現役麻雀プロがガチで「天鳳位」を目指すブログマガジン

期待ポイントを最大にする考え方

2014/07/02 12:00 投稿

コメント:2

  • タグ:
  • はじめに

東1局・南家0本場

三萬三萬四萬五萬六萬四索五索六索八索九索 チー一索横二索三索  ドラ四萬 

七索ロン。2000点です」

アガリ者が2000点をGET!放銃者が2000点を失いました。
ここで皆さんに問題です。アガリ者が獲得したのは本当に2000点なのでしょうか?

なぞなぞの類ではありませんよ。最後までよく聞いて下さいね。

天鳳のような完全順位戦のルールにおいて、獲得したのは点数ではありません

仮に4人の雀力が完全に互角だったとします。
その場合、ゲームを始める前の最終着順はこのようになるかと思います。

1着 25%

2着 25%

3着 25%

4着 25%

これを天鳳の10段配分(天鳳システムと期待ポイント)で考えます。

(90PT×0.25)+(45
PT×0.25)(180PT×0.25)=-11.25PT  

雀力が互角の4人と天鳳10段配分で打つ場合、1半荘あたり平均で11.25PT失うということです。この平均値のことを「期待ポイント」といいます。

話を元に戻しましょう。獲得したのは本当に2000点ですか?
東1局に2000点を獲得した場合の最終着順、こちらの解析を参考にしてみました。

1着 30%

2着 26.5%

3着 23.5%

4着 20%

(90PT×0.3)+(45PT×0.265)-(180PT×0.2)=2.925PT

始める前よりも、平均値が14.175PT上回ります。
つまり東1局に2000点をアガることによって、この14.175PTという平均値

14.175PT期待ポイントを獲得した

ということになります。
そうです、獲得するのは点数ではないのです。
天鳳のような完全順位戦のルールでは、最終着順以外の評価項目がありませんので

点数獲得は期待ポイントという評価を上げるための手段に過ぎないということです。直接素点が評価点となる他のルールと、完全順位戦の大きな違いと言っていいでしょう。

ここまでの話を聞いて――

「へー?2000点でもこんなに期待ポイントが上がるものなんだー」

「じゃあオレも東1局からガツガツ2000点を目指すぜ!」

そう思った方もいらっしゃるかと思いますが、ちょっと待て
むしろここから先が大事な話なのです。期待ポイントを最大にする考え方――

東1局・南家0本場・4巡目

三萬三萬四萬五萬五萬六萬二索三索四索五索六索八索九索 ドラ四萬

上家から打たれた
一索を仕掛けるかどうか――
東1局に2000点を獲得することが、あれだけのプラスになる話はしましたね。

仕掛けるかどうか?というのはまた別で、今度は選択の
比較の話です。仕掛けた場合の期待ポイントと、仕掛けなかった場合の期待ポイントを比較し判断すること

東1局に8000点獲得した場合の最終着順、こちらの解析を参考にしてみました。

1着 40%

2着 30%

3着 20%

4着 10%

(90PT×0.4)+(45PT×0.3)-(180PT×0.1)=31.5PT

始める前よりも期待ポイントが42.75PT上回ります。
そして選択の比較の話です。例えば――

A・2000点のアガリ確率が50%の場合 14.175PT×0.5=7.0785PT

B・8000点のアガリ確率が30%の場合 42.75PT×0.3=12.825PT

AとBのアガリ確率20間で、他家にツモられたり、他家に放銃してしまったりする可能性があります。そうしたマイナスの期待ポイントを減算して比較するのですが――

・・・どうやって算出するの??はっきりいって算出できません。

放銃確率15%、被ツモ確率20%、横移動確率15%、流局確率20%(仮)
それぞれの期待ポイントを合算した数字に×0.2ですね。

配給原点からの流局や横移動は期待ポイントが+です。
期待ポイントが大幅にマイナスするのは放銃の場合ですが

3900放銃で
29.15PT、8000放銃で52.45PT程度です。
それに0.15×0.2ではAとBの数値が逆転するほどのマイナスにはなりません。

これを参考にした上でもう一度考えましょう。

東1局・南家0本場・4巡目

三萬三萬四萬五萬五萬六萬二索三索四索五索六索八索九索 ドラ四萬

上家から打たれた
一索を仕掛けるかどうか――
仕掛けると2000点です。Aで2000点50%の期待ポイントの例を出しましたが

この巡目とはいえ、ペン
七索待ちではアガリ確率50%は大きく下回るでしょう。
逆に仕掛けなかった場合のアガリ確率は、3
0%ギリギリですね。少し下回るかな?

Bの例は8000点でしたが、これは門前テンパイなら12000点まで見込めます。以上のことを踏まえた上で選択の比較です。どちらの方が有利かといいますと

4巡目なら
一索を仕掛けない方が有利

という判断になるでしょう。しかしながら

「東1局でも2000点獲得は、最終着順にあれだけの影響を及ぼすので――」

ということだけを判断材料にし、自分のアガリ打点の可能性を考慮しないのはどうかと思います。確かに仕掛けても期待ポイントはプラスに転じます。それは間違いないのですが

仕掛けない時の期待ポイントと仕掛けた時の期待ポイントの差
一索を仕掛けると、その分の期待ポイントを損する選択といっていいでしょう。

期待ポイントを最大にする考え方、いかがでしたでしょうか?

麻雀にはありとあらゆる判断材料があります。ひとつの考え方に傾倒するあまり、ほかの大事な判断材料を軽視したりしてはいませんか?













 

 

ブロマガ会員ならもっと楽しめる!

  • 会員限定の新着記事が読み放題!※1
  • 動画や生放送などの追加コンテンツが見放題!※2
    • ※1、入会月以降の記事が対象になります。
    • ※2、チャンネルによって、見放題になるコンテンツは異なります。
現役麻雀プロがガチで「天鳳位」を目指すブログマガジン

現役麻雀プロがガチで「天鳳位」を目指すブログマガジン

木原 浩一

月額:¥550 (税込)

コメント

平均ではなく分散で考えないと、リスクリターンの分析はできませんよ。平均でしか考えない思考法は凸からの伝統芸みたいになってますが、何とかならないのですかね

No.1 126ヶ月前
木原 浩一 木原 浩一
(著者)

いつもありがとうございます。

正直僕もこのような数字が本当に正しいか?といえば昔から少し疑問ではありました。ただAとBの優劣を判断する説明に、数値での比較が最もわかりやすいかと思い、このように使っております。

平均ではなく分散とのことですが、もしよろしければya27817さんの考える分析方法を、具体的に教えていただけませんか?

No.2 126ヶ月前
コメントを書き込むにはログインしてください。

いまブロマガで人気の記事

現役麻雀プロがガチで「天鳳位」を目指すブログマガジン

現役麻雀プロがガチで「天鳳位」を目指すブログマガジン

月額
¥550  (税込)
このチャンネルの詳細