今日もキノコ日和

その62:梅雨八丈島アイランド(3日目~昼編~)

2017/07/28 23:04 投稿

コメント:1

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≪注意≫
このブロマガはキノコ屋見習いの観察をまとめたものです。実際の同定に利用できるものではありません。
記事内容に訂正・補足がある場合はコメント等でご指摘いただければ幸いです。
なおキノコの正確な判別は経験者でも間違えるほど難しいものです。慣れない内はベテランの方に付き添って
もらうなどして、素人判断での採取・喫食は行わないでください。死にます。
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 一夜明けて二日目(実際は三日目)の朝です。枕が変わっても平気で寝られる性分の私は適度な疲れもあってかぐっすり熟睡できました。むしろ効きの悪いボロエアコンしかない自室より快眠できたんじゃないでしょうか。
 朝食は宿泊プランに組み込まれていたのでそのままロッジの食堂を利用しました。コンビニなどはないので商店の開店を待ったりせず、朝一で動けるのは嬉しいところです。普段は朝食は摂らないか、軽くパンで済ませているところに定番の和食が染み入ります。

 この日の予定は昨日に引き続き虫草探し。目標のコガネムシタケを探して二か所ほど回ることにしています。とりあえずは一か所目、前回来た時にヤクシマセミタケの坪を見つけた山道へ向かいました。
 道中ではどういう話の流れだったか、心霊スポットの話題で盛り上がっていました。

oso「地元にはやばいとこありますよ。一度に何十人もの人が引きずり込まれて溺れたっていう砂浜が」
木下「あー、有名どころですね」
アメ「オカ板とかでは定番ですよね。あのもんぺかぶった幽霊を見たっていう
私「……もんぺはかぶらん」

 もんぺ頭にかぶってたら、下に防空頭巾履いてんのか。
 数日過ごしてわかりましたが、後部座席の二人はちょいちょいずれているところがあるようです。私のような平凡で常識的な人間はツッコミに回って苦労するばかりですね。

 それから途中途中で良さそうなポイントがある度に探索という風に進んでいきました。倒木からクチキムシツブタケが出ているのを発見し、「こいつらは浅いからすぐとれますよ」というosoさんの言で木下さんたちが掘り始めたものの思いのほか深く、これは時間かかりそうだから後回しにしようと切り上げたりもしましたが、おおむね順調に山道を登って行きました。

アメ「今のは……ハトか」
私「ハト」
oso「進む先に逃げるな」
アメ「アカコッコいないですね」

 アカコッコというのは八丈島にいる鳥の名前だそうです。アメさんが八丈島に行くと言ったところ、鳥屋の知人からぜひ見てこいと言われたのだとか。前日大場さん達と話しているときも情報を集めていましたが、その結果わかったことは
・赤い
・町中でも割と見る
・山の中で綺麗な鳴き声が聞こえたらそう
 というものでした。
 非常に詳細な情報でこれはもう見つけたも同然と言っていいでしょう。

 結局アカコッコは見つからないまま、前回見つけたヤクシマセミタケの坪に到着。今回はまだ綺麗な個体を見れていないのでさっそく探そうとしゃがみこんだところ、足元の小枝から何やら頭を覗かせているものが。

私「これってさー」
oso「ああ、ヒメクチキタンポだね」

 思わぬところでヒメクチキタンポタケを見つけました。西日本、特に関西に多いとされている虫草ですが八丈島にもいるんですね。以前京都の坪を案内された時はosoさんが見つけたものを眺めるだけだったので何気に自力発見は初です。しかしここで見つけることになるとは。



 結実部アップ。子嚢殻のツブツブがよく見えます。成熟した個体ですね。


 その場で簡単に作った断面。宿主はキマワリという甲虫の幼虫です。朽木の周りを後ろ足の長い変な虫がカサコソしてたらそれがキマワリ。



 付近で見つけたヤクシマセミタケ。これもまだ未成熟な段階です。


 木下さんが担当した個体。こちらは成熟が進んで子嚢殻もはっきりわかります。なかなか地下部の長い個体でしたが見事に掘り出してのドヤ顔です。たっぷり。

 その後は周辺で銘々で個体を見つけ、採取したり写真撮ったり。私は以前来た時に採取も撮影も済ませているので、周りを歩きながらコガネムシタケを探し回りました。と、道脇のコケの上に黒光りするものを発見。



私「あ、クワガタだ」
アメ「クワガタ!?」

 なんかキノコの時より反応よくない? もはや半分虫屋でしょ君。

私「なんですかね、これ」
アメ「虫屋の友人から聞いたんですけど、八丈島にはハチジョウノコギリクワガタっていうのがいるらしいんですよ。これ、もしかしたらそいつかも」
私「名前まんまですね。なんか、ラインとかで聞いてみてください」

 その後、本職の虫屋さんと連絡を取ったところ件のハチジョウノコギリクワガタで間違いないそうです。聞けばここ八丈島でしか見ることのできない固有種で、ノコギリクワガタの中では最小のクワガタなのだとか。最近では数も減ってきているため、絶滅危惧Ⅱ種指定を受けている貴重な奴なんだそうです。そんなのがなんでのこのこ(ノコギリクワガタだけに)歩いてんのかと思えば、何でも成虫はほとんど飛ぶ能力がなく、食事などもとらずに昼夜も区別せず歩き回るんだそうです。アクティブなやつだ。

アメ「すげえ! めちゃくちゃレアですよこれ!」
oso「今回で一番珍しいやつじゃないですか?」
私「本命はこいつじゃないんだけどなぁ……」

 サブヒロインルートに入っちゃったか。本命(キノコ)ルートのフラグはどこだ。
 その後は帰りに途中で切り上げたポイントへ寄って採取の続き。実はもう宿主の目前まで掘り進んでいたらしく、再開するとあっさり掘り出すことができました。誰だよ、これは結構深そうだとか言ってた奴。私です。
 

 ツブノセミタケ。きれいに成熟している個体を見つけたらなぜか相手することになったので掘っている途中。粘土質の土のせいでやたら掘りにくかったものの、割とすぐに宿主にたどり着きました。八丈島は土質の影響か、あまり深い地下部は作らないみたいです。というか今のところ本土でも八丈島でも私が掘ったツブノセミタケってどれも短いものばかりなので、
実際は短いのが基本で長いやつのが珍しいんじゃないの? とさえ思ってます。
 今遠くで舌打ちの音が聞こえた。

 ツブノセミタケを難なく掘り終えた後片づけをしていると、何やら頭上の方から歓声が聞こえました。やめろ、こっちが手を離せないときに盛り上がるな。俺も混ぜてくれ。


 見つかったのは待望のエニワセミタケ。八丈島はセミ生の虫草が多いのですが、その中でも発生数の少ないレアものです。そのくせ不稔個体(結実部を形成しない)が多いという変な奴。どうやって繁殖してるんだ? これも不稔個体のようです。

 各自満足のいく成果を上げて一時下山。一度宿に戻って忘れ物とってきたり、お店で昼食を買ったりして次のポイントへ向かいます。この日二か所目のポイントはコガネムシタケ発生の前例がある大本命。ここならばお目当てのものが見つかると意気揚々と乗り込みました。

oso「これから行くところはいい場所なんですけどね、アリドオシが多いんですよ」
木下「アリドオシ?」
oso「アリを突き通すような鋭い針の生えた植物で前回はひどい目に遭いました」
木下「あー、それで蟻通し」
私「アリドオシの針は近くを通った振動とかでも発射されますからね」
アメ「そうなんですか!?」
私「ええ、というのもアリドオシはこの針自体が種子になってるんです。近くを通った動物に発射して突き刺すことで生息域を広めるという生態なんですよ」
アメ「へー、すごいですね」

 まあ全部ウソですけどね。
 今のはジョジョの奇妙な冒険SBRに出てくるサボテン「チョヤッ」の引用です。


 そんなおちゃめな会話も弾ませつつやってきた第二ポイント。ところがここがまさかの不作。それなりに虫草は出ていたものの、肝心のコガネムシタケは見当たらず。どころか発生数自体も先に回った一か所目や前日見たポイントの方が多いくらいでした。


 

 よかったのは綺麗なマユハキタケが見つかったくらい。
 う~む、これは参りましたね。想定外の事態です。てっきりここに来ればもう大丈夫と思ってたのに。一日目が潰れてしまったせいで残された時間はもう最終日の午前中だけ。はてさてどうしたものか……。

コメント

ガガンボ (著者)
No.1 (2017/07/28 23:06)
書いててどんどん長くなる……
次で最後にする予定です
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