今日もキノコ日和

その6:晩夏キノコグレネード

2015/08/30 02:59 投稿

コメント:9

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  • ガガンボ(東方手描き作者)
  • キノコ

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≪注意≫
このブロマガはキノコ屋見習いの観察をまとめたものです。実際の同定に利用できるものではありません。
記事内容に訂正・補足がある場合はコメント等でご指摘いただければ幸いです。
なおキノコの正確な判別は経験者でも間違えるほど難しいものです。慣れない内はベテランの方に付き添ってもらうなどして、素人判断での採取・喫食は行わないでください。死にます。

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先週の日曜日(8/23)。
週明けに台風が来るとの予報があったので荒れる前にキノコを見に行くことにしました。お盆の前後辺りから雨の日も増えてきて、驚くくらい涼しくなってきているのでもしかしたら気の早い秋キノコなんかいるんじゃないか。そんな期待も込もってます。

今回訪ねたのは県北の山です。バスを乗り継いでやってきましたが、いい加減通い慣れてきました。目当てはキノコ全般としていますが、虫草も探したいところ。そこでまずはざっと登りながらキノコを探し、降りてきてからバスの時間まで沢伝いに虫草探しに集中するというプランを組みました。キノコと虫草はなかなか両立して探すのが難しいのです。











ボタンイボタケかな。この日はよく見かけました。
裏面平滑。生長したら名前の通りイボイボになります。



キアシグロタケ。



エゴノキタケ。
日本特産のキノコ。エゴノキから生えるのでエゴノキタケ。
迷路状のヒダが分厚くて愛嬌がありますね。半背着生のキノコですが、これはほとんど側生状になってます。ものによっては背着生と見紛うようなこともありますが、生えてくる場所や生長過程の違いがあるのでしょう。
迷路状の傘裏は時にヒダ状にもなります。結構ヒダ状⇔迷路状(シワ状)で揺れるキノコはいるので、ここら辺が進化の過程なんじゃないでしょうか。ヒダ→脈で連結・シワ状→迷路状・ウズ状→管孔状、みたいな。勝手な想像ですけど。


しかし革質キノコが続くなぁ。雨降ったと思ったけど、そんなでもなかったのかな。
と思ってたらカエルがいました。お前も雨待ちか?





前回見つけたツチダンゴのポイントを軽くほじくったらまだいました。
ここは大事にしておきたいので埋め直してさようならです。
もっと増えて、あわよくば寄生されろ。






コケイロサラタケ。
抹茶アイスみたいな深い緑色がなんとも渋い。和を体現したような風情があります。
ちなみに私は抹茶チョコとか抹茶アイスの類が好きで、キットカットも抹茶味がホワイトの次に好きです。最近は大人の何とかみたいな甘さ抑えた奴しかないのが残念です。


むむ、これは思いがけない出会いです。
林道横の斜面上にウスヒラっぽいのがいるのでシダをかき分け近づいていたら足元から粉埃が舞い上がりました。なんだろうかと覗いて見ると、これは……アナモルフか?




うむ、やはりこれ、虫草のアナモルフ(不完全世代)っぽいですね。
虫草の仲間である子嚢菌類はテレオモルフ(有性世代=完全世代)とアナモルフ(無性世代=不完全世代)という二つの形態を持ちます。詳しい説明はめんどくさいのではしょります。
サナギタケやオオセミタケのように表面が粒々してるのがテレオモルフ、ハナサナギタケやコナサナギタケのように粉っぽいのがアナモルフと思っとけば大体あってます。

さて、それでこいつは何でしょうか。ぱっと見ハナサナギタケとかそこら辺っぽいのですが、発生箇所がシダの茎からと来た。たまたま宿主が変なとこに潜りこんだだけか? 膨らんでいるのは虫こぶ状になってるのでしょうか。
何にせよ細かく見るためには持ち帰ってクリーニングし、宿主を確認しなければいけません。とりあえず茎から切り取って持ち歩くことにします。



ウスヒラタケ。
そこそこ重生してましたがこいつ自体は老菌で見に行くほどでもなかったかな。
まあ虫草見つけられたのでよしとしましょうか。
そう思いながら斜面を下り始めると、

私「あっ」
虫草「自由だー」

落っことしました。
採取した虫草をタッパーにしまうにはリュックを下ろさねばならず、足場が悪いため道に戻ってからにしようと手に持って歩いていたのです。しかしそれがいけなかった。
バランスを崩した拍子に手からこぼれた虫草はそのまま藪の中に飛び込んで行きました。慌てて探しましたが、いかんせん動きづらく夏場の下草が視界を遮ります。しばらく粘ってみましたが、見つからないので諦めて道に降りました。くそ、もったいないことをした。無念。







倒木から生えていた白いニカワ状のキノコ。水分を含んでいてムニムニとしています。
おそらくシワタケの若いものですね。半背着生のキノコで傘が作られる前はべったりと貼りついています。管孔部は淡い黄色~肉色。
ごく普通に見られるキノコですが、若いものは何気に初見でした。



わー、ちょうちょだー。



下山途中のスギ林で見つけたキノコ。
干からびてしまっていたので行きしはスルーしたのですが、よくよく見たらなんじゃこれ。
目玉焼きみたいに繋がってんじゃん。右とか、サヤエンドウみたい。


麓の近くまで降りてきました。
バスの時間まで一時間ちょいあるので、沢伝いに歩いて虫草を探します。




ベニチャワンタケ。
沢の倒木から生えていました。ベニチャワンタケ科のキノコで外側の色が淡く柄がついているのが特徴です。見た感じ似ていますがアラゲコベニチャワンタケやベニサラタケとは全然別の仲間です。



オオゴムタケ幼菌。
見つけたときちょっとぎょっとしたじゃないか。若いうちは何かのマユのようにも見えます。一つもぎ取ってみれば、その感触に思わず怖気が走りました。プニプニ、というかブニブニという弾力がフェルト状の表面と相まって絶妙な気持ち悪さです。


割ってみました。中は半透明な白色でゼラチン状。
一応食べられるキノコですが、どうしよっかなこれ。
んー、まだ小さいししばらく置いておきましょう。次来た時に覚えていたらその時採取します。覚えている保証はありませんが。




いくつかキノコは見つかりましたが、肝心の虫草が見つかりません。
ひょっとヤンマタケでもいないかと頭上を仰ぎ見ます。日の光を透かす青葉に何やら星状の影……。これは!



見つけました! 
小型のクモに寄生するAkanthomyces novoguineensis( アカンソマイセス ノボギネンシス)です。突起に覆われてウニみたいになってます。カッコいい!

よく見ると茶色の足がちら見してますね。それと葉っぱの表面に蜘蛛の糸のように細い菌糸が張られているのがわかるでしょうか。これは宿主を固定するアンカーケーブルのような役割をしていると考えられます。


大きさはこんくらいです。
よく葉っぱについてるような小型のクモから出ているようです。

ホクホク顔で採取しました。持ち帰って乾燥標本にしましょう。ただ乾燥させるにしても葉っぱがどうなるかわかりませんね。くるまったりしないように固定すればいいかな。
とりあえず以前聞いたフリーズドライというのを試してみることにしました。乾燥材と一緒にタッパーに詰めて、綺麗にできることを祈りながら冷凍庫に突っ込んでおきます。

家族に内緒で。

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≪雑記≫
ブロマガ始めてみましたが、案の定リアルタイム更新とは程遠い頻度になっていますね。
今のところ一週間遅れと行ったところですが、それでも一年遅れの動画かよりはマシなほうでしょうか。個人的にはシーズン中に発見報告を上げて、それを見た人が自分も探しに行こう、という気持ちになってもらうのが理想です。理想なんて叶わぬものなんですけど。

実は動画の方でもかなりスペシャルな遠征をしたので作って行きたいと思っているのですが、こっちもちょっと停滞気味です。秋に向けてまた同人誌の原稿を着手し始めたところ、なんか調子に乗ってネーム切っちゃいまして。未だかつてないほどのページ数になってしまいました。とりあえず作業を進めていますが、まず間にあいそうにない感じです。どこかを思いっきりカットするか、前後篇に分けて別イベントに回すことも視野に入れてます。
そんな状況なので次のキノコ動画はもうチョイ先になりそうです。一段落つくとしたら秋か冬か。いやそこから作り始めるとしたら出来るのは春……いや夏……?
まあ、気長に行きましょう。焦っても仕方ないですよ、こういうのは。

コメント

gim_kondo
No.7 (2015/08/30 22:06)
更新乙です。
ガガンボさんの動画やブログで最近キノコ熱が再燃してるので、いつも楽しみにしています。
特に虫草はなかなか自分で見つけられないので、こういう記事はありがたいです。

>>ちょうちょ
あんまり蝶に詳しくないですが、ジャコウアゲハっぽいですね。
似た種だとクロアゲハなどがいますが、ジャコウアゲハの特徴である腹部の赤い模様も見えてますし。
森屋@すみぞめ
No.8 (2015/09/07 08:13)
コケイロサラタケ、ぜひ撮影してみたいキノコです。ところで、黒い蝶々なんですけど、アゲハモドキ(蛾)かと思います。有毒成分を体内に蓄積する、ジャコウアゲハに擬態していると言われていますね。アゲハモドキの食草はミズキ科樹木なんですけど、幼虫がまるで菌にやられたかのような姿をしているんですよ。
麦松
No.9 (2015/09/08 10:25)
更新乙です。
ガガンボさんの動画やブログのおかげで、キノコの奥深さや素人判断の危険さを教わりました。
自分では実際に見に行く機会がなかなかないので、今後もぜひ豊かなキノコの世界を拝見させていただければと思います。
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