そんな感じで
~開店~
大森は喫茶店「トルヘレ」で待ち合わせをしていました。
ネット上で知り合った「クロマニョン」という男から
オフ会をしたいと話があり、たまには外で遊んでみるのも良いかと
少し遅めの時間から集まる約束をしたのでした。
クロマニョンから喫茶店を指定され、
夕方5時に集合、という事だったのですが今の時刻は5時10分。
クロマニョンが少し遅れているようでした。
大森:「ふむ、遅いな。」
KP:とはいえこの喫茶店はモダンな雰囲気でなかなか面白く、
KP:カウンターにはマグカップやポットの他に
KP:砂時計といったアンティーク品も置かれており、
KP:ドリンクを片手に店内を眺めるだけで時間が潰せそうでした。
大森:しかし、そろそろ見飽きたな。
大森:「アンティークも面白いが、私には出土品のほうが興味深いな。」
KP:さすが、考古学専門というところですか。
大森:そんな感じです。
KP:では、店内の様子を描写します。
KP:店主が1人、カウンター内でコーヒーメーカーの手入れをしています。
KP:他に数名の客が居て、カウンター席では日中の暑さのせいでしょうか
KP:汗でワイシャツがぺったりと貼りついた中年の男。
KP:テーブル席ではゆっくり雑誌を読む客や、
KP:ノートPCなどを持ち込んでいる客が居ます。
大森:出来る人オーラが1人いるな、パソコン持ち込みなんて。
KP:絶対、MacPCだわ。
KP:そしてカプチーノだわ、もしくはエスプレッソ。
大森:どんな偏見だよ。
KP:と、いうことで。ほんとは雑談タイムを設けたかったのですが。
大森:プレイヤー1人っす。
KP:なので、シーン進めますね。
大森:らじゃー。
KP:もうしばらく待つこと、数分。
KP:カランカラン・・・。
KP:喫茶店のモダンさを演出している年代物のドアベルが鳴ります。
大森:む、なんか寒気がするぞ。
KP:入口を見ればリュックを背負った恰幅の良い若い男が、
KP:汗だくで入ってきました。
店主:「いらっしゃいませ。」
KP:店主がカウンター越しに声を掛けると、
KP:男は頭をぼりぼりと掻きながら「いやあ、待ち合わせで」と答え、
KP:店主は納得したように大森が座るテーブルを男に示します。
大森:おっ、クロマニョンが来たか。
男:「ごめん、ごめん。」
KP:そう言ってテーブルに近づいた彼は、
KP:近づけば近づくほど大きく見え、典型的な肥満体型と呼べそうでした。
男:「いーや、やっと辿り着いたよ。」
KP:テーブル席にどっかりと腰を下ろすと、ギシリ・・・と
KP:椅子が軋んだ音を立てます。
男:「間に合ったかなあ?」
KP:へらへらと笑う彼は、額に浮いた汗をシャツで拭います。
大森:「遅かったじゃないか、一体どうしたんだ。」
男:「いやー、どうしたも何も、ちょっとね。野暮用で。」
男:「あー、早速なんだけど。例の面白いやつを見せるよ。」
大森:「ほう?」
KP:彼がおもむろにリュックから取り出したのは、
KP:既に時代遅れとなった1本の8mmビデオ。
KP:ラベルは張られておらず、プラスチックの角は所々欠けており、
KP:相当古いテープのようです。
男:「これ、何に見える?」
大森:「大方、何かのビデオテープのようだが・・・」
大森:「最近ではもう見なくなったやつじゃないか。」
男:「面白いのはこの中身なんだよ。」
大森:「見れるのかね?」
男:「もちろん。早速見てもらっていいかな。」
KP:では、ここで<オカルト>振ってください。
大森:ん!?オカルト?
KP:うん、オカルト。
大森:オカルトはね・・・、無いね。
KP:無いか、とりあえず振っとこ。ね?
大森:クリティカルワンチャン・・・。
大森:<オカルト> (1D100<=1) → 91 ⇒失敗
KP:無いな。
大森:へい。
KP:大森はこれから彼が何をしようとしているのか、
KP:全く想像がつかない、と言いいでしょう。
KP:彼はリュックからポータブルレコーダ―を取り出し、
KP:テーブルの上に置きます。
KP:テープをレコーダ―にセットし、再生スイッチを押します。
KP:ガシャン・・・。
KP:レコーダの画面にジジジとひどいノイズが走ります。
KP:しかし、しばらくするとノイズが少しずつ収まっていき
KP:何かの映像が映ってきます。
KP:色合いは不鮮明で状態の良い映像とは言えませんが、
KP:どうやら石蓋をした古井戸を撮影した物のようです。
KP:大きなノイズが数度入ります。
KP:蓋が少しずつ動いていようですが、不鮮明な映像でよくわかりません。
大森:「なんだ、この映像は?」
KP:大きなノイズが再び入ります。
KP:古井戸の蓋がなくなっていました。
KP:ノイズが三度入ります。
KP:古井戸の内側、淵の方に白い何かが映り、
KP:反対側にも、もう一つ同じものが映りました。
KP:そしてゆっくりと、非常にゆっくりと。
KP:それは緩慢な動きで古井戸の中から浮かび上がってきます。
大森:え、普通にこわい。
KP:まるで、人の・・・
KP:ザーと画面にノイズが走り、何も見えなくなりました。
KP:カシャンとテープの再生が終わります。
大森:・・・。
男:「見た見た見た見た!」
KP:彼は突然、まくしたてるかのように叫び声を上げます。
KP:その目は血走っていて、もはや大森にすら焦点が合ってないように思えます。
男:「見ただろ見ただろ!ほら!」
大森:お、おう。
KP:彼は向かいに座る探索者の肩をものすごい力でがっしりと掴み、
KP:唾を飛ばしながら声を荒げます。
大森:「うぇ、きっt・・・」
KP:と、彼は凍りいたかのように硬直します。
KP:がっしりと大森をつかんだその両腕には、
KP:まるで何者かに鷲掴みにされたかのような
KP:青黒いアザが浮き上がっていました。
男:「ははふ、へはは」
KP:彼はまるで引きつったかのような、
KP:壊れたくるみ割り人形にも似た奇怪な笑い声を漏らします。
KP:彼がポータブルレコーダ―を見下ろします。
KP:レコーダーは既に再生を止めており、
KP:その真っ暗な画面には何も映ってはいないはずですが、
KP:何かが画面の端で動いていました。
KP:最初は画面の角が傷付いているだけだと思いました。
KP:いや、よく見れば小さな虫が角に止まっているようにも見えます。
KP:しかし、やがてそれは少しずつ大きくなり
KP:何かがこちらに向かって走ってきているではありませんか。
KP:深緑色のがりがりにやせ細った体。
KP:細長い頭部には、落ち窪んだ眼孔がぽっかりと開き、
KP:まるで不細工な合成映像を見せられているかのような四足歩行の獣。
KP:画面から文字通り飛び出してきたそれは、彼の喉笛に喰らいつきます。
KP:その勢いはすさまじく、彼をそのまま後ろの席まで跳ね飛ばします。
KP:彼は喉笛を食いちぎられていました。
KP:まるで何かの冗談のように、鮮血を噴き上げながら数度痙攣したあと、
KP:彼は完全に動かなくなりました。
KP:辺りには濃い鉄の匂いと、獣の体からボタボタと垂れる
KP:緑色の腐った粘液がもたらす耐えがたい悪臭が充満しています。
大森:うぎゃー。
KP:一連の光景を目撃した探索者はSANチェック 1d8/1d20
KP:また、<クゥトルフ神話>が+1%されます。
大森:<SANチェック>(1D100<=70)→49 ⇒ 成功
大森:1d8(コロコロ…)⇒ 6 【SAN値減少】70⇒ 64 (-6)
大森:ぐはっ。
KP:1度に5点以上のSAN値を失ったのですが、
KP:ちょっとした事情で、店内では一時的狂気にはなりません。
大森:お?なんか怪しいな。
KP:まあまあ。
KP:カタン、と何かの音がカウンターから聞こえます。
KP:その音を合図に店内の数名の客が悲鳴を上げました。
KP:不気味な獣はその声に反応し、
KP:雑誌を広げていたテーブル席の客に顔を向けます。
KP:そして、口を開けると客に向かって何かを突き刺しました。
KP:それはまるで注射針の様に鋭く、
KP:ドクンドクンと脈動しており、何かを吸い上げているようでした。
KP:刺された客は酸欠になった金魚のようにパクパクと口を開閉したあと、
KP:急激に干からび、そしてミイラと化してしまいます。
KP:この光景を目撃した探索者はSANチェック 0/1d4+1
大森:開幕から多いな。
大森:<SANチェック>(1D100<=64)→10 ⇒ 成功
KP:成功したのでSAN値減少は無しですね。
大森:おお、有情。
客:「誰かーだれかー!」
KP:テーブル席にいた男がノートPCを放り出し、店外へと飛び出していきます。
客:「馴れてはいけない、馴れてはいけない」
KP:カウンター席にいた中年の男も、店の外へと飛び出していきました。
KP:その後を追うかのように不気味な獣も、
KP:窓ガラスを突き破り店の外へと駆け出していきました。
KP:割れたグラス、ひっくり返ったテーブルや椅子などが散乱する店内で
KP:大森だけが取り残されます。
大森:「な、何なんだいったい・・・。」
KP:では、ここから自由に探索どうぞ。
大森:自由に!?(困惑)
KP:うん。
大森:あのさ、大森の身に起こった事を簡単に言ってみようか?
KP:うん。
大森:ネット上の友人と初めて会った瞬間になんかホラー見せられて、
大森:いきなり発狂して、なんか名状しがたい生物出現して、
大森:友人が1人食い殺されて、次の瞬間には2人目が殺されたと思ったら
大森:突然、1人だけぽつんと取り残された場面なんだぜ。
KP:うん。
大森:自由に!?(2回目)
KP:うん。
大森:よーし、おーけい。
-つづく-