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のっくだうん99のアレ

イマニティと国債

2014/05/07 21:00 投稿

  • タグ:
  • アニメ
  • ノーゲーム・ノーライフ
ファンタジーとして我々の一般常識が通じないところは恐らく良い所なのですが、考えなければならないことが多すぎるのでもう少し現実に寄せて欲しいということも、しばしばあります。今回はそういったエントリです。

書いている途中で幾度も脱線しており、若干見辛い文書となっておりますが、最後までお付き合いいただければ幸い。




ノーゲーム・ノーライフ 第4話「国王〈〈グランド・マスター〉〉」


『ノーゲーム・ノーライフ』(以下ノゲノラ)第四話を見ていて気になった会話があったんですよ。どんな会話かと申しますと、
大臣「国債…とは?」

空「詳しくは後で教える。国債を発行し、銀行に買わせろ。それで予算を。」

この会話。これ、やっぱり気になりますよね?今回はノゲノラ四話で交わされたこの会話について、詳しく考えていきたいと思います。

前述の大臣と空の会話に於いて重要なのは以下の3点。
  • 銀行(或いは銀行業を営む資本家)が存在していること
  • 大臣は国債の概念を認識していないこと
  • 銀行に"買わせる"ことができること
以上3点。検討すべき事象が多過ぎてちょっと頭がクラクラしていますが、頑張って見て行きましょう。



資本家の存在する世界

のっけから世界の構成に言及しなければならない辺り非常に億劫なのですが、この世界には資本家が存在するらしいのです。ここが少し面白くて、古来資本家は自身の資産を保全するために封建領主に対して暴力による庇護を求めます。暴力行為が制限されるこの世界に於いて暴力とは即ちゲームの強さですから、ゲームに強い人間が封建領主として成り上がる一方、資本家はそういった人間に対して資金援助をする形で資産を保全するのですね。ゲームの強さ=暴力の強さなのです。

10の盟約なんてのもありますからゲーム万能の世界のように見えますが、実のところそれは私闘或いは戦争の代替行為に過ぎないという点がミソなんだと思います。逆にゲームするということが一種のリスクであり、それを回避するための手段が発達した世界であるはずです。ですから、保険業も金融業も成立し、資本家も存在できるのでしょうね。

さらに言えば、暴力行為は禁止されているものの、各人が各々の死(命)を掛け金とし、どちらか一方が必ず負けるゲームという形で死刑すら執行できるのです。強制力は国家が対象に対する生存権を制限することで発生しますし、恐らくそれは暴力として認識されないのでしょう。と、いうことは法律も存在できる世界なんですね。空白兄弟は「分かり易い!」と言って喜んでいましたが、実のところ我々の生きる現実世界と実態はさして変わらないのではないかと邪推します。他作品で解りやすく表現しますと(暴力とゲームという差異はありますが)範馬勇次郎が世界大統領になれる世界にニュアンスとしては物凄く近いですね。

もう少し推し進めると、国家の軍事権や、それに付随する徴税権司法権警察権も、その源泉は国王のゲーム力なのです。そう考えると国民総出でゲーム大会なんて開いてる場合じゃねぇという気がしますけれども、まぁ実際開いてたのですからなんとか上手くやっていたのだと思います。

少し話が脱線しましたが、ノーゲーム・ノーライフの世界は資本家階級が成立するほど現実世界に近いのだという事実が重要です。



借金か、国債か


それでは少し視点を変えてみましょう。空白兄弟は何故借金ではなく国債という形式を選んだのでしょうか?之を論ずるに僕の知識だけでは些か物足りませんので、以下の資料を引用します。


国債管理の歴史と教訓』(北村行伸)


こういった資料を無料で公開して下さるのは、非常に有り難いことです。以後この資料を丸々コピペする形で議論を進めたいと思います。

では、空が志向した国債とはいったいどういったものだったのでしょうか?空と大臣の会話から察するに、ノゲノラの世界に於いては未だ公債市場が未発達であると考えられます(というかまず公債そのものが発明されていませんし)。と、いうことは此処で言う「国債」も普段我々が接する洗練された短期或いは長期国債ではなく、より原始的な国債であると考えられます

ここで公債市場が発達する前の国債とはどういったものだったのか、資料から引用して見て行きましょう。

 実際に、ジェノバ、ベネチア、フィレンツェなどのイタリア諸都市国家、あるいはドゥエ
ー、カレー、アムステルダムなど現在のフランスやオランダ領内の諸都市国家では、
国債の利払いに対し個別の恒久税収を確保してデフォルトリスクを軽減に努め、その
結果、低い金利で資金調達ができるようになった。国債の形態としては、永久年金型
国債、終身年金型国債、無税国債など多様であった。
 当時の国家の借金の基本的な考え方は、借金の期限は決めずに、利子を払うこと
を約束し、まとまったお金ができた時点、あるいは金利低下局面で償還するというも
ので、基本的には国が償還の時期を自由に設定できる償還権付の永久国債という形
が多かったとみられる。高度な仕組み債のように聞こえるが、この方が当時としては
自然であったようだ。


金利低下局面で償還というのは、一種の景気刺激策なのでしょうか?いずれにしろ我々の考える償還期限付きの国債とは多少ニュアンスの違う債券であるようです。加えて、後ろの段落だけ見れば仕組みとしては相対取引で直接借金するのとさほど違いが無いように見えます。何故公債という形を取るのでしょう。

 国債が発行される前には、国王の私的借金という形をとったが、これは返済される
こともあれば、返済されないこともあった。国王が借金をする主な理由は対外戦争に
あったが、国王が借金を返済できるのは戦争に勝って何らかの戦利品を取得した場
合で、負けた場合には返せないことが多かったからだ。 ……(中略)……
 国王の借金から国家の借金へなぜシフトしたのか。富田俊基・中央大学教授が著し
た『国債の研究』(2006 年)によれば、国王には寿命があり、王位継承者も不確定で
あるのに対し、国家あるいは議会は恒久機関で、国王より信用力が高いと考えられ
た。このため、債務を累積してきた国王は、新たな借金の手段として、議会に税源と
債務を委譲し、その管理をまかせるようになったからではないかと富田教授は推測し
ている。


有り体に言えば債権者が取りっぱぐれないように公(国家)が発行する債券なので公債(国債)なのですね

ここでちょっと「ん?」と違和感を覚えます。どういったことかと申しますと、イマニティは恒久的な徴税能力を有していないのです。と言いますのもイマニティという国家権力の源泉(暴力)は空白のゲーム力ですから、空白兄弟が居なくなれば、当然イマニティは弱小国家に逆戻りです。民主主義というものは議会(或いは国家)といった恒久機関が国王から暴力を奪う形で成立したシステムですが、国家の暴力の全てを国王の暴力(ゲーム力〉に依存するという構造の下では、構造上恒久機関による暴力の代替が不可能であるため、民主主義のプロセスが成立しません。昨日の大国が国王の死去により三等国家(よくない言葉ですが)へ転落する可能性が常に付きまとうのです。

で、ある以上ノゲノラの世界において国王の不在は論理的に国家権力の不在を意味し、そういった状況下で「政務が滞っていた」という程度で済む位国家機構が機能していたイマニティは正直僕の理解を越える存在なのですが、なんかどうにかなっていたらしいのでここはもう受け入れるしかないでしょう



(特別出演:受け容れよさん)

そもそも国王不在の間国家権力を預かれる(=ゲーム力の高い)人材が居たならばそいつが国王になって然るべきなのですが、そういったことは起きていないらしいのですね。もしかしたらこの国の官僚機構の長が実は物凄くゲームの強い人で、かつ国王になりたくない恥ずかしがり屋さんだった為に呑気に国王選定ゲーム大会なんて開いたのかもしれません。あるいはあの日笠ちゃんが国王代理だったのでしょうか。

話が大きく脱線しましたが、つまるところイマニティに於いては国債(公債)と借金にさしたる違いは無いのです。イマニティという国家から見れば借金を国債というシステムで一元管理できる分、業務は効率化するかもしれませんが、本質的には恒久機関が信用を提供するというロジックではなく、国王自身のゲーム力によって信用を生み出すシステムに他ならず、故に国債を買う資本家としては全く旨味の無い政策であると言わざるを得ません。借用書が国債に置き換わるだけの話です。

冒頭で大臣は国債の概念を認識していないと言いましたが、それもそのはず、そもそもこの世界には国債が一般化する素地が無いのです。もし空白兄弟が国債を一般化し国家財政を安定化させたいと真に願うならば、先ず取り掛かるべきは国を挙げてゲームエリート(暴力)を育成することだと思います。空白兄弟は天才ですからそのことに気付いていない筈がないのですが、そういった施策は描写されませんでした。つまり空白兄弟にとってイマニティなどという国家は自身がゲームをするための方便に過ぎず、人類種の都合など微塵も考えていないのです。まぁゲーム廃人らしくて良いとは思いますけれども。



(わりとゲスかった人類代表)



買わないのなら、買わせてしまえばいいじゃない。


前段では資本家が積極的に国債を買う理由が無いことについてお話しました。そこで空は大臣との会話に於いて「銀行に買わせろ」と言っています。これはつまり通常の公債発行に際してプライマリマーケットにて実施される入札ではなく、国家(或いは空白自身)がゲームの力で銀行(或いは銀行業を営む資本家)に対して、一種の強制力を以って公債を引き受けさせるということなのでしょう。


「どーも、資本家さぁん。
知ってるでしょ〜う?
新国王の空白兄弟でーございまぁす。

ゲームやらねぇか? 」

こんな感じだと思います。



それでもキャラクターが魅力的ならそれでいい

ここまで長々書いてきましたが、僕としてはキャラクターが可愛いのでオールokです以前も書きましたが茅野さんと松岡君の演技は非常に良いですし、新規加入した日笠さんも可愛いです。映像そのものも
非常に展開が早く、「こまけぇこたぁいいんだよ!」という作り手の意思が伝わってきます。突っ込みどころ満載の世界観でも、それを売りにしていないのなら僕は気にしないです

特にハスキー茅野さんの股間に来る感じと松岡君の童貞臭さのアンサンブル最高ですね。なんか毎回「あぁ^〜」ってなりながら見てます。僕はペドフィリアではない(重要)ので白ちゃんが外郭高めボールなのが残念ですが、その辺りはあの日笠ちゃんのバ可愛さで十分補完されているので、申し分ない感じです。天然痴女と童貞コンビ最高や!


最終的に何が言いたかったのか自分でもよく分かりませんが、ノーゲーム・ノーライフ面白いですよ。

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