映画の歩き方

【連載26回目】映画の歩き方: ドイツ『去年マリエンバートで』編

2015/03/20 02:29 投稿

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▼第026号
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映画の歩き方®
ドイツ『去年マリエンバートで』編
KIYASUWALKER
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チュニジア、ヨルダン、イスラエル、トルコ、マレーシア、中国…
映画のロケ地を中心に廻ってきた旅行について紹介する。

これからロケ地へ行く人の、
何かしら有益な情報になっていただければ嬉しい。
行かない人も、映画をテーマにした旅の雰囲気を
楽しんでいただければと思う。

▼今回はこんなロケ地に行きます!
映画史上、最も難解と言われる作品。
その騙し絵のような世界を身をもって体感することに…


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■そもそも『去年マリエンバートで』とは?

1.時間軸が複雑な文学的な1961年フランス映画
2.映画史上に残る難解さと、幻想的な雰囲気がある

そう、とにかく複雑なのだ!!
男Xは女Aを覚えていて…、

女AはXを覚えていなくて…夫Mは…
あれ、今は、どうなっているんだっけ?(となる)

去年マリエンバートで  HDニューマスター版 [DVD]


□物語
男「去年マリエンバートで会いましたよね? 私たち愛し合いましたよね?
「知りません
…をリピートする映画

□登場人物
男X …過去を持ち出し女に言いよる
女A…その記憶がない
夫M…色々知っている。否、あらゆることを知っている?

□構造
昨年起きた5日間と、現在の7日間の出来事を、行ったり来たりする
※想像上の恒常的な時間がある。火曜の午後7時スタート
※記憶も、視点も曖昧なので、建物や衣装が変わる?
※石像の位置もシーンによって変わる
(by 映画記録係さん。『世界 映画シネマの旅1』より)



ちなみに『インセプション』にも影響を与えた?という説もある。

インセプション [Blu-ray]

幻想的な雰囲気を出す為に、製作方法も異常。
例えば、下のパッケージ背景にあるような人物の長い影は、
撮影時は水性塗料で描かれていた。

去年マリエンバートで [Blu-ray]去年マリエンバートで【字幕版】 [VHS]

おまけオススメ:
本作を製作したアラン・レネ監督だと、
広島を舞台にした『二十四時間の情事』が筆者はオススメである。
原題は筆者でも訳せる。『広島、我が愛』。

二十四時間の情事 [DVD]二十四時間の情事 [DVD]



■ドイツ(ミュンヘン)と
『去年マリエンバートで』の関係


ことりっぷ 海外版 ミュンヘン・ロマンチック街道 (海外 | 観光 旅行 ガイドブック)

■勘違いしちゃいけないこと1
この映画は、フランス(+イタリア映画)なのだが、
ドイツのミュンヘンで撮影された


アラン・レネ監督は、むしろ自分の国外で
インスピレーションを受けているような監督だからなあ。

■勘違いしちゃいけないこと2
マリエンバートはチェコなのだが、
今回の舞台はドイツのミュンヘンで撮影された
本編の構成上は問題無し。

ちなみに「マリエンバート」はドイツ語なのでおかしくは無い。温泉街です。


ちなみに、映画のミュンヘンといえば、
スピルバーグ監督の『ミュンヘン』や、
『飛ぶ教室』の舞台としても、筆者の記憶に残っている。

ミュンヘン [DVD] 飛ぶ教室 [レンタル落ち]

■改めて自己紹介

▼筆者


ネットの中の社会人

◇映画
ナチス台頭前のドイツ映画と、戦後暫くしてからの日本映画が好物。
・好きな監督は、フリッツ・ラング、黒澤、山中貞雄、溝口あたり。

◇宣伝
・100年後の学生に薦める映画2112本をひたすら書いています。
※文字制限でこのページの更新が止まってますが、実際は1800本ほど掲載。
http://2112.hatenablog.com/entry/2112MOVIES_1





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【01.大まかなロケ地と旅程】

ドイツのベルリンから電車で移動。大体、6時間くらい。

【02.治安とか言語とか諸々】

治安
危険は全く感じませんでした。平和そのもの。

言語
ドイツ語です。ロケ地となった場所は英語も通じる。


【03.到着編】
深夜。ドイツをぐるぐる廻って、電車でミュンヘンに到着した筆者。
ホテルで一泊した後、観光をする。

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▼御馴染み、ミュンヘン新市庁舎

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▼筆者好みの壁画
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一番気になっていたのが「ミュンヘン映画博物館」

筆者が古い映画を観ていると「協力」として名前が載っている博物館だ。
映画博物館をしらみつぶしに廻っている筆者としては、捨て置けない。

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が、残念ながら筆者が望むような施設ではなかった。

スタッフ曰く、「施設としては映画館で、何か資料が展示されているわけではないのよ」とのこと。そうかあ。

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▼折角なので、ロビーの展示写真を撮る。

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【04.ロケ地で大混乱編】
本編を鑑賞したことある人は、是非、エンディングを思い浮かべてください。湖畔を正面にした左右対称の建物…。

町の観光地の反対側にある。
筆者はバスを利用した。


バスを降りると・・・早速見えてきた!
『ニンフェンブルク城』である。


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筆者「早速、エンディング場面と同じ角度の写真が撮れたぞ。素敵だなあ。」

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「…」

「…

「…


筆者「…あれ!?違う建物ッ!!?」

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そう、微妙に違う建物なのだ…!

▼建物の構成は似ているのだが、屋根のつくりとかが違う…。

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前述の作品概要を思い出してほしい。

『去年マリエンバートに』は、
建物や衣装がコロコロ切り替わる、
もの凄く複雑な映画なのだ!


つまり、
筆者が先ほど思い浮かべた場面は違うお城
同じくミュンヘン郊外にある『シュライスハイム城』 なのだ。


映画鑑賞時と同様に

筆者は混乱していく。

ロケ地でも筆者を惑わせようというのか…!

▼筆者「確かに、劇中の建物にこの階段ではなかった…ような気がする!」

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複数のお城で撮影しただけでなく、
監督はロケ地にそっくりなセットまで用意して、
曖昧度を上げたという話もあるほどだ。一筋縄ではいかない。



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気を取り直して、
チケットを購入して内部を見学する。2F中央ホールに到着。


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ここは、映画のオープニングに沢山出てきた装飾!
今度こそ、このお城で撮影されたのに違いない!

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劇中ではシャンデリアから、なめるようにカメラが進んでいった。
あんなに建物の装飾に時間をかける映画は珍しい。

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先ほどの建物の勘違い?があると、
確かに映画に出てきたホールのはずなのに、疑わしくなる…。
でも合っているよな…。

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見学コースでは、
ホールだけではなく、いくつもの部屋を見て回ることができる。


オープニング後の映像では、カメラはすぐに、ホールから廊下へと進んでいた
例の如く、劇中では、全く別のロケ地に切り替わるのだけれど。
このお城では広い部屋は少なめ。

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最も人が多い場所は、美人画ギャラリーの間。

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ルードヴィヒ1世が愛した美女36人の肖像画が並んでいる。

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さて、目当ての裏庭園に到着。

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DVDのジャケットにも使われている場所。
パッケージにもある三角形の変な木々は、
映画用の作り物なので、今は無い。

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カラーでこの場所を目の当たりにすると、
ちょっと不思議な感じ。


▼シャネルの服がコロコロ変わる中庭
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好きな場面を思い起こす。
羽をあしらったドレスの場面が大好きなのだ。

映画では瞬時に別のドレスに切り替わってしまうのだが、それも尚良し。

筆者「否、まてよ」

裏庭園から、お城を眺めた場面は、

『シュライスハイム城』が映っていたはず…。

ということは…
ということは…

「筆者の好きな場面は、
どこからどこまで、ここで撮られたのか?」

ロケ地に訪れてまで、
難解な騙し絵の迷路は続く…。

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次回『フォレスト・ガンプ』編?

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