藤沢数希「週刊金融日記」

週刊金融日記 第28号 おいしい大企業正社員+副業、日本株急上昇、ソウル買い物旅行、サルサと出会い、他

2012/10/21 23:59 投稿

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// 週刊金融日記
// 2012年10月21日 第28号
// おいしい大企業正社員+副業
// 日本株急上昇
// ソウル買い物旅行
// サルサと出会い
// 他


 こんにちは。藤沢数希です。
 少し肌寒くなって来ましたが、秋って本当に食べ物が美味しいですよね。サンマも美味しいし、牡蠣も美味しくなってきます。また、フレンチではジビエ(野生の鳥獣)が冬に備えて栄養を蓄えるため、これまた美味しくなります。キノコも美味しいし。
 ダイエットするにはきびしい季節です。まあ、10月は特別ルールで体重を増やしてもいいことにして、11月からダイエットをはじめましょうか。
 さて、今週号は最初にまじめなビジネスの話を持ってきました。


1.おいしい大企業正社員+副業

今週号ではサラリーマンの副業に関する相談をふたつほど受けましたので、最初のテーマはこれにしたいと思います。
このテーマは一度しっかりと何か書こうと思っていましたので、この機会に僕の意見をいくつか書いておきます。

割りとセンシティブなトピックで、法的にもいろいろリスクがあるので、最終的にはご自身で判断され、自分のリスクでやってほしいと思います。

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いつも金融日記を楽しく拝見させて頂いております。
匿名希望の26歳男子です。

以下、質問させて頂きます。
1.素朴な疑問なのですが、藤沢様がお勤めの会社は副業OKなのでしょうか?
 (これだけ大々的にお稼ぎなのでOKなのでしょうが)
2.副業NGの会社で、副業をする場合にベストな方法はどのようなものだと考えますか?

質問の背景ですが、私は友人と二人で起業を考えております。
どちらも日系企業のサラリーマンで、私は大手インフラメーカー勤務、友人は大手総合商社勤務(某海外に駐在中)です。
ゆくゆくは起業したいのですが、最初は現在の会社に勤めながら軌道に乗せたいと考えております。
二人とも勤め先企業の社内規則で副業は禁止されているので、会社にバレずに起業する方法を考えております。
是非お答え頂けると有り難いです。
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外資系企業は、副業なんてほとんどどこもNGですよ。
というか、ほとんどの大手企業の社内規則で副業は禁止されています。
会社は、奴隷に別の収入ができて、鎖を外されてはとても困りますからね。
あと、僕の意見では、副業は会社に黙ってやるに限ると思います。
というのも、副業をするということを上司なりコンプライアンス部に相談すると、上司なりコンプライアンス部にも責任が生じてしまうからです。
上司もコンプライアンス部もみんなサラリーマンなので、本音では「黙ってやってくれ」ということなのです。
黙ってやっててくれれば、何か問題が起きた時に自分の責任にはなりませんからね。
それがサラリーマンのメンタリティというもので、別にそれで何の問題もないのです。
上司やコンプライアンス部がダメと言ったら、あなたは副業をやめるのでしょうか?
また、OKだったとしても、サビ残をやらずに帰った時になんか嫌味を言われたりして、出世に響きますよ。
ということで、よほど理解がありそうな場合や、今の会社の下請け的なビジネスで将来独立したいというような場合を除き、副業は基本的に黙ってやりましょう、というのが僕の率直な意見です。

さて、法的なリスクですが、僕もかなり研究していますが、基本的には会社の勤務時間外に何をやろうとあなたの勝手だと考えていいでしょう。
もちろん社内規則では、会社側に有利なことがいろいろと書いてありますが、いざ裁判になれば、労働法などの日本の法律が上なので、社内規則にあなたの権利を侵害することが書かれていても無効になることが多いと思います。
よって、以下の点を気をつければ副業は「法律的には」OKだと考えられます。

1.会社の営業機密を漏らさないし、副業には使わない。
2.会社の直接の競合になるような副業はしない。
3.会社の業務に支障が出ないように、十分な休息時間は確保する。

まあ、常識の範囲で考えれば当然のことばかりですね。
会社から業務を与えられて給料をもらっているのですから、その分の仕事はしっかりやりましょう、ということです。
その上で副業をがんばればいいと思います。
つまり、副業するのは大変なのですよ。
でも、それぐらい大変なことを軽々とできないようでは、その後の起業や独立など到底できないと思います。
週末に働くぐらいで、それなりに利益を出せるようになってから、会社を辞めて起業することを考えればいいんじゃないでしょうか。

大企業の正社員で、最初は副業をして、うまく行き始めてから起業する、というのは実は大変多いパターンです。
なんか臆病者っぽいですし、昔の職場に気を使ってみんな表立っては言いませんが、正社員の給料を貰いながらそれでリスクヘッジして、ある程度うまく行きそうなところまで事業を育てた後に起業するのはローリスク・ハイリターンで、大変おいしいと思います。
僕の知り合いの起業家や独立した人たちの8割以上がこのパターンです。

さて、バレないようにするにはとにかく誰にも喋らないことです。
(これは不倫などにもいえます)
ちょっと利益が出始めると、会社の同僚とかに自慢したくなる気持ちも分かりますが、本当に信頼出来ていっしょに業務をやっているメンバーだけで情報を共有して下さい。
沈黙は金なり、です。
また、副業を法人化して会社を登記すると、調べればバレますから、個人事業主として進めるのがいいかと思います。

さて、上記の点を注意すれば副業は「法律的には」OKといいましたが、それはバレてもクビにならない、ということを言っているのではありません。
もしバレて、副業を理由に会社から解雇された場合に、日本の裁判所はその解雇が無効だという判決を書く可能性が高い、ということを言っているに過ぎません。
当たり前ですが、会社は好きな時に好きな理由で解雇できます。
解雇してから給料を払うのを止めるだけなので簡単ですね。
そこで解雇された社員が裁判を起こした場合に、それが無効になるかどうかという問題だけです。
ここで解雇無効になると、会社は、裁判に勝った社員を職場復帰させるかどうかはともかくとして、基本給を払い続けなければいけませんから、かなり痛いです。
中小企業なら潰れかねません。
しかし、大企業なら体力がありますから、むしろ社員に勝手に副業なんかやられては困るということで、そういった裁判で負けるリスクを承知で、見せしめ的に解雇する可能性はありますね。

ということで、要するに腹を括れ、ということですよ。
会社に万が一バレて、たとえば上司に呼び出されて「副業を辞めなさい。辞めないなら、会社を辞めなさい」と言われた時にどうするか、ということです。
「両方辞めません。私としては会社に迷惑をかけているつもりもありませんし、どちらも大切だと思っています。それを理由に解雇するなら司法の場で争いましょう」とドヤ顔で上司に言い切るぐらいの覚悟をしておけば怖いものはありません。

それでは次の相談です。

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いつも有益な情報、本当にありがとうございます。
私は28歳、既婚、子無し、大卒、東証一部上場企業に勤める年収420万円のごくごく普通のサラリーマンでございます。
仕事は楽しく、やりがいあるのですが、大企業ということもあり、営業成績は良くても、いかんせん出世が遅く給料が遅々として上がりません。
30代には年収650万円以上は見込めると思うのですが「デート」「遊び」「趣味」ともっともっとお金が欲しいです。
やはり起業や転職を選択するしかないのでしょうか?
今の会社が好きで、よっぽどの経営環境の悪化が無い限りはココで働いていたいと考えております。
サラリーマンでいながら、稼ぎを増やそうとアフィリエイトをやっておりますが、月に1万円程度と微々たるものです。
何かこの状況を打開する最良の戦略がありましたら、ご教授頂きたくメールさせて頂きました。
ご回答よろしくお願い致します。
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ということで、僕は会社勤めしながらやりたいサイドビジネスを育てて、副収入を得る、というのをオススメしています。
インターネットのアフィリエイトって、会社勤めでも簡単にできる副業なのですが、問題は参入障壁が低すぎて超絶なレッドオーションで、こういうサラリーマンの労力をシロナガスクジラが北極でオキアミを飲み込むように大量に捕食しているグーグルやアマゾンばかりが儲かって、副業サラリーマンはぜんぜん儲からないことです。
だから月1万円というのは、かなりがんばっている方ではないでしょうか。
しかし、ネットの世界というのは勝者総取り的なので、成長が対数目盛でして、1000円の次は1万円で、1万円の次は10万円なんですよね。
だから、このままネット・ビジネスをがんばって月10万円にするというのもひとつの手です。
簡単ではないと思いますけど。

いずれにしても、大企業の正社員をやりながら副業をする、というのはなかなかおいしいポジションだと思います。
大企業に所属していると人脈も作りやすいですし、新しいことを学べる機会がとても多いですからね。
そういうわけで、僕は覚悟を決めて、ずっと個人メディアという副業をやってきました。
だからといって本メルマガの読者の方にも、会社から干されるし、最悪の場合には解雇される、というリスクを負ってでも、もうひとつの仕事をしろ、と言うつもりは毛頭もありません。
また、僕は弁護士資格も持っていませんし、法律の教育を受けたこともありませんので、法的リスクに関しては弁護士などに相談してみてください。
まあ、ご自身で判断していろいろやってくださいな。
 

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