今日もキノコ日和

その63:梅雨八丈島アイランド(3日目~夜編~・4日目)

2017/08/09 17:46 投稿

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≪注意≫
このブロマガはキノコ屋見習いの観察をまとめたものです。実際の同定に利用できるものではありません。
記事内容に訂正・補足がある場合はコメント等でご指摘いただければ幸いです。
なおキノコの正確な判別は経験者でも間違えるほど難しいものです。慣れない内はベテランの方に付き添って
もらうなどして、素人判断での採取・喫食は行わないでください。死にます。
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 本命と思われたポイントが不作に終わり、そのまま日も暮れてしまいました。osoさんが大場さんたちに連絡して確認してみましたが、コガネムシタケのポイントはやはり今回探した場所が一番実績のある場所なのだそうです。今年の梅雨は雨の降り方が変な感じだったので発生時期がずれてるのかもしれません。最終日の午前中は一度見たポイントを再度洗いなおそうということにして夕食を食べに下山しました。

 この日の夕食は前々から決めていたカレー屋さんへ向かいます。前に八丈島に来た時も一度来ているのですが、シェフはTVチャンピオンで優勝した実績もあるという腕前の持ち主で次も必ず来ようと話していました。
 ところが案内板などみじんもない小道を進み、ようやくたどり着いた店先には一枚の張り紙が。何ということでしょう、タイミング悪くちょうど私たちの滞在期間中は臨時休業をしているとのことでした。ガーンだな。
 結局夕飯はこちらも前回来た時に気になっていたピザ屋に入店。かなり本格的な出来立てピザを美味しくいただきました。メニューの中にキノコばっか載せたピザがあって正気を疑いましたが、osoさんたちがそれを注文するのを見てこの世界は狂っているのだと実感しました。

 食事を終えるころになると外はとっぷり日も暮れていました。ロッジに向かうため車を走らせると思いもよらぬ光景が広がっていました。初めはちらほら小雨でも降ってるのかと思いきや。そこら中を飛び交う。どうやらシロアリの巣立ちの日とドンピシャでかぶってしまったようです。ロッジの人も窓ガラスを掃除しながら毎年こんなもんですよと苦笑いしてました。場所によっては車がスリップするレベルで集まるんだそうです。osoさんとアメさんはそんなシロアリを食べに出てきたであろうヤモリを捕まえてきゃっきゃきゃっきゃと遊んでました。

oso「鳴いた! ヤモリが鳴いた!」
アメ「柄もなんか違ったし、あれはいつものヤモリじゃないですよ!」

 はしゃぐのはいいんですけど、せめて私が来るまで肝心のヤモリを捕まえておいてくださいよ。と、ここで一日ぶりにしょうどんさん登場。先のヤモリの話をしたところ、外来種のヤモリなんだそうです。

私「鳴くのは外来種だったのか」
しょうどん「そもそも普通のヤモリも外来種」

 この他にもどでかいサツマゴキブリを見つけてアメさんが奇声(歓喜の)を上げたり、ロッジから出て10秒ほどの茂みで虫草らしきものを見つけたりと色々ありましたが割愛します。ゴキブリは自己責任で画像検索してください。そもそもしょうどんさんがやってきたのは偶然でもなんでもなく、これからまたガイドをお願いするからに他なりません。大の大人が揃って夜の中を出かける……。もうおわかりですね?
 そう発光菌探しです。

 発光菌というのは文字通り暗闇で光るキノコのことです。前の記事でも書きましたが八丈島は発光菌がたくさん見られることで有名で、それ用の観光ツアーもあるくらいです。空港のお土産屋さんにあったご当地キティちゃんのキーホルダーも発光菌でした。前回来たときはエナシラッシタケを見ることができましたので、今回はそれ以外のものが見たいなぁと何気に私の中ではコガネムシタケと同レベルに楽しみにしていた相手です。ちなみに前日にご一緒した大場さんは発光菌のスペシャリストなのですが、この日は別の場所(確か四国)で発光菌の調査を行っているため不在です。

 先行するしょうどんさんの車についていくと何やら見慣れた風景が見えてきました。たどり着いてみれば何のことはない、日中にコガネムシタケを探し回ったのと同じ場所じゃありませんか。まさかここに発光菌がいたとは。まああいつら明るいうちは目立たないし、虫草と探す場所違うんで気づかないのは当然なんですけど。



 ガイド経験もあるしょうどんさんの手馴れた案内を聞きながら向かうと、遠目にもわかる発行体。シイノトモシビタケの群生です。今まで朽ちた倒木から出ているのは見たことがありましたが、立ち木から生えているのは初めて見ました。枯死した部分から出ているのだろうとのことです。

 縦方向に伸びる生え方は見ていてとても壮観ですね。ただ写真に収めにくいのが難点。生えている場所がかなりの急斜面になっているのでうかつに近づくこともできないし。

 と思っていると近場で見れるポイントもあるということでさっそく案内してもらいました。







 間近で撮ったシイノトモシビタケ。左がフラッシュありで、右が長時間露光。シイノトモシビタケは発光菌の中でも明るいやつなので割と簡単に撮影できます。そしてシイノトモシビタケの撮影を済ませるといよいよメインの相手の登場です。



 すっげぇ……。
 息をのむ美しさとはこのことですね。眼前に広がったのは得も言われぬほどの荘厳な光景でした。これは巨木の側面を写した写真なのですが、暗闇にそびえ立つ巨影を覆い尽くす光の群れはまるでホタルの一群のようです。これがギンガタケというキノコです。小型の発光菌で、とにかく大量に群生するのが特徴。そのためタイミングさえ合えばまさしく銀河のような姿を見ることができます。


 フラッシュをあててとるとこのようなキノコ。とても小さく発光する力もそれほど強くないので、今回のように綺麗な状態で見れるのはなかなか難しいのだそうです。しょうどんさんの話ではやはり直前の雨が効いたのだろうとのことでした。この旅では色々振り回された空模様でしたが、すべてはこのための布石だったと考えれば納得できますね。

 いややっぱ無理だわ。一日分の宿泊費返せ。



4日目(最終日)朝

 昨晩の発光菌観察から一夜明け、最後の朝です。寝る前はちょっと早起きして海でも見に行こうかと思ってましたが睡魔には勝てませんでした。八丈島に二回もやってきて一度も海見てないってのもどうなんだろうなと思いつつ、またロッジの食堂で朝食をとりました。
 話し合いの結果、この日は昨日見たポイントの近くを見て回るということになっています。昼には空港へ行かなければならないので残された時間はわずかばかりです。


 宿泊したロッジの目の前にあるやぶの中に生えてたクモタケ。初日にサソリモドキとか捕まえてた場所です。しかしこんな目と鼻の先に生えていたとは、虫探してる時には全く気が付きませんでした。

 そして最後の望みをかけて行ったコガネムシタケ探しですが、結論から言うと見つかりませんでした。残念。宿主となるクロコガネの死体はいくつか見つけたので、やはり場所自体は間違いなさそうです。こうなってくるとタイミングが悪かったか、日ごろの行いが悪かったかのどちらかですね。後者に関して私は全く心当たりがないので、他のメンバーの誰かでしょう。


 斜面に生えていたモウセンゴケ。野生の食虫植物ってあまり見たことがないので新鮮な感じです。こんな風に生えてるんだなぁ。


 というわけで最後の最後で何とも尻すぼみで終わってしまった感が残りましたが、これにて3泊4日の八丈島合宿は終了です。メインに据えていたコガネムシタケに出会えなかったのは心残りであるものの、ヤブニッケイモチ病菌や虫草各種、ギンガタケなど普段目にすることができない相手をしっかりと観察することができました。また同行した仲間たちや現地を案内してくださったお二方とも親交を深めることができ、実に有意義な4日間だったと言えます。

 この後は空港でお土産を買ったり、天気が崩れてきてこれまた飛行機飛ばないんじゃね?ってなったり、単位が危ないアメさんが帰れないと本当にまずいと本気で狼狽したりと色々ありましたがそこら辺は書かないことにしておきましょう。天気はギリギリ持ったようで無事予定していた昼の便で帰ることができました。


 飛行機に乗って久しぶりの羽田空港。私が「ハンバーガー食べたい! ハンバーガー食べないなら一歩も動かん!」と大人らしい提案をしたため最後にみんなでハンバーガーを食べることになりました。念願のハンバーガーと一緒に名残惜しさも飲み下すと数日間の思い出が鮮明に思い出されました。色々とトラブルもあったけれど、実に楽しい旅でした。


 ありがとう、八丈島。
  さようなら、八丈島。


 コガネムシタケはもうちょっと空気読め。


コメント

ガガンボ (著者)
No.1 (2017/08/09 23:43)
推敲もろくにしてないけどとりあえずこれで終わりです。6月の話書くのに二か月近くかかってしまった。同行者がいると気を使うから筆が進まないんですよね。
まあそれはともかくとして八丈島は本当にいいところなので皆さんもぜひ行ってみてください。虫草や発光菌の他にも意外と知られていませんが海とかきれいで人気らしいですよ。
α-amanitin
No.2 (2017/08/10 21:28)
気を遣わせてしまってもうしわけなかったです。オフレポお疲れ様でした。
次までには雨男を鍛えてある程度調整できるようにしておきます。
青fungi
No.3 (2017/08/10 21:52)
 かこつです。
 光るキノコ、実際に見ると感動しますね、ほんと。
 キノコの出る時期でも海は綺麗なんですけど、海メインで行く人に光るキノコの良さ説くのは時期的に厳しいかもですよねぇ。
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