商品名はすべり気味で、どうにかならなかったのかと思うが、実在するミュージシャンの声を「再現できる」のがいちおうの売り。ただし声に際立った特長があるわけではないので、余程のファンでない限り、興味は持たないだろう。しかし、この曲では強烈にエフェクトをかけられて、個性的な声になっている。刺激的でカッコよい。ただしこれがmikiの特性なのかどうかは、サンプルが少なすぎて謎のままである。

 これはヒーリングPの曲
【miki & 鏡音レン】 DELETE THE WORLD 【オリジナル】

に対する寸評として書かれたものです。これはおそらく他のボカロと比べてmikiの声には特筆すべき個性を見出せないという主張であると思います。
 評にある通り、この曲ではmikiとレンの二人の声をノイジーに加工しており、mikiのパワフルな部分を抽出しレンの反抗的な低音と合わせた、クールできわどい曲となっています。なので、この曲からはmiki本来の特性がマスクされてよく分からない、というのは理解できます。声のパワフルさ自体も、MEIKOやリンという先達がいるので、それだけでは際立った特徴と言えないでしょう。


 しかし、だからといって"声に際立った特長があるわけではない"ということはありません。
 確かに、mikiの声の特徴は端的に言い表すのに難しいところがあります。私も最近まではうまく言い表す言葉が見つかりませんでした。しかしちゃんとあるのです、際立った特徴が。

 それは、駄々っ子の声という特徴です。

 と言っても、あまりピンとこないかもしれません。まずはいくつか曲を聴いてほしいと思います。

 まずはmatt9fiveさん(Circus-P)のR&B調の曲。

SF-A2開発コードmiki「Shatter」オリジナル曲

 
 ボカロ曲でこれほどまでに力強く悲しみを表現した歌はそうないだろうという、抑揚の大きな歌いまわしが印象的な曲です。こみあげる感情を喉の奥から搾り出しているかのようです。これは声にパワーがあるからこそ映える歌い方ですが、ポイントはどれほど強く歌っても、表現された嘆きの感情は怒りや恨みへと転化せず、悲しみのままだということ。


 次はしゃぁさん(赤い彗星P)のこの曲です。鮮やかなテクノポップ。

【miki】embrace【オリジナル】


 実はこの曲、以前にDAIMでレビューしたものです。内容はこちらの方で見ていただきたいのですが、歌声に関しては、「人懐っこくて芯が強く、ひたむきな想いがはっきり伝わってくる」、という評をしました。これもつまり感情をストレートに表現しているということです。彼女へ注ぎ込まれた想いが歌声となって溢れ出してくるのを感じます。


 さらにもう一つ。これもレビューした曲ですが、みきとPの初期の曲。

【miki】 東の魔女 【オリジナル曲】


 この曲はShatterとは逆に悲しみをひた隠すような印象で、語られる気持ちのほとんどは『大好き』という形でしか歌っていません。にもかかわらず、切ない感情がひしひしと伝わってきます。それは歌詞の妙であると言えるかもしれません。しかし、それだけでは言い尽くせない心の揺れが、声の端々から伝わってくるのを感じます。それは、好きだから故のままならない想いまでもが声にそのままに表現されているからではないかと思うのです。
 (余談ですが、個人的にはこの曲がみきとPの作品の中で最も好きな曲です。ふんわりとしていて切なくて、胸がいっぱいになります。いーあるふぁんくらぶやサリシノハラなど、最近のヒット曲でしかみきとPを知らない方には特に聴いてほしいなと思います。レビュー詳細はこちらからどうぞ。)


 さて、ジャンルとしてはわりとばらばらに曲を挙げましたが、これらに共通しているのは、mikiの声がパワフルで感受性の高い歌声であるということ。言い換えると、
感情を細工せずに生のまま吐き出す歌声だということです。この、幼い少年のような、わがままで愛らしいむきだしの声こそが『駄々っ子の声』なのです。

 もちろんそれは調声技術に依存するため、誰がmikiを使っても同様に出来るとは言えないかも知れません。ただ、それがうまくいったときの破壊力は抜群です。作者が伝えようとする様々な感情を、どうするでもなく、ただ理非もなくさらけ出して声にする。その幼さと、それゆえの瑞々しさがダイレクトに胸に刺さるのです。

 長々と論じてしまいましたが、言いたいことを最後にまとめると
mikiは、自分に込められた感情をあられもなく、
 そして力強く歌うことが出来る、特徴的な声のボカロである

ということです。

 皆さん、mikiは素敵なVOCALOIDですよ。


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