今日もキノコ日和

その41:秋キノコウイング

2016/10/27 07:10 投稿

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  • ガガンボ(東方手描き作者)
  • キノコ

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≪注意≫
このブロマガはキノコ屋見習いの観察をまとめたものです。実際の同定に利用できるものではありません。
記事内容に訂正・補足がある場合はコメント等でご指摘いただければ幸いです。
なおキノコの正確な判別は経験者でも間違えるほど難しいものです。慣れない内はベテランの方に付き添って
もらうなどして、素人判断での採取・喫食は行わないでください。死にます。

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 10月初週。イベントへの荷物も送り終わり、一通りの準備も済んだ私は近場のポイントを見に行くことにしました。ハツタケやアミタケにはやや遅い頃合いですが、まだまだ見れるものは多いことでしょう。自転車で30分ほどかけてたどり着くと入り口付近にさっそくいました。


 

 さてなんでしょうかね。傘中央の突起でヒカゲシビレタケかと思ったのですが青変性なし。ちょいと古いやつだったのか? あまり深入りしないほうがいいのでスルーしときましょう。
※10/29追記
osoさんに教わったところアカチャツエタケというキノコだそうです。ツエタケと名前がありますがモリノカレバタケの仲間。というかどこら辺を見てツエタケって名前になったんだ?
それはともかくosoさんありがとうございました!




 そのすぐ近くに落ちていました蝉の死骸。ちょうど蝉の空けた穴の上にいるのが何となく面白いですね。もちろんここの住民だったわけではないでしょうけど。


 白色の分生子を多数つけたセミノハリセンボンです。マクロレンズに取り換えるのが面倒だったのでこれで精いっぱい。テレオモルフは出してないか。まああまり期待もしていませんでした。標本は既にいくつか持っているのでこのまま置いといてあげましょう。




 ヨウシュヤマゴボウ。子供のころ色水作った思い出があります。水に溶いた汁に手を突っ込んで毒手とかやりましたよね。もう今はやりません。




 

 アカキツネガサ。ハラタケ科のキノコが出始めると秋が来たって感じですね。ほのかな赤味と放射状のひび割れ模様が美しいキノコです。




 

 アセタケ科のキノコ。コブアセタケあたり?
 検鏡しないとどうにもわかんないですね。今度挑戦してみましょう。


 上記の幼菌。鱗片の具合が可愛らしい。




 このポイントではおなじみのズキンタケ



 同じ場所からはシロヤリタケも出ていました。


 

 山渓の図鑑だと後ろの色が透けているのか根元が緑色に見えるのでそういう色なのかと思っていました。実物は全部真っ白です。それでも根元の部分は微妙に色合いが違います。半透明の柄の上に子実層托があるって感じです。




 テングツルタケ、おっすおっす。






 イッポンシメジの仲間ですね。この傘の窪みと微細な鱗片からコキイロウラベニタケかな。昔盛大に誤同定したキノコなので苦い思い出が蘇ります。こうして見ると全然違うのに、なんでミスったかなぁ。バカだったからだろうな。


 ヒダは直性~やや垂生でやや疎。成熟するにつれて肉色に色づいていくのがこの仲間の特徴で名前の由来です。イッポンシメジ科にはウラベニの名前を持っているのが多くいます。




 おお、もりもり生えてる。


 

 こりゃまた図鑑に載っててもいいような典型的なオキナクサハツですね。傘の表皮に皺があるのがおじいちゃんみたいなので翁とついています。この表皮が成長に伴って破れていき、上のような特有の模様を作ります。ヒダから水滴を出すのはこの仲間によく見られる特徴です。
 「臭初」の名前の通り臭いに特徴があります。ただこいつらは特に臭いませんでしたね。雨に濡れて流れちゃったのかもしれません。基本的にキノコの臭いって乾燥することで強くなるものですから、湿気てるとわかりづらいです。


 柄には細粒点があり、ヒダが褐色に縁どられるのも本種の特徴。味は辛いそうです。




 アンズタケの仲間。多分名前は付かないだろうなぁ。




 

 カワリハツというキノコです。とにかく色の変異が多く、様々な色合いになるのが特徴。こいつは紫色型ってところですか。


 すぐ近くに生えていた白色型の幼菌。   こっちは灰褐色型。


 カラーバリエーション以外だとヒダが密なこと、柄の肉が締まって硬いことが特徴です。肉は白く変色性などはありません。




 お次に出たのはクロハツですね。よく似たニセクロハツとの見分け方は変色性がポイント。


 傷つけるとと変色していくのがクロハツ。こらが赤色で止まったらニセクロハツです。柄の部分などは傷つけず触っただけで変色が始まります。ただ赤色になるのは割とすぐわかりますが、赤から黒に代わるのには10~30分ほどかかります。この時も観察するためにしばらく持ったまま歩き回っていました。



 

 ゴバっと出ていたシロハツ。魔理沙も乗りました。傷つけでも汁も出さず変色もしません。しかしこいつ柄の上部に青色が見えないな。シロハツなら柄とヒダの境目あたりが青色になるはず。シロハツモドキの方か? いやモドキはもっとヒダが密になるし。まあシロハツでいいんじゃないでしょうか。色とヒダの粗密なら後者の方がまだ信用できそうです。




 

 シロハツのそばで蹴り倒されていた傘がしわくちゃなキノコ。さてなんでしょう。オキナタケの仲間……じゃないな、柄が毛深い。ウラベニガサ……でもないな、地面から生えてる。埋もれ木があるってわけでもなさそうだし、うーむなんだろうか。
 で、色々調べたところハゴロモイタチタケというものに行き当たりました。傘表面のシワとか柄の繊維状鱗片とかはまあ一致します。ただ画像とか見比べてもここまで顕著なシワじゃないんですよねぇ。乾燥気味なのも関係あるのかな。
 ちなみに以前はニセムジナタケとかオオムササビタケとか呼ばれてたらしいです。なぜハゴロモになったんだ? と思って調べたところ採取地にある「天女の羽衣伝説」にあやかったのだとか。……そういうのやめようよ、ほんと。




 

 おっとまたクロハツかな、と思いましたがどうにも雰囲気が違います。どこが違うのかと言われると説明はできません。フィーリングです。


 周りを見てみると近くにこれまた蹴飛ばされたのか破片が散らかっています。まったくひどいことをするものだ。それでこの破片、見るからに赤くなってますね。しかも蹴られてから時間を置いているはずなのに赤いまま、となるとこれはニセクロハツだな!

 ……いや、ちょっと待てよ。ニセクロハツって何もしないままでも変色したっけか? クロハツあたりは老成するだけでヒダが黒くなっていくけど。うーむ。
 とそこから気になり始め、もう一度図鑑を調べていくと「全体が赤みを帯びた別種がいる」との記載があるじゃないですか! こいつのことだろうとさらに調べていくと名前がわかりました。どうやらこいつはアカハニセクロハツ(仮)というキノコのようです。(仮)を付けたのはまだ仮称段階のキノコだからで、手持ちの図鑑では「北陸のきのこ図鑑」くらいにしか載っていません。他にもニセニセクロハツなんて名前で呼ばれているというのも見つけましたが、さすがに仮称にしたってあんまりなネーミングなのでアカハの方を拾いましょう。名前の通りヒダが赤みを帯びるのが最大の特徴で、全体的にも茶褐色な色合いという部分も一致します。こいつってことにして問題ないでしょう。




 

 ヒメコナカブリテングタケ。小さくて粉をかぶった愛らしいキノコ。テングタケの中では特に小さい仲間じゃないでしょうか。この傘表面の粉は結構落ちやすいのできれいな状態で見れたら嬉しくなりますね。


 別個体。反り返って胞子飛ばす気満々なのがうかがえます。




 ムラサキホウキタケモドキ。ホウキタケの名前の癖にあまり分岐せず生長することが多いのでこういう個体はあまり見ませんね。残しといてやればよかったかな。


 こっちはなんかよくわからんことになっています。ちょっと奇形入ってる?




 

 ああこいつはチャニガイグチですね。傘を切ると肉が白から褐色に変化――


 しねーじゃねーか! じゃあ違うよ!


 

 過去に見つけたチャニガイグチはこんな奴。傘はビロード状で柄には網目があります。また褐変性も顕著で切断するとみるみる内に色が変わっていきます。テーレッテレー。


 それに比べるとやはりこいつは色が赤いし、変色の速度もずいぶん緩やかでした。古くなっているということもないでしょう。クリイロニガイグチというのが赤変性を持っていますが、こいつは管孔の孔口(穴の入り口部分)が変色しないらしいので違います。クリイロニガイグチによく似た(同種?)フモトニガイグチも孔口が濃色になる程度らしいので違うでしょう。
 変色性で見るならアシボソニガイグチが合致します。ただ言うほど足細いか? という思いがあったり、類似種のコニガイグチとの区別がつかなかったり。まあニガイグチの仲間くらいが落としどころなんじゃないでしょうか。要するにわかりません。




 上記の不明菌の近くにできていた菌輪です。中に入っても妖精の国には行けませんでした。


 

 個別にみるとフウセンタケの仲間ですね。若いうちは淡い紫色で生長すると退色して褐色になっていきます。長いことウスフジフウセンタケだろうと思っていたのですが、念のために調べなおしてみたら類似種にウスムラサキフウセンタケってのもいることを知りました。両種の区別は柄を割ってみたらわかります。忠実なのがウスフジで中空になってるのがウスムラサキです。こいつについては確認してないのでどっちかはわかんないですね。



 ノウタケがちょうど脳みたいになってました。もう少ししたら表皮が破れて胞子をまき始めます。次見つけたとき新鮮なのが残ってたら食べてみようかな。


 メロンパン入れに入りそうな大きさ。




 

 ずいぶんと立派なツバを持った奴がいました。ぱっと見でフミヅキタケの仲間だろうなとわかりました。しかしフミヅキタケ自体はもっと黄色の強い黄土色で春に生えます。調べてみたところこれはツチナメコというキノコで良さそうです。ナメコという割にはそんなにぬめりません。湿った時に気持ちぬるぬるするくらい。白色のツバが褐色になっているのは胞子が降り積もったからです。それ胞子撒くのに邪魔になってない?




 ムラサキナギナタタケ。こいつらは群生するので見ていて面白いですね。たまに気持ち悪いくらいまとまって生えているときもあります。


 ああ、魔理沙が紫の触手に! それはパチュリーの役どころだろ!




 マツの木の下にはコツブタケが出ていました。既にツブツブしているのが丸わかりです。


 他にも小さいのが出ていたのでこっちは割ってみました。胞子の塊が小さな粒に区分けされていますね。これは成熟すると褐色の粉状塊になるんだそうです。なんで最初に分けたの?




 でっかいテングタケ科のキノコがいましたね。魔理沙も乗ります。


 

 タマゴテングタケモドキ。一回和名書いておけば義理は果たしたでしょう。別名アカハテングタケです。こっちの方が通りがいいので私はもっぱらアカハで呼んでいます。おかげでちゃんとした名前で言おうとしたら毎回ちょっと思い出さなきゃいけません。一見するとツルタケのようでヒダがあるツルタケダマシに似ているけどヒダが赤いというキノコ。しかしここまででかいのはあまり見ないなぁ。




 

 さていつもツブカラカサタケが群生するところに今年は出ていないなぁと思っていたらえらい隅っこの方から出ていました。どうやら公園の管理者の人が菌糸の伸びたウッドチップをまとめてよけてしまったようです。まあ管理者からしたらせっかくまいたウッドチップに菌糸伸ばされちゃたまらないのでしょうね。脇によけた程度で収まるとは思えませんが。
 ともあれ私は写真を撮って観察するだけです。以前動画でも説明したので覚えてる方もいらっしゃるでしょう。傷ついた箇所が橙色に変色するキノコです。変色生はとても強く柄を軽くこするだけですぐに変化していきます。見つけたらぜひ試してみてください。



 

 シロオニタケのいいのがいました。近くに幼菌も出てちょうど生え始めたころのようです。


 

 しかしその少し先にやたらと古い個体が群生していました。先んじて出た奴らでしょうか。にしてはちょっと違うような……。気になったので根元を掘り出してみたら案の定でした。


 棍棒状ではなく先の丸まった球状、これはタマシロオニタケの方ですね。傘表面のイボが脱落しまくってカブラテングタケかと思いました。まあわずかに残ったものに突起状のイボが見えるし、柄のささくれだった感じからしてタマシロでしょう。今見返すとヒダが若干黄ばんでるように見えなくもないのがいささか気になりますが。



 並べてみました。この場所ではタマシロオニタケが先に出て、それからシロオニタケが出るようです。生長の差がよくわかります。もう少し早めに来ておけばタマシロ見れたのか。惜しいことをしたなぁ。せっかくの猛毒なのに。




 

 う~む、ナカグロモリノカサかな。傘径は3~4cmでクロヒメカラカサタケにしては大きいし、ツバに縁どりもありません。小型の個体ってことでいいでしょう。変色見とくんだった。




 

 黄色いイグチのキイロイグチ。まんまですね。よく似たハナガサイグチとは青変性で見分けます。本種と違いハナガサイグチは青く変色しません。この辺りで見るのはキイロばかりでハナガサは見たことがないですね。




 トキイロラッパタケの群生。まあよく見る奴だし、おっすおっす。




 梅雨と秋の二回見れるチチショウロ。これでもチチタケの仲間です。なんでも西日本ではありふれたこの種も東の方では珍しいのだとか。地域性のあるキノコっていいですね。



 でっかいズキンタケ。ぶにぶに。



 ザラエノハラタケ。この辺りは似たのが多いので毎回確認して回って時間がかかります。未熟ゆえに判別がつかず振り回されてるだけとも言えますが。こいつもハラタケモドキとか色々巡って最終的に戻ってきました。柄がささくれだってざらついてるのが名前の由来。




 小さいからコシロオニタケ……か? いやコシロはもっとイボががっしりしてるっしょ。というわけで小型のシロオニタケ。




 

 これもアカハニセクロハツ(仮)かな。もしかしてこの公園にいるのって全部ニセクロハツじゃなくてアカハニセクロハツなんじゃなかろうか。過去の同定も不安になってきたぞ。まだヒダが赤くなる前の段階で見分ける方法はないのだろうか。一応シイ林に生えるのがニセクロハツでコナラ林に生えるのはアカハニセクロハツなのだそうですが、う~む。


 隣に落ちてた残骸。やっぱり誰か引っこ抜いたり蹴飛ばして回ってる人がいたみたいです。既に乾いているところを見るとけっこうな時間放置されたようです。それでも色は黒まで行かず赤褐色で止まっているのがわかりますね。




 下草の間にキノコのもさもさ生えているのが見えますね。色合い的にまたニセクロハツ、いやアカハニセクロハツかと思いきやヒダの疎密が違います。


 ニセクロハツは疎でしたがこちらは密。クロハツモドキの方でした。この時はこれでクロハツ、ニセクロハツ、クロハツモドキと一日でコンプリートだーと喜んだものでした。でも実際はアカハがなぁ……。あとクロハツモドキにもよく似たコゲイロハツってのがいるらしいんですが、こいつに関してはまるで情報が出てこなかったのでもう考えないことにします。



 クロハツモドキもクロハツ同様と二段階の変色をします。やはりこちらも時間がかかるので確認するときは30分ほどは見るようにしましょう。この時はもう帰り際だったので変色を待っている間に家についてしまいました。




 クロハツモドキのそばに生えていた真っ黒なキノコ。しかしこいつはもともとこういう色をしているわけじゃありません。


 周りを探すとまだ黒くなりきる前のものがいました。このように元の色は黄色のキノコでスミゾメキヤマタケといいます。アカヤマタケと同じヌメリガサ科のキノコ、というか一説によるとアカヤマタケの変種という扱いらしいです。ただ色の他にもアカヤマタケよりちょっと大きかったりと違いがあるらしいので別種でいいんじゃないかなと思います。まあそこら辺は専門の方たちに任せましょう。



 劇的ビフォーアフター。


 そんなところでこの日のキノコ観察はおしまいです。この後まだ変色ていないクロハツモドキを片手に帰宅しました。ここは地元でも行きつけの公園で見知ったキノコが多いものですから、同定はきっと楽だろうなと毎回思っています。そして毎回苦労します。低地に生える身近な種ってやっぱり人目に付く分研究されてるのか細かく細分化されてるんですよね。そのくせ図鑑にはほとんど載っていないっていう。知識が増えるたびに判別が難しくなるとは何とも皮肉な話です。

コメント

森屋
No.6 (2016/10/29 13:28)
まさか、ガガンボさんが毒手の使い手だったとは。
ヨウシュヤマゴボウは有名な毒草ですけど、有毒植物も面白いですよ~。

ズキンタケの発生地が身近にあるのは、うらやましい限りです。
来年こそは、私も自力でズキンタケに出会ってみたいものです。
アマニタ!
No.7 (2016/10/29 15:51)
タマゴテングタケモドキはキツーい消化系中毒で、ツルタケダマシがアマトキシン中毒(致死の可能性アリ)ミヤマタマゴタケ、ドウシンタケが食毒不明だっけ?なんかここら辺だけややこしいな・・・。
人形使い
No.8 (2016/11/02 13:35)
お待たせしました。紅楼夢新刊の感想をブログにて書かせて頂きました。よろしければどうぞ。http://blog.goo.ne.jp/doll_player/e/7a35215fe4adca54b3de6a74f663d392

ブロマガも時々読ませてもらっていますが、キノコと一言で言っても色んな種類があるものなんですねえ。
毒手のくだりでかなり笑いました。
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