こんこんの棚

黄昏の悍馬

2019/11/07 19:30 投稿

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  • ソルジェラ
  • ジョジョ5部「MMD」二次創作



ほーずき式さんは爽やかで可愛いし♪
うさこ式さんは鋭くてかっこいいし♪
原作では渋くきっと速い人と思った♪
観察記が欲しい気配りの人の目線で♪

我が民族千年の十八番・判官びいき。
というわけでもなく原作をまた反芻。
殺し犬と呼ぶにはあまりに強く賢い。
が造反者出した群れに留まる非合理。
手がかりという漠然に執着し叛逆へ。
考えたら不可思議な判断かもなあと。
利権と栄光なる目的が別々の口から。
描写では源泉は薄給と二年前の屈辱。
この世界観は連載時の疑問符の末裔。
後者の比重を上げに上げて肉付けを。
職人各位の綺麗なMMDがその契機。

凄惨に世を去った二人しかしあれは。
もし弱者なら彼らへの脅しに…なる?
取られるはずの無い人らが取られた。
だから怯えた、なら整合しないかと。
それぐらい彼らは酷く強く賢かった。
あとしつこいけど新入り君の未実習。
辻褄を合わせてみたかった、だから。

前回に続き護ろうとした人も居た話。
こんなこともあった…かもしれない。









黄昏の悍馬









何を…
していた…のだったか…。







黄金色の中に居た。







夕陽を背にした逆光の中、裸馬が駆けゆく。
手綱を付けさせない気位の荒馬だと聞いた。
砂漠の馬の血だろうか短毛が金属のようだ。
光る馬の走る背の上にソルベが立っていた。

膝を柔らかく使い上半身は僅かも傾かない。
厳しい顔立ちの横顔は穏やかに前を見据え。
素足に黒のジーンズのみの鞭のような体躯。
ふいと膝を折ると跨りタテガミを掴み伏す。
「Ha!」
捨て置かれた馬場の倒木を越え高々と跳ぶ。
速度がぐんぐん上がり悍馬の筋骨がしなる。
馬具を置き従える見知った乗馬とは別物だ。
人馬一体、溶け合い補い合い共に風と化す。
ソルベの鍛錬は徹頭徹尾異人のそれだった。
誰とも似ない唯一無二の孤高のそれだった。



柵を越えふわりと馬場の外の草へ飛び降りる。
靴下を履き靴を履きシャツを肩に引っ掛ける。
少しだけ汗をかいた背中が黄昏に染まり光る。
こいつこそ競走馬じみた均整をしてると思う。
「綺麗な馬だな。」
「ん。」
「もういいのか。」
「ん。」
たったいまの超絶が噓のような平時の気配だ。
ぶるると鼻を鳴らし寄せてくる横面を撫でる。
軽く首を抱き囁く、祝福を呟いたようだった。
もう振り向きもせず車のある方向へ歩き出す。
背後で振り返ると、若駒は既に荒ぶっていた。


組織の達しでタテつく富豪を「説得」に来た。
大枚はたき集めた護衛も能力者の敵ではない。
警備を軽々と剥ぎ実年齢と百歳を往復させた。
今後の便宜と服従を誓わせアジトへ戻る帰路。
寄りたいところが有ると言うから一緒に来た。

この男はよく生活の隙間にすら鍛錬を挟んだ。
接触一つで対象の精神を直読みするスタンド。
手首を飾る小さな腕輪、名は「バングルス」。
本体の超絶あればこその最強の分身いや器官。

若駒を見かけてから時々こうしていたという。
誰も乗れないからと調教を諦め殺される馬だ。
荒れた馬場に一頭、給餌の他は省みられない。
調教師を二人潰し先日盗人を蹴り殺したとか。
アジアのどこかの成金が買って皮にするとか。
「もったいねえ話だな。いい馬なんだろうに。」
どうもこの男相手だと自分は余計ごとを言う。
「お前は乗せるんだぜ。扱い方の問題じゃあ、」
「規格の外だ。」
少しザラつく低い声がぶっきらぼうに応じる。
なるほど、「悪い」のではなく「規格外」か。
「ああいう乗り方をされたかったのかもなあ。」
鞍を置かれハミや手綱や拍車に縛られるより。
「ツレは知ってんのか?」
魔法使いだ、何とか助けてしまいそうだがな?
「いや。」
応えはやはり素っ気無く黄昏は宵闇に遷った。
馴染みでも助けたいというのでもない…のか…
ツレに教えぬ友をオレに?自惚れか…偶々か。

だったとしても真似できる乗り手は…無いか。
居るかもしれないが探すよりは処分が容易い。
飼い慣らせぬ天賦は逆に殺処分を要する脅威。
こうなる資質と解ったから通い別れに来たか?

何の変哲も無い古着を羽織る背を眺めて思う。
異邦の感覚、死生観…何の因果で修羅の巣に…
翼でもあるようなその背は、オレにとっては…







そう…
そうだ…背を見ていた…
歴戦だが…傷ひとつなかった…あの…







「オレの両腕だ。」

ソルベというのはリゾットがつけた名だとか。
ツレと対の氷菓の名が似合わぬようで似合う。

何年も経つのに紹介時の衝撃は生々しく残る。
峻厳な彫像さながらの盟主の脇、影のように。
リゾットより少しだけ低いそこそこ長身だが、
アスリートじみた細身の軽量…歳は判り難い。
長い両腕が二人の背を実に大切そうに抱えた。
「お前たちを身内と認めよう。だから見せる。」
猫目で華奢で中性的な白いやつはジェラート。
こっちはソルベだと、誇らしげに紹介された。
笑顔で握手を求めるツレと対照的な無表情で、
声を掛け手を伸べて漸く応じる無愛想だった。

目が合った途端怖くはないのに肌が粟立った。
顔を動かさず眼だけを向けた、それだけだが。
隣のホルマジオも不敵を装いきれてなかった。
極東の顔に猛禽の瞳、…ありふれてはいまい。
破格がゆえの静けさ…確実にそうと伝わった。

オレの宝だから他言はしてくれるな、と言う。
団員ではないのかと問うと、そうだが違うと。
バラしたらどうなる?とホルマジオが茶化す。
「隠す得があるなら暴く得も…参考までにさ。」
なにしろ皆、今よりもよっぽど若かったのだ。
盟主の鋭い黒い瞳がじいっと見据え、答えた。
「その時まだ喋れたなら。」
剣呑な笑みを含む声は完全無欠に本気だった。
「が…オレがそんな愚者に宝を見せたとでも?」
若年だが歴戦の強者のおどけは美しくも怖い。
「ようこそ共有者ども。お前たちを歓迎する。」
ジェラートはくすくす笑いソルベも薄く笑み。
なんだ喜んでいたのかとそこで漸く息をつき。
盟主も実は内心では緊張してたと後々吐いた。


上からすれば狗の管理法が変わる程度の話だろうが。
アジトに集い彼らと依頼を分け合うチームとなった。
ジェラートとソルベは興味をそそるユニットだった。
不思議だが組織からも地域からも認識されていない。
見てくれも気性も才気も目立つ筈にも関わらず、だ。
否、関心が「居る」止まりの景色のような存在…か。
「仕事」に同行するとその理由はすぐに理解出来た。
依頼主が奪いたがるか消したがるかの両極端なのだ。
よって暗示で個の認識を妨げ記憶も記録も消去する。
特殊な性質と品質をもつ能力者ゆえの自衛策だった。

密着過ぎてソレかと思いきや関係はいっそ主従的だ。
が並びの絵面さることながら性能抜群のマッチング。
ユニットとはこうあるものかと逸れ者の目を驚かす。
間近で眺めるリゾットとの関係もまた睦まじかった。
美丈夫らしからぬツレ相手のカラ廻りも見ものだが。
興味を引くのは寡黙なソルベとの関わりの方だった。
通り一遍の絆ではない言うに言われぬというやつだ。
リゾットほどの男が完全に気を許し頼り時に甘える。
軽口を投げ僅かな反応に機微を見ては楽しげに笑う。
惚れてるのかと訊けば惚れ込んでるとおどけて言う。
ソレでは全く無くただもう仲が良いとそこで解った。

ジェスチャーの無い佇まいの静謐が初め緊張を促す。
言葉は少なく素っ気無いが足りなくも冷たくもない。
時に周囲が退避するほど激突するがカラッとしてる。
感覚も心情も読む能力を持つためか何一つ繕わない。
そのぶん稀なほどの誉め上手、琴線を抉る感謝上手。
必要とあらば見透かされるからリゾットも繕わない。
偽りの無い清清しい無二の関係をリゾットは愛した。
多感な時期を組織の暗渠で泥を啜り生きた闘士には、
ソルベの澄明はツレとはまた違った憩泉だったのか。
凍る静謐の下の信頼の甘やかさ…なるほど、氷菓だ。
抱え信を交わす、盟主にはその為の慈しい背だった。







綺麗な背だった…
見事なシンメトリーに鍛え上げられた…
飾り気など…無くても…そのうえ…







「痺れでも?」
ふいに声を掛けられ右手を凝視していたと気付く。
「え…いや、」
何度か握っては開く、見てたのは無意識だったが。

「なんでもねえよ。あれから癖になってるだけだ。」
その右掌を伸びた片手で棒を掴むように掴まれた。
「握れ。」
ぐ、と力を込める、何度これを繰り返しただろう。
「全力で。」
握力計を握るように力いっぱいソルベの手を握る。
「上へ…押せ。下へ。」
筋力に変化が無いか確かめてくれているのだった。
「問題無いな。」
顔を動かさずに安堵の目だけを上げる、鷹の仕草。

素っ気無く手を離される刹那の追いたさに戸惑う。
ソッチの趣味は無いどころか敬遠してる…のだが。
そういうのではない…そういうのではなく、ただ。
「当たり前だ。…ツイてた、療法士が腕っこきで。」
押し流すために冗談めかすのまで癖になっていた。
「ツレに言え。」
感謝上手が感謝され下手なのはどういうワケだよ。
そんなソルベは稀有な戦士であり癒し手でもある。
また右手を見る、黙って背を向け新聞を読みだす。
あの日々も病床の横でよく…そうしていたものだ。


彼らと組むことにまあ慣れてきた頃だったと思う。
組織の船を勝手に使い密貿易した幹部を粛清した。
取引相手はスタンド使いでない「普通の」兵ども。
銃とスタンドで難なく追い詰めると動けなくした。
手を引かせるため送り返す一人を選ぼうと近付き。
異変を感じ窓ぎわへ逃れたところで力尽き落ちた。
敵の一人が隠し持ってた毒ガス兵器のせいだった。
優れたスタンド戦士ゆえのミスだと今では認める。
常人の反撃など笑止…驕りとしか言いようが無い。

よりによって「触れた」のでなく「吸って」いた。
身体が硬直し体孔の全てが中身をぶちまける悶絶。
声一つ立てられず防弾スーツの中で死を意識した。
ガスを操る自分がガスで死ぬ笑い話にもならない。
能力解除で回復した奴らも殺しに来る…詰んでる。
何も視えない聴こえない息がつけなくなる…絶望。
                 そんな中で。
汚濁に塗れたグラブの右手を強く握る手が在った。
続いて頭の中に直に呼びかける美しい声が在った。


稀代の癒し手ユニットの処置は手早く完璧だった。
汚染は顔と呼吸器、他はゴーグルとスーツが遮断。
汚れた防弾スーツを剥がし表皮への付着分は清掃。
暗示がガスで潰された酵素を強制的に補充させた。
筋肉も臓器も侵した神経伝達物質の過剰を削った。
表面粘膜を犠牲に片側ずつ呼吸器を清浄に戻した。
反動や負担に気を配りつつ慎重だが迷わず確実に。
免疫や肝機能を強め深刻な危機をひとまず退けた。
声さえ届けば内分泌すら操るジェラートの暗示と、
意思のみならず記憶や感覚にも及ぶソルベの読解。
実にシンプル、だけに使い手の手腕がものを言う。
瞬時に組み合わせ自在に使う…驚嘆するしかない。

オレに報復しかけた敵はソルベに殲滅されていた。
解放を促す低姿勢を嗤いオレを蹴り逆鱗に触れた。
十秒程で全員の頚髄切断並んで即死キレれば鬼神。
だが鷹は汚れを厭わずオレを背に負い連れ帰った。
弱り鈍った耳よりも背の振動で聴く励ましは甘く。

すぐに専門医を見つけ解毒剤を使わせ治療させた。
入院費は重くミスが知れ渡れば今後買い叩かれる。
暗示で別人と思い込ませ最低限の加療のみで退院。
リハビリの世話は殆ど全てソルベがやってくれた。
何せ言葉でも表せぬ不調まで読解し人体に明るい。
有り得ない短期間で快癒したのは二人のおかげだ。

回復し余裕が戻るほどに気恥ずかしさに戸惑った。
なにしろ、その…醜態も身体も丸ごと晒している。
ソルベの「バングルス」はそんな羞心も主へ流す。
「その余裕を喜べ。しかし美しいな、お前の形は。」
手首に浮いた分身をしげしげ眺めシレッと誉める。
読む相手の人格が形状を決める珍しいスタンドだ。
銀一色のそれは自賛でもなるほど悪くなかったが…
やばい台詞吐いてることを気にしない素朴は罪だ!
やめろソレを消せ喋るなこのバカ!とブチ切れた。
そういうんじゃあないのにまるで…みたいだろう!

「誰も見てない、事実でもない。病人が何を言う。」
「絵面と言葉選びが最悪だっつってんだよボケが!」

枕ぶん投げた手に投げてから投げた当人が驚いた。
最後まで麻痺し気を揉ませてた右手が動いたのだ。
恩知らずの照れ隠しをわざと除けずに受けて笑む。
言われるまま解除しこれでいいかと穏やかに問う。
元気になってくれたことをただ喜んで笑っていた。
生臭い情でないのを真に解るからこそ気にしない。
リゾットが惚れ込んだ理由が解り過ぎ目が潤んだ。
仲間が居ることそれがこの男であること…奇跡だ。
陽に当たれと屋上へ運んでくれる背は温かかった。







そう…、そんなだから…
オレだけ…じゃあなかった…
あの背中…追ったのは…







リゾットとジェラートは群れの指揮の両輪だった。
新たに寄ってきた鏡使いも含めみな頭は切れたが。
なにしろ思考の速度と層とがイカレてる域だった。
ジェラートは解析と構築、リゾットは差配が別格。
対しソルベは実行よりも更に補佐に才を発揮した。
能動の鬼才二人を受動の鬼才で受け進める完成度。
鏡使いが「プロの使い魔」と呆れるがそのものだ。
閃光の解析・構築・差配・総員の実行とその補佐。
流れるようにというがまさに教科書のようなそれ。
若い群れは「魔術師」を囁かれ組織の懐刀となる。

依頼が増え大掛かりにもなり、手足らずになった。
能力を得ても消耗品止まりの不遇者は少なくない。
使えないレベルのみならず使いこなせてない原石。
拾われたのは妙な性癖のヒネた捨て犬っぽいガキ。
それと噛み癖がひどすぎて駆除されかけてた山猫。
リゾットが小指でひねりその両腕が飼い慣らした。
僅かな期間にめきめきと使い手に育った…ものの。

「構い過ぎんなよ、ガキはすぐ勘違いするからな!」
白目むいてノビてる癖毛の山猫を診る背に怒鳴る。
「ツレに付き纏うんでリゾットの機嫌もやべえし。」
構い魔が新入りの変態に割り込まれ欲求不満気味。
ジェラートちゃん呼び、沽券で言わんがキレ間際。
鏡野郎まで親衛隊気取りで秘かに防衛してるしな。
「構わん。」
振り向きもせずやけに楽しそうでなぜかムカつく。
上裸でかからせて痣一つ無しだ、触れさせてねえ。
利き手利き足が判らん程のコントロールじゃあな…
「眼鏡なんぞかけてたっけな、近眼かよ?」
ついつい背を凝視…やっぱ見違いじゃあなかった。
背負われたとき首筋見て気付いたんだが…マジか。
「これを壊さずに立ち回るように言った。
 無駄に傷を負う癖がある。…直したい。」
拾った伊達眼を陽に翳し、壊さなくなったと笑む。
「眼を塞がせたら立て直しは至難になる。
 与えたのは三つめだが飲み込みは早い。」
そいつ関連だと説明長くねえかやっぱ気に入らん。
本体を鍛えるほど有利になる特殊な能力者同士だ。
素早くて力も気も強い、磨き甲斐があるのだろう。
「ご執心ってか。」
「いい原石だぞ。」
なにがいいもんか空気読まねえわドやかましいわ。
すぐムキになる限界無視してまた落ちてやがるし。
会話にならぬほどの癇気だけはツレが矯正したが。
ソルベのダンナとか変な呼び方定着させやがって。
「振り回されて大火傷しても知らねえぞ、ソルベ!」
そんなダサいあだ名お前には断じて似合わねえッ。
オレを小姑呼ばわりしてんのもどーせそいつだろ。

とか言ってたら程無く…本当に大火傷しやがった!

報せを聞いて駆け付けたら仮眠室で昏睡していた。
髪が焦げ真っ青なガキが震えながら座り込んでた。
奪取対象の箱を取りに行き火に囲まれたとほざく。
氷を纏えるからと余裕ぶっこいててガス欠状態に。
持久力がまだ足りない、冷却の微調整も覚束ない。
装甲作り直すにもスプリンクラーは壊れ水は無い。
冷気で炎よけながら逃げて低体温症…セルフ遭難?
それを助けに入ってガキ担ぎ上げ脱出した、だと?
焼け落ちるケーブルで焦げるほどの火傷…背中に…

殴りたいと思うよりも先に本気で拳を振るってた。
周りは制めたし相手は無抵抗で泣いてたが殴った。
言わんことじゃあない…よりによって火傷…背中!
あの背に傷が…こんなバカのヘマで…あの背中に!
能力まで使いかける寸前、ソルベが起きて制めた。

「それでも…おかげで…依頼は…遂げられたろう?」
動けないはずの身体起こしてクソガキの頭を抱き。
「よく…やった。次はもっと…巧くやれる…よな?」
クッソ生意気な山猫がわんわん泣き絶叫で詫びた。
鼻血つけんなバカと引っぺがしたのは意趣返しだ。
凍傷の指が元に戻るころ山猫は明猛な虎に化けた。
強い賢い諦めない敵に回したくない仲間に化けた。
ツレが一ヶ月を費やし傷は淡い痣を残し消えたが。
化けさせたのはズタボロに傷付いてたあの背中だ。
包帯に血と漿が沁み惨たらしくても美しい、あの。







もし治らなかったら…
殺らねえまでも叩き出してたが…
お前はガキにとことん甘ぇ…







「新入りをオレに預かれ?向いてねえ、なんでまた。」
気の弱そーな面白えツラのしょんぼりしたガキをか?
「あいつの親に世話になったことがあると聞いたが。」
リゾットに言われてやっと思い出す程度の縁だった。
前に船とカネ融通してくれた船主だ、まあ助かった。
どっかで見たツラだと思えば親父そっくりでやんの。
それが他組織とウチとの抗争の巻き添えになったと。
「先方の殺し屋を撃ったらしい、急所は外れたがな。」
復讐を怖がったから入団試験受けさせたら…ビンゴ!
スタンド体質と判れば組織からはもう逃げ出せない。
取り込めないなら他所が取る前に消すそれが鉄板だ。
「…、モノになりそうなのか?」
頂点がスタンド使いってのはそういう事よご愁傷様。
振り向いたソルベが示す腕に絆創膏が貼られていた。
「針を当てた。」
「…マジかよ。」
オレは拳当てるどころか掠ったことすらねえんだが!
系統も戦法も別だ比べるなとは言うがそういう話か!

「素質は充分、一撃必殺だ。ただメンタルが…その。」
「…あー…そりゃまあ、見りゃあ解る。だからって。」
じゃあ担当はコイツだろとソルベを見たら笑ってた。
「お前を覚えていたそうだ。カッコいい人だったと。」
お前が言うと嫌味に聞こえるああ解ってるよ僻みだ。
「利子まで返す立派なギャングだから師事したいと。」
次からボロ船やダメ船員回されたら命取りだ返すさ。
「戻っても生きられない。裏社会とも縁は無かった。」
「ゼロからの仕込みだ。お前はサラブレッドだろう。」
ステレオでたたみかけるな断らす気ねえだろお前ら。
由緒正しいそのスジの隠し女房の家系ではあるがな!
「や勘弁しろよ。オレはああいうのは、」
「ソルベに預けると妬くだろうアレが。」
「…解ったよ預かりゃあいいんだろッ!」
暴走されてまた尻拭いで怪我でもされたら…笑うな!

体よくハメられ新入りの教育係をやることになった。

てヲイ…この世にこんな頼りねえ生きモン居るのか!
危機感ってモンがまるっきりねえ目が離せねえ怖え!
軽くカルチャーショック…頭悪かねえ能力も強えが…
カタギ歴ゼロのオレにこのザ・カタギを仕込めとか…
アレみたいな荒療治向きにはまったく見えんしなあ…
仕方ねえから業界作法や護身あたりから細々教える。
力の工夫だけは仕事とアレと雑事の隙間で魔法組と。
とにかく連れ歩く、痴漢やらんトコは変態よかマシ。
修羅場は…少しずつ見せて順次慣れさせるしかねえ。
合間に仕事中の親父の話とか訊いてくるから答える。
よくよく思い出してみりゃデキたオッサンだったわ。
カタギはカタギで命も身体も張る決断の積み重ねか…
こんな話出来るのオレしか居ねえな…なるほどなあ。

実戦も怪我も経験無いんでソルベの凄さが解んねえ。
旦那は怖くて強えけどやっぱ兄貴が一番すげえとか。
兄貴兄貴と慕われるのは…思ったより…ウザくねえ。
トチ狂ったラブコール叫ばねえトコもアレよかマシ。
「案外堂に入ってんぞ。一皮剥けましたって感じな。」
ホルマジオがにやにや笑って言うから変化に気付く。
「気の回しも一段階、深くなったよな。惚れ直すぜ?」
くすぐったいが手前だけの命でもなくなったからな…
物の見方もそりゃあ変わる…ソルベもこんなふうに…
「…のヤロー…。」
クソ大将…新入りもだがオレ仕上げたかったってか。
ああ忘れてたぜアンタの得意技は差配だったよなあ!
目論見どおりオレはまたあの背中を追っかけてるよ!







はは…ざまあねー…
いや…可愛いもんだよなヒヨコってのは…
だが…頼られるってのも時には…







瀑布と渦を巻く水とその轟音。
見下ろしてる白い人形の横顔。
その意思を読み服を脱ぐ背中。
陽は傾き水底はろくに見えず。

「ちょっと待てジェラート、いくらなんでも、」
踏み出す背に黙っていられず魔法使いを睨む。
この底から「名簿」のケースを回収しろって?
あるのは判ってる急ぐのも解ってる、しかし!
アイコンタクトを遮り肩を掴み振り向かせる。
放たれる寸前の猛禽のガラスのようなその眼。
「無茶だ!イルーゾォを呼べ、鏡を沈めれば、」
最短距離でもっと安全に回収出来るだろうが!
「細かい位置は記憶を読んだオレしか判らん。」
言い返そうとしたらメールが入り電話を見る。
<イルーゾォは急かしたらまずい。慌て易い。>
振り向くと魔法使いがメールをまた送信した。
<集中を切っちゃいけない。早く済ませよう。>
白い姿が振り向き怜悧な猫眼がオレを捉える。
(行けると言ってる。落ち着け。余計危ない。)
三体の使い魔を従えて唇がそのかたちに動く。
お前の王様はブレねえな…倣うべきだろうさ。
オレには歯に衣着せぬ同志に徹してくれてる。
間違いは全然ねえんだいつも正しい…解るが。
拳を握りまた睨むと軽く肩を叩き背を向ける。
一瞬見たソルベの口角が上がってた気がした。
鷹の急降下のようなダイブ潜水は三回だった。

名簿は無事入手、上に提出すれば依頼は達成。
運転するホルマジオ、イルーゾォも合流した。
報酬はいい部類の仕事だ、空気が浮かれてる。
さすが旦那だと笑い飛ばす大声にイラついた。
黙々と髪を拭くソルベにスキットル差し出す。
飲まねえのは知ってるよ、要らねえなら断れ。

右手で渡したスキットルを左手が受け取った。
きゅ、と蓋を開け一口だけグラッパを含んだ。
口つけたとこを拭いて蓋をする、細けえヤツ。
スクーズィ、と黙って唇だけで言い添え返却。
そらやっぱキツかったんだろ…なんで詫びる。
平気なツラしても背中…鳥肌立ってたろうが。

お前にはよく、くどくど説教たれたっけなあ…
当たり前の事だろうが返事はしろ誤解される…
いきなり譲歩すんな詫びるな相手が頭に乗る…
いきなり殲滅率上がんだよ厳しさも慈悲だぜ…
目立ちたくねえの知ってるがマトモな服着ろ…
下に示しがつかねえしいい男がもったいねえ…
洗濯物増えるからってシャツや上裸で戦うな…
屋上の手すりに立つな万が一ってことがある…
仕置きに踵落としはやめろ死ぬからアレ以外…
無理っぽい時はちゃんと言え黙って抱えるな…
ツレに口答えたまにはしろ尻拭いはお前だろ…
気が付いたら小姑が定着してるお前のせいだ…
至極当たり前の事しか要求してねえんだがな…
お前はいつも終いまで聞いちゃ律儀に謝って…
こっちは謝らせたいわけじゃあねえってのに…
それでもツレが呼んだらあっさり行っちまう…
かなわねーよな…嬉しそうな背中しやがって…







お前の最優先はツレ…決まりきったことだ…
オレが言うのもなんだが人に代わりなんてモンは…
その…代えのねえものに…手を出されたら…







息が切れてぶっ倒れそうだが足を止めずに走った。

ドアはね開け飛び込んだら弟分が顔を押さえてた。
顔を上げさせた…タオルの下の右目が裂けていた。
間合いを掴む命を繋ぐ…絶対無くせねえ利き目が!

持ち前の勘でいい仕事した調書を事務方に預けた…
その手柄を横取りされたから抗議したらモメたと…
手当たり次第にそのへんの物を投げてきやがって…
床に落ちて割れたガラス瓶まで…それを避け損ね…

痛いし怖いだろうにヘマを詫びて泣かれてキレた。
ジェラートが立ち塞がり何とかするからと制した。
それすら押しのけかけてソルベに吹っ飛ばされた。
仲間といえどツレへの手出しだけは絶対許さない。
見下ろす鷹の眼の恐怖にほんの僅か頭が冷えたが…
それでも…それでもやはり我慢はしきれなかった…
リゾットが抗議に行くぞとオレを引きずったのは…
そうしねえとオレが何するか判らなかったからだ…
 知らなかったよ…あんなに悔しいんだなあ…
  あんなに…痛くて…我慢出来ねえんだなあ…
 お前が火の中へ飛び込んだ気持ちが解った…
  ガキへの手出しはダメだな理屈が吹っ飛ぶ…
事務方へ怒鳴り込んだがクズ野郎はもう逃げてた。
行き先吐かすのに全員三十ほど老けさせてやった。
親衛隊の誰だかが縁者だから頼ったとか呻いてた。
リゾットの顔色が変わり一旦戻ると引きずられた。
胸倉掴まれて嫌々老化を解除してやり引き上げた。

酷かった傷は癒し手たちが奇跡的に完治させたが。








    「…!…」
    急な悪寒。

           目を開く。
           ここ…は?








            世界が悲鳴を上げていた。
       ひどい揺れとひどい痛み。
    反射的にあの手を求めた。
         「…ソ…」
            苦し…い…痛え…怪我か…
               全然動けねえ…どうした…
              ど…どこにいる…ソルベ…
        右手を…伸ばそうとして…


   それが喪くなってることに気づいた。


「…ソ…ル…?」
声…ろくに出ねえ…咽喉が…焼ける…
そうか…そうだったな…お前はもう…
片眼に映るのは稜線に墜ちてゆく陽…
夢を…見てたのか?
数瞬の夢…



腕…



腕を見る。
漸く我に還る。
叩き付ける轟音と風。       
機械油と鉄の匂い土埃と振動。
雄叫びを上げ身体の下で回り続ける列車の車輪。
ああそうかそうだここは戦場。
オレは敗れたがまだ。
あいつはまだ。
敵の前に。    「グレイト……フル・デッド…」
      分身を片眼で…  …探した…    …いた、
    片腕か…無様に崩れ…消えかけてる…   …使えるか、
    能力が解除されてる…多勢相手に独り…   …まずい、
    何やってる…動け役立たず…あいつが…  危ねえ時に、
     再起動しろ…  …急げ…そうだ…  …休むなッ…
罪…     これだけの罪を犯しておいて…休む資格は…
オレの罪…      「?…あ………あ…?」
これは…罰か…?
お前が返してくれた右手…
お前たちが返してくれたあいつの右目…
符号のように喪われたこれはオレへの罰なのか?



千切れた腕がガタガタ震えだし止まらなくなった。
あいつの傷は癒えたお前たちが元に戻した、だが。
オレのしくじりだけは…取り返しがつかなかった。
魔術師どもは弁えぬ狂犬…植えつけたその先入観。
組織の上とよろしくツルんでる旧い家々との敵対。

■ヤツラとの付き合い方には厳然たるルールが■
■けして牙を見せすぎず順を追い慎重に慎重に■
■ツテを使い落とし処と逃げ場を必ず用意して■

リゾットが長年堪えに堪え守り続けてたルールを…
オレの短慮が一瞬で…たった一瞬で…ぶっ壊した…
賄賂包んだクズの嘘八百にだから誰も彼も倣った…
あいつは先に手を出した加害者ってことにされた…
はした金で片付けられおまけに…犬ころ呼ばわり…
出入りの業者どもは一斉に嫌がらせ始めやがった…
味方は誰もおらず話は終わらされ敵だけが増えた…
      それを聞いたジェラートは…
   それを横で聞いたソルベは…
その背をオレは二度までも何も出来ずに見送って…




     お前たちを…見殺しにした




オレのしくじりがお前たちのステルスの結界を破った。
オレたちを巻き込まないために隠れていたお前たちを。
欲深いゲスどもに自分から…接触せざるを得なくした。
額に入り戻ってきたお前を前に浮かんだのは黄金の馬。
飼い慣らせぬ天賦に呪われ皮にされたあの黄昏の悍馬。
ツレや盟主やオレたちだけを見ていた唯一無二のお前…
あれは飼い慣らせぬお前を手に入れ損ねた誰かの業か…
   お前もツレも誰にも見せてはならなかったのに。
                  一つ目の大罪。

逃げたエンバーマーに代わりお前を棺に入れるために…
ガラスを切り…取り出した…一つ一つを見て確かめた…
こんなものがとリゾットは呟いたが…信じなかったが…
リゾットもツレもお前自身すら知り得ない事だろうが…
細かな血管が翼のようにシンメトリーに広がる背の肌…
何度も何度も背負われて見たオレだけが気付いていた…
縮んで固まり変形していようがゴーグル越しだろうが…
眼に耳に魂に焼き付けたお前のあの背…間違うものか!
言え…なかった…誰にも。
お前の死を信じない皆に。
替え玉と信じたがる皆に。
逃げ遅れると解っていて。
二つ目の大罪。

両腕をもがれた黒衣の道化は二度とはおどけなかった。
美しい連動は砕け失せ魔術師は群れた殺し犬に戻った。
元凶のクズどもが粛清されても戻る物は何も無かった。
自責のあまりあいつはお前たちが消えた経緯を忘れた。
血みどろの罰の二年を経て泥底で叛いたオレたちだが。
その理由を忘れたあいつに与えられる目的が無かった。
勝利と栄光…具体性の無いそんなありふれた概念しか。
メンタルへの不安で死闘を経験出来なかったあいつを…
       逃がさずにおいてリタイヤ…敵は六人…
                  三つ目の大罪。

「考えてみりゃあお前だけだ。」
二度と聞けぬ声がまた力無く。

魔法使いのか細いヌケガラが見つかった翌日…
ヤサから消えたままの使い魔を皆で探してた。
ホルマジオはあの荒れ馬の牧場へついて来た。
若駒はとうに居らず伊達男は憔悴しきってた。
「オレだけが…どうしたって?」
骸を見つけてからずっと飲まず食わずだった。
ビジネスライクとか言いながら仲が良かった。
「誰も旦那を心配しなかった。」
火の消えた葉巻を咥えた横顔が小さく続けた。
「強えし不安無かったからな。」
ごそ…と、ポケットから取り出した黒い携帯。
「だからだろうな。失くすな。」
受け取る手が震えた…ソルベの携帯…だった。
マットレスとベッドの隙間で見つけたのだと。
血塗れのあの部屋で見つけたが黙っていたと。
「お前のだよ。見りゃあ解る。」
促され電源を入れ未送信のメールを見つけた。

< Non posso muovermi >

作成日時はツレの死亡推定時刻の少しだけ前。
送れなかったメール「動けない」それだけの。
あれほど親しかったリゾットではなくオレに。
一番居てほしい時に…傍に居てやれなかった。
          四つ目の…オレの大罪。



残された左目を見開くがよく見えない…
途切れそうになる意識を辛うじて繋ぐ…

いつまでバックアップを続けてやれる…
決断がトラウマになりオレに頼りきり…
そうなったあいつには相手が悪すぎる…
もう動けねえもう傍へ行ってやれねえ…
どうすれば助けられる…
どう償えばいい…
すまねえ…
すま…





                  唐突な衝撃。

           「―――…ッ…―――」
     息が止まる
         世界がまた悲鳴を


              全身に加重
          傷口が血と命を吐き出す

       身体が鉄の隙間へ沈む
 振り落とされて…堪るか
     ブレーキ…掛かった?
       敵にそうするメリットはねえ
                 あ…あいつが?


  戦ってる戦えてるまだ…
  負けてねえ諦めてねえ…



              「あ。」




爆走した巨大な鉄の塊は泣き叫び軋んで静まった。
静止した車輪の上、暗い視界にあの黄金を感じた。
激痛を感じた筈だったがそれに気を取られ忘れた。

すとん…と。
腑に落ちた。
ソルベお前。

この二年間、オレの悔いの精髄だったあのメール。
助けを求めようとして出来なかったと思っていた。
だが違った…たったいま解ったんだ…その意味が。


「動けない」から戻れなくなってしまったすまん。


お前…そう言いたかったのか…詫びたかったのか?
たった今オレが置き去りのあいつに詫びたように。




「…ちょ…」
いや…いやいやまさか…ってそれだと…合うよな?
傷は手首の掠り傷だけだ戦えてただろうその最中。
敵の目を盗んでメール打つ…なんで送らなかった?
隠すより送るほうが早いに決まってるってのによ?
ああ!アレかよ怒ると思ったからかまたくどくど!
だからオレだったのか!だから送らず隠したのか!
ガミガミ絡む小姑が無理な時は言えと怒ったから!
耳にタコが出来るほど聞いたお前の「スクーズィ。」
だから謝らせたいんじゃあねえと…何度言ったら!

するすると…お前という男が解った、今になって。
ただ美しい馬だから乗りに通ったオレにも見せた。
    ただもう気が合うからリゾットと睦んだ。
        生きてほしいからオレを癒して。
           可愛い弟子だから護って。
              似合うから奨めて。
            潜れそうだから潜って。

         許せないから、許さなかった。

振り回され潰された犠牲者なんかじゃあなかった。
その破格ゆえの素直さで素朴に律儀にあるがまま。
メールでオレへの義理を果たし、区切りをつけて。
最後はおそらく…王の選択の責任を共に受け止め…
護れなかった絶望とその先に待つ恐怖を拒みぬき…
誰の手にも飼い慣らせぬままその魂が望んだまま…


「…は…」


現金なもんだ…見えなくなってた目…少し見える…
そうかい…地上のオレたちがどうあがこうがお前…
素直すぎて解んなかったよなんて野郎だまったく…
笑えるじゃあねーか…なんかいろいろ吹っ飛んだ…

そういうことなら…と左手が携帯を引っ張り出す。

充電だけは続けてて良かったぜやっと役に立った。
一面の黄金色の中リゾットに敵の情報と行き先を。
ソルベの携帯からだ驚いたろうすまねえな大将よ。
なんか叫んでたが伝えたいことだけ伝えて切った。
自慢の弟子がオレ目指して走ってきやがるんでな。
度を越えた荒療治だが一発逆転…だったようだぜ。

          幸せ…だったんだな、お前。
          解るんだよ今ならオレにも。
          オレの愛弟子が漢に育った。
          こんな嬉しい報酬があるか。
          お前もこれを受け取ってた。
          オレ達を援け続けた時間中。

そこに居たのかよブチャラテイ…さすがしぶとい…
オレのペッシを制めようってか…さて出来るかな…
やるべき事を理解した本物の戦士今度は手強いぜ…
ボスと娘に尾を振る輩に簡単に殺れると思うなよ…
無駄死になどしてやるかボスの終わりへ必ず繋ぐ…
仮初めの目的だから何だ…勝って生きた証を刻め…





頭を上げ左目を見開く。
闘いに臨む愛弟子に激励を投げる。

鮮血混じりの激情は咽喉元まで熱くせり上がった。
シンメトリーのあの背には見えぬ翼が生えていた。
何度そう思わされたかいっそ言葉にしたかったか。
神速と勝負勘、翔ぶように駆せ、瞬く間に喰らう。
迷いも気負いも奢りも無く澄み切ったただ強き者。
どうせバレてるしプライドが抗い言えずにいたが。


ただもうお前と居ると安らぎその背に惚れ込んだ。






夜ごとの死に向かう夕陽に光る悍馬の群れを視る。
傲然と地を蹴り駆け往く誰にも飼い慣らせぬ群れ。
オレも愛弟子も斯在ろうお前がそうだったように。






血の紅と失血の闇が陽を隠す安息のその刹那まで。








(完)









観察記おしまい、名場面の借用お許しを。
兄貴には悔いなく旅立っていてほしいし。
アハルテケ美しいカッコいい兄貴みたい。
ソルベさん服装無頓着って気がしすぎる。
ギアさん眼鏡は伊達眼説も強く推します。

最後の一息まで安堵と誇りを齎す癒し手。
そんな人がチームに居てくれたらいいと。
彼らが友と呼び憩える人が誰か居たらと。

踊っていただきました、が、
演じていただきました、に。
だから「MMD」二次創作。






…初めてあれを見たときお前みたいだと思った…
…最後にお前と共に見て別れを言う気になれた…
…許してくれ細やかな友よ言い訳を遺して逝く…
…気遣われるのはくすぐったいが…嬉しかった…


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