雀王決定戦初日自戦記1、自戦記2
タイトル戦の決勝には過去7度進出している(多分)
その内6度の敗戦で学んだこと、特に反省したことといえば――
・勝機を逸すれば足元をすくわれる
当たり前といえば当たり前なのですが「何が何でも勝つ!」
といった対戦相手の選択傾向を、あまり考慮に入れてなかったような気がする。
ま、いいか―― と勝負を先延ばしにし、何度苦汁を舐めてきただろうか。
いい加減学習しなければならない。ポイントの積み重ねで勝つリーグ戦とは違うのだと。
・挽回しようと急いては事を仕損じる
負債を戻そうと勝機の薄い勝負を繰り返し自滅してしまう。負けた決定戦はほとんどこのパターンだった。20半荘戦って勝利するビジョンが明確にできていなかったこと。
例えば上の局面。トップしか価値がない評価システムだと、かなり押し寄りになるのは間違いない。しかし「南場もある」と思えば、退くという選択肢も生まれてくる。
逆に言えば南場、特に南3局あたりになるとビハインドなら押しの一手。残り局数が少なくなることによって、優勝するための選択肢がだんだんと狭まってくるのです。
決定戦を半荘に例えると、前半10回、つまり2日目までは東場みたいなもの。
選択できる幅はまだ広い。この期間をどう戦うか?というシナリオは十分に練ってきた。
過去の反省から、たとえ前半どれだけ負けが込んだとしても
一気に取り戻そうとするのではなく、差を広げられないようにしぶとく喰らいつくこと。
最終半荘まで大体100PT差以内、直接対決なら十分勝機はある。無理せず焦らず争覇圏内に留まることを目標にすること。ビハインドを背負った時のシナリオはこうだった。
今回のようにリードした時のシナリオは、途中のポイント差を考慮せず、素材が良ければ全てトップを獲りに行くというシンプルなもの。
比較的自由に打てるうちに、選択肢が多いうちに
相手をとことん殴り倒してやろうかな―― と。
画像は6回戦の親番でドラは3m。
これくらいの好素材なら思う存分振りかぶっていいでしょう。北連打とします。
思惑が外れ、最終的にはツモ9pでテンパイ。3巡目に切った北が泣いているぜ!
麻雀家庭教師の受講者には「有力な手替わりが片手以内なら曲げなさい」と教えている。
この場合有力な手変わりは3mと6p。微妙な手変わりが8pと6sと2s。
教え通りならば即リーチ、でも先生は教え通りに打つつもりが全く無いので――
2巡手変わりを待ってツモ切りリーチ。または4-7sが打たれたら見逃してツモ切りリーチ。他家の動きが入った瞬間ツモ切りリーチしてやろうと思ってました。
と思ったら即4sツモ。・・・これは考えていなかった。
ムカついたので
反射的に9p切りフリテンリーチを敢行しました。
この苛立ちを収めるためには、一発で6pあたりをツモって
何それ?バカなの?
という対局者の冷ややかな視線が必要だったのです。結果は流局でした。
画像は9回戦オーラス。トップ目はトータルダンラス目の鈴木たろう。
2着目がトータル2位の鍛冶田。素材が悪ければトップを諦めてもいい状況だが――
この巡目にしてこの素材です。 木原、やってやりますよ!
トップまでマンガンツモ。2着まで1000-2000。
ラス目までは5000点強差。そして微妙に構想からズレたツモ3m。
リーグ戦なら打4mで2着狙いも辞さず。決定戦なら打5sとし
2m引きは567の三色に標準を合わせ、6m引きは456の三色に標準を合わせる。
5m引きは456、567の両天秤に
そして8mを引けば、打1mのリャンシャンテン戻しでもしてやろうか?
ツモ7pでテンパイ。打1mのテンパイ外し?
は少しやりすぎか・・・とりあえずテンパイにとって
ツモ7sは打8mのフリテンリーチ。4sツモは打1mにしてやろうか?――
2巡前に出た7sは見逃し、鍛冶田のリーチに渋々このまま追いかけます。現物を抜かず、わざわざツモ切りリーチにしたのは、紛れが起こることを期待してのこと。
ツモ切りリーチが功を奏したかどうかはわかりませんが
たろうから一発で4sを出アガリ、この半荘トップで終了となりました。
天鳳を打ちながら、マーチャオでフリーを打ちながら、実際にこのような選択はしないまでも「決定戦ではこう打ってやろう」というイメトレはずっとしてきました。
一見無茶苦茶に見えますが
リードしているからこそトライできる選択でもあります。
6回戦も9回戦も、鍛冶田や阿賀のポイント状況ならば、きっと失敗するリスクが大きすぎてできないでしょうね「失敗してもまだトータルトップ」だからこそです。
2日目までのポイント
ポイントに余裕があるうちに二の矢、三の矢を放つこと
決定戦のような頭取りの対局では、それも有効な戦略だと思います。
決定戦3日目は11月7日に行われます。決定戦も終盤になれば終盤になるほど
リードをしていたら極々普通の選択になってしまうと思いますが
勝つために最高のパフォーマンスができるよう
最善を尽くします。乞うご期待ください!
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木原 浩一
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コメント
(著者)
いつもありがとうございます
本当についてましたね。頑張ります!
(ID:17975494)
見逃しツモ切りリーチはすごいところに当選ですね。
優勝期待してます!