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掃き溜めにヒヨコ~だいたい阪口さんのせい~

2019/10/09 00:06 投稿

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  • ソルジェラ
  • ジョジョ5部「MMD」二次創作




考えてみたら主人公が倒せなかった怨霊スタンド、
事前の能力解析&恨ませない暗示コンボで対応可?
喋らない彼がわちゃこら忙しく考えてたら可愛い。
さかなクンとも気が合いそうなのでお笑いを一席。

彼の能力考えれば登場までかなりキツイ立場かと。
能力の出方を考えれば忠誠心ありそうでもないし。
ならばどうして笑って逝ったのかと不思議でした。

ロンゲの彼に特に他意があるわけでもありません。
能力から発現当時の性格を推測するにこうかなと。
原作活躍時の彼は好き、でも辻褄合わせも大好き。







掃き溜めにヒヨコ ~だいたい阪口さんのせい~







親衛隊つってもさぁーー。

耳くそほじくった小指立ててふーっと吹く。
昼から痒いんだけどぉー、届かねーのよっ。
あーこの服やだなあーっ、腹パツパツする!
袖周りも窮屈だしよーっ、いつもの服がいいのーっ!
なんでこんなトコにぃー、ボクカンケイねーですわ!



幹部の顔ぐらい覚えとけよと夜会に連れてこられた。
抵抗?しましたよ容れられませんけどねそれが何か?

親衛隊入ってというか否応無く入れられてまだ半月。
隊長職ってのは厳密には無いが最高位は歴然と在る。
目が潰れそうな美形で組織と関係のいい名家の王子。
遊び飽きて入団したら能力に目覚めてもうイケイケ。
いざって時はカネも人員もすぐ出せて重宝されてる。
イイ家ってのは大概ギャングとよろしくやってます。
そんで持ちつ持たれつ汚れ仕事は全部やってもらう。
映画スターもセリエ選手も人気キャスターも成金も。
カッコ良さげに繕ったってみんなそうみんな一緒よ。


調子乗りのオトンが博打で店潰してオカンも消えた。
爺ちゃん興した店だからなとアニキ二人して再建中。
幼少時より大飯喰らいでドン臭いボク絶賛足手纏い。
学校バックレマンガ読み読み横断中よけた車が横転。
運転手運悪くギャングしかも右足切断はーそっすか。
除け損ねたヴァカの自損なのにボク何故か恨まれる。
厄介払いも兼ねまんまと売られてギャングのドレイ。
絵に描いたような転落人生でござる…神様?何ソレ?


はぁ帰りたいわぁー勝手に帰っちゃあダメですかねェーっ。
タキシードとかクソですわー食ったらボタン飛びましたっ!
小遣いだけあるんで大人買いしたマンガ読みたいんですが!
録画予約しそこねた衛星放送アニメ今日最終回なんですが!
来る途中にトルコ焼肉のイイ店あったね食いつきてぇーッ!
ぬぅ腹減るわー全然食い足りねー肉食いてえなー肉肉肉肉…
戻ろうかとホール覗いたらウチの王子が美女に囲まれてた。
いつか蜂の巣で死ぬ呪いかけた…羨ましいんぢゃタコがよ。


ぜんたいカッコいいヤツラなんてのはろくでもないもんなのよ。
オカン譲りのイケメンアニキどもがいい例っすわ外ヅラばっか。
ウチの連中だって見てくれだけ良くてもみんな歪んでんじゃん。
センセとかお嬢とか変なメイク落とすとビビる美形でもアレよ?
クソ王子に至っては露骨に見下してんの隠しもしませんことよ?
もう人前だろーがナチュラルにイジるというかイジメるもんね!
心のキレイなイケメンなんてマンガの中にしか居ねーわけです!
ハァ!?異論とか認めませんけど!こっち見んな呪うぞカスが!


ボタン見つからんし着てられるかとジャケットぽーい。
いやだわーマジいやだわーストレス溜まってハゲそう。
表向きフロント企業の偉いさんだの投資家だの装った
こわいおっさんズひしめくトコとか戻りたくねェーッ。
顔覚えろったってボク繊細よ人の眼ぇ見るのムリムリ!
それより何より最終回…そのためにわざわざ衛星契約…
帰りたいのに帰れない腹は鳴る鳴る耳は痒い!
空気も何かじめじめベタベタ不快指数上昇中!
ムカついて庭の茂みに思っくそステッキ投擲!
こんなモン食えねーし耳もかけやしねぇーッ!




と。




「あいたあっ!?」




はい?




植物しかなかったはずの暗い茂みががさごそ動いた。
「なん…ええ…、ギャッ!」
ひひひひとがががが逃げなきゃ逃げようそうしよう、
相手間違いなく身内つまりギャングだもん死ぬ死ぬ、
だいたいボク普段から自分じゃあ戦ってもないから、
リスにもウサギにも負ける自信あるわ逃げるが勝ち、
と後ずさったら履き慣れない革靴滑ってスッ転んだ、
はがっ…ちょ…尾てい骨さんッ…生き…てますかッ…
ひいいい動けねーッこっち来たあああ絶対絶命ーっ…


「なはは…オレ敵じゃあないですぜー。」


変にのんびりしたイントネーション。
観葉植物の鉢みたいな謎シルエット。
デッキに足かけたトコで顔が見えた。
同じこと思ったのがなぜだか解った。


(なんて味のあるルックス////////)











「ねっ旨いでしょ、もひとつありますぜー?」
「あ…うん…ども…いいのもらっちゃって?」
「いいんですよー余分に詰めてくれたんで。」
一本目ガツガツいっちゃったんでじっくり味わおう。
はああ…うんまい…こーゆーのが食いたかったのよ…
程よい塩気と歯切れのフォカッチャにゴマだれ焼肉、
薄切りトマトとたまねぎの層がさっくりジューシー。
至福の噛み心地…肉も野菜も計ったように厚み均等…
なんて美しいスライス断面…神じゃ…神のワザじゃ…
「オレよく落としちゃうんで、予備入れとくねって。」
いいヤツじゃー…こーゆー顔のヤツに悪人いません。
「て…手作り…だよねえ?」
彼女作…だったら呪おう。
「女将が料理上手でして。」
女将とな…印象悪い単語。
「女将自ら弁当作るわけ?」
メシマズでしたさウチは…
「一番安上がりだもんで。」
にゃははは、とイイ笑顔。
「ビンボなんですよウチ。」
…なんで嬉しそうなのよ。



「カルネさんは組織は長いんですかい?」
「えっ…うん、…まあね。」
アニキに売られておやっさんのドレイやってたかんね…
ドンくさいんで雑用ばっかで組織はよく知らんけどね…
長いこたあ長いよ…「試験」受けたのは去年だけどね…
「というペッシくんは長いの?」
「もうちょいで半年ですかね。」
態度もイイ…腰が低いってか…敬意払われてる…素敵。
こういうの親衛隊入ってから…いや組織…いや人生初?
そっかボクのが先輩ね、歳もいっこ上だし。
胸張ってみたりなんかしていいでしょうか。
今度はシャツのボタン一つパツンと飛んだ。
何の為の採寸よ…ギミックの為?あっそう。



「お一人で外で見張りですか、ご苦労さんですねー。」
「えっいやはい…あう…うん。」
それでいくことにいま決めた。
「ウチもそれで来てるんですけどねー、心強いっす。」
いやそれほどでも…「それ?」それってなんですか…
「敵にもスタンド使いが混じってるって話ですんで。」
敵?…敵って…敵?
「親衛隊だからカルネさんもすっげえ強いんでしょ?」
「待って。ちょっと待ってくれる。」
嫌な予感しかせんわ…たまには仕事しねえかな神様…
「はい?」
落ち着け…落ち着けボクよ…先輩の威厳を損なうな…
「そそそっちは…どう聞いてんの?くくく詳しくね。」
落ち着くべき時に落ち着けない自分が一番呪わしい。




幹部のオジジがおしのびカジノでイカサマ見抜いた。
女連れだったんでついええカッコして手打ちに失敗。
撃ち合いになって怪我人多数ハズミで死人まで出た。
くたばったのがピサのギャングの大幹部の愛人の子。
最終的にボスが先方ボス脅して手を引かせましたと。
大幹部納得いかず私的に刺客を放ってきたとの情報。

「その年甲斐の無いオジジが…」
「ティッツァーノさんの隣に。」

…あのケバいおねえちゃんのパパですかよ。
騙されたわ何が夜会よおびき出し会じゃん。
最終回を犠牲にしてまで来る話か氏ねカス。
蜂の巣の呪いに「衆目の前で」追加しとく。




「なんでやらかしたオジジが自前の兵隊出さないの?」
先方ですら私兵を出してんのにウチの幹部ときたら。
「それはまあ幹部さんじゃあなくてウチの問…いて!」
コンッとやたらイイ音がしてペッシくんが頭抱えた。

「さっきから聞いてりゃ…べらべら喋んじゃあねえ。」
立ち木の壁の小路を女神の彫像背にして近づく人影。
スウと息を吸い込むと赤らむ葉巻の灯に顔が浮かぶ。


出たな極悪人があ!!(確信)


「あれ、プロシュート兄貴、裏門方面の護りじゃあ?」
兄貴とな!ペッシくん可哀想!絶対苛められてるね!
こいつ悪の権化よ間違いないだってカッコいいもん!
タキシードが!着られて喜んでますよはい解るから!
ウチのクソ上司超えのルックスだとかアホだろ神様!
「私兵どもが張るとさ。進入経路と踏んでるんだろ。」
顎でホールを指した、オジジと王子と美女が談笑中。
「ああ…ずーっと幹部さんに張り付いてますもんね。」
「業績にしてえのよ。オレたちはお邪魔ってわけだ。」
はーとペッシくんは飛んできた何かを拾ってむいた。
飴玉ですかよ…オヤツかよ…餌付け完了…あくどい。
カツンとデッキ踏んで光の下へ、ぐはあッ…ド金髪!
寄るな来るなこっち見んなめめめ目力がオカシイわ…
ふーっと煙吐いてボクの頭越しに吸殻を灰皿にイン。
「そりゃあいいが親衛隊の…何故ウチのを盾にする?」
え…あ…なんとなく…すんませんしたもうしません…





「はあん…、入ってまだ半月のルーキー君じゃあなあ…」
目力に負けて何も聞いてなかったの自白させられたっ。
ひっく…怖いよ…こんな少年漫画の美形悪役みたいの…
「アンタんトコはややこしいのが揃ってるそうだしな。」
「ややこしいってか…あのヒトら何かチガウというか…」
むしろ一緒にされたらダメなのもいるはセンセーとか。
ペッシくんがまーまーと肩を叩いてくれてる…優しい…
なんでこんないいコがサタンの弟分とかやってんのよ…
差配した大将もオニだろ…蜂の巣で死ぬ呪いパートⅡ…

「あの…あの…怒ってます?…ウチの性悪上司がその…」
わざわざ依頼で現場まで来たチームの仕事横取りとか。
「ムカつきはするがな。アンタが気に病む話でもねえ。」
…騙されませんよ根に持ってるでしょ解ってますから!
こーゆー外ヅラのいい爽やか風が一番おっかないから!
アニキたちもオカンも学校の奴らもみんなそうだもん!
うそつき偽善者いつか手足もげて死ぬ呪いかけちゃる!

「それでオレらどーするんです?手を引くんですかい?」
まさか、とニイッと浮かべる笑顔が怖いのなんのって。
「ボスの勅命でピサに出向いたのはオレ達だ。
 充分に脅したが先方が大幹部を抑え損ねた。
 脅し方が足りねーからだと始末に呼ばれた。
 経費のみ報酬ナシのタダ働きさ…だがなあ。」
クイと蝶タイ引き抜き襟を緩める、腕組みで庭を睨む。

「手前のケツは手前で拭く…魔術師の矜持よ。」

あ…
あれ?
今なんか…
電流走った…ビリッと?
この感情…何ですかね?




「そのとおり!そうこなくっちゃあな!」
ギャアアア!!また出た最低最悪のゲス野郎!!(断言)

デッキの壁の鏡からしゅるっと出た心臓止まるわヴォケ!
すたっと華麗に着地するとブルネットのオサゲがなびく!
長身細マッチョの上にアラブ女優みたいな顔乗ってるゥ!
何もうふざけてんの!スライムで死ぬ呪いかけとくから!
「仕込みは済んだか?イルーゾォ。」
「おうよ、万全だぜプロシュート。」
「さすが兄ぃたち、かっけえーッ!」
騙されちゃダメだよペッシくん本性なんかわかんないよ!
いくら見てくれキレイだってカッコよくたって中身はさ…
「今回こそは助っ人の手は煩わせたくねーからな…だろ?」
「当然。見てんだろ旦那、今夜はアンタの出番はねーぜ!」
「あう…ま…まだどなたかいらっしゃるんでしょうか…?」
庭のどこも人の姿なんか見えないし建物は厳戒態勢だし。
「気にすんなよボーヤ。オレらのプライドの話だからよ。」
舞台メイクばりの切れ長の目に血で染めたような紅い瞳!
だだ騙されないから本音なんかわかんな…本音…本音は、

…こいつらのカッコよさは異常//////






ざざあ…と庭木が鳴りだし風が吹き始めた。
そういえば…天気予報…夜中から降るって。
星が見えてた空には気付くと雲が増えてた。
大きな雲が明るい満月を横から齧っていく。
オサゲの人が耳に小さな鏡を当て空を見る。

「来るぜ。」
「行くか。」

オサゲの人と生ハムの人が正門へと向かう。
えっえっ…何…裏門からじゃあなかったの?
「矜持ってもんが解らん奴はこれだからよ。」
「正面から賭場荒されて誰が裏口から来る?」
「敵を欺くには味方からってな、はっはぁ!」
ええええ裏門待機は横槍見越した吊りかー!
ぼぼぼボクはどうしたらいいんでしょうか…

立ち竦む横をペッシくんが駆け足で通過ッ?
「それじゃあ。」
「ペッシくん!」
いや危ないってキミだってルーキーっしょ!
はい?と立ち止まって振り向く緊張の表情。
ああ…ほら怖いんだよやっぱ…震えてるよ!
「た…戦ったコトあんの、スタンド使いと?」
「ないっすよ、とにかく見て勉強しろって!」
「いや…いや待ちなよ、フツーに考えなよ…」
ごく…と、カラカラになる咽喉に唾を飲む、


戦うのってさ…痛いよね…心細くて怖いよね?
ボクの能力は半殺しで気絶後に発動するけど…
ボクが知らないうちに敵をみんな喰っちゃう…
ボクの知らないトコでさ…そりゃあもう酷く…
スタンドってのは本体の資質そのものだって…
だったら…だとしたらボクは…ボクの本質は…
それを当て込まれて親衛隊にいるこのボクは…


「た…戦うのなんかさ…イヤじゃあないのっ?
 怖いし…汚いし…ワケわかんないし醜いよ?
 自分じゃあどうしようもない…無責任でさ…
 始めたら取り返しつかない…そう思わない?」


そうなんだよ取り返しなんかつかないんだ…
隠してたろくでもないもの全部見えるんだ…
ペッシくんまだそういうの解ってないんだ…
解ってないからにこにこ笑ってられるんだ…
兄貴さんたちは解ってんのに隠してるんだ…
ボクも解ってたら試験なんか受けなかった!
もともとギャングとかなる気もなかったし!
ひどいよひどいよ向いてないよそれなのに!









えーとねカルネさん、とペッシくんは答えて笑った。
自信なさそうな顔でも恥ずかしそうじゃあなかった。

「よくわかんねえけど、オレもう…
 引っ返せるトコには居ないんで。
 それにちゃんと強くならねえと…」

ぽりぽり…と頭の剃り上げたトコを掻いて
強張る頬から消えかける笑いを無理に戻す。

「すっっげえ一生懸命、護ってくれる人がいるんで。
 兄ぃだけじゃあねえんで…安心させたいんですよ。
 強くなりゃあ安心だって、喜んでくれるもんでね。」

えへへへ、と照れ臭そうに歯を見せると走り出した。
いや…違うってば…そういう話じゃあないんだって。
だからなんで信じられるわけ…その護ってくれる人?
騙されて利用されてないってどうして信じられんの?
裏切られたことないのかなあ…いい奴なんだけどな…
バカだなあ…おめでたいなあ…やっぱ…合わねーや…
いつかバラバラで死ぬ呪いかけちゃえ…冗談だけど…



エンジン音が遠くから近づく…耳は…いいんだ。
よじよじと見張り台に上る、行かねーよ怖いし。
夜の通りを真正面からやばい車が連なって来る。
突っ込む気だよバカだね…全面戦争になるだろ。
門の向こうにハムの人とオサゲの人が立ってた。
見張りが居ないのも「仕込み」のうちなのかね。
どう戦うんだろう、本性見てやれって…思った。
ボクは見せたくないけどカッコいい奴らじゃん。
矜持って何だよそんなもん持ったこともねーわ。
見て勉強しろとか…どんだけ自信あるってのさ。
どうせ…どうせねクソ上司やセンセ…みたいな…
スタンドなんて…人の心なんて醜いモンなのに…




「始まるぞ。」




…人間ガチでびっくりすると声出ないっぽい。
声のした横斜め上へ固まりたがる首を動かす。

誰も居なかった見張り台の手すりに人が居た。
暗くて風の強まる中で特撮みたく立っていた。
短距離走者かスケーターみたいなシルエット。
真っ黒のコンバットスーツ…霊?いやまさか。
人の形の鳥がいる…おとぎ話のキレイな魔物。

「見ていろ。」

とてつもない強制力の低音イケボに首が従う。
スッと腕が上がって指された方向を見下ろす。
兄貴さんたちが投げたジャケットが風に舞う。
え…待って武器もバリケードも何も無い…よ…
連なった車の窓に殺気立った敵の顔が見えた。




そこからは速かった、呆れるほどただ速かった。
「マン・イン・ザ・ミラー!」
腕組み仁王立ちのオサゲの人の横に浮かんだ影、
手足の長い、腰のギュッと締まった身軽そうな、
「車の右半分は右の鏡へ、左半分は左の鏡へっ!
 直ちに入ることを許可、ただし乗員は除外っ!」
通りを爆走してきた車三台マンガみたく縦割り!

音も無く一瞬で左右に分かれてどっかに消えた、
慣性の法則に従って乗ってた連中前に吹っ飛ぶ、
受身取れなかった奴ら全員ブッ壊れて道で沈黙、
「車の速度を利用しスタンド使いを選り分けた。
 事前にスタンドが見えた者だけが身を守れた。」
十何人いた中でいま動いてるのはたった三人だ、
ごろごろ転がりなんとか立った足元で何か光る、
「鏡の破片だ。交戦予定範囲に事前に仕込んだ。」
「へ…ああ…、」
か…解説どうも…勉強になりますです魔物さん…
関係ないけどすんげえイケボっすな声優ですか…

「ピサのクっソ弱ぇ鉄砲玉どものスタンドのみ!
 最も近い鏡に!直ちに入ることを許可するっ!
 どヘタレの本体どもが入るのは許可しねえっ!」
オサゲの人が厳命するとひゅひゅんって感じで
フラフラの三人から剥がされたスタンドが消滅。
能力を発揮する暇も無いミもフタも無い超速攻!

転がる仲間を見回してよろめく生傷塗れの三人、
ハムの人が颯爽と近づきながら優雅に声を張る、
「ザ・グレイトフル・デッド!」
全身のでかい目で睥睨する上半身だけの分身っ!
超グロいっ…はずなのに端正ッ…何その迫力っ!
「恥かかせやがって…タダ働きのワビはさせる!
 賭けなくていい命を無駄に賭けた報いもなぁ!」

道路の両側の一番大きい鏡二つが紅く光ってた。
吸い込まれた半分の車が燃えてるんだと解った。
流れてきたのは風で消えそうな悲鳴だけだった。
口開けたままのボクは近づけずそれを見ていた。
矜持ってやつ背負ったこれが戦士の戦いかよと。
解らないのか解ったのかも解らずにただ見てた。











「兄ぃたち、鏡の回収終わりましたぜー。」
「おうご苦労。ちゃんと「分別」したな?」
「車のとスタンドのと、死体のですよね。」
「気が利くよなお前の弟分、今度貸せよ。」
「うっせ、人が預かったモン欲しがるな。」
軽口交わしながら去っていく車を見送る。
兄貴さんたちとペッシくんと、魔物の人。
道路は何事も無かったように清潔なまま。
敵は三通りのオジジになって返送された。
60ぐらいと80ぐらいと百歳ぐらいの。
スタンドひっぺがされたらどーせ廃人よ。
忘れろって一言メモだけ添えてバイバイ。


雨になったけど夜会は何事も無くまだ続いてる。
口車で裏門へ誘導された正門の見張りも戻った。
裏門ではダメ上司の私兵たちがアクビしてそう。
「いい気なもんだぜ、踊ってやがれ。」
「オレらが居なけりゃあどうなるか。」
魔物さんは黙って車の去った方向を見つめてた。
なんだろうね悲しそうな…切なそうな背中だね。


「よおソルベの旦那、言ったとおりだっただろ?」
ソルベさんですかてっきりダンナって名前かと。
そっち顔採用ですか皆さんカッコよすぎですが。
ペッシくんも何気に可愛くてモテそうですよな。
ウチですか違いますよええボクが居ますもんね。
「出番無かったろ、ツレ居ねーし元気出ねえか?」
馴れ馴れしくオサゲさんに肩組まれて向く横顔。
「あいつらの雇い主はスタンド使いじゃあない。
 だから組織立った使いこなしが出来なかった。」
「う…そっ…そりゃあまあ…そうなんだろうが、」
「ソルベてめえ…帰す前に能力を読んだのかよ?」
生ハムさんが気色ばむとその鼻先にスッと片手。
「効果的に組まれていたらお前が殺られていた。
 …小物も一式レンタルだが自費で弁償するか?」
指先にデッキで外した生ハムさんの黒い蝶タイ。
生ハムさんのぐぬぬ顔とオサゲさんのヒき顔が!
「あはは、ソルベの旦那は相変わらず細けえ~。」
ここで普通に笑うペッシくんすげえぇマジ天使!
一触即発感が一瞬で砕け散ったわ最強ですかよ!

「はん…ケチつけてんじゃあねえよお目付けか?」
蝶タイ引ったくる生ハムさんに、違う、と反論。
「なぜ組織に逆らって来たのかを知りたかった。」
明るいトコで見るとすげえ眼の色してますよね。
高い高い空の上から見つめてるっぽい不思議な。
人外みが強烈なんだけどどっか…懐っこそうな。




流れ弾で死んだ大幹部の愛息子はカタギだった。
最愛の愛人と不妊治療続けてやっと出来た子供。
危険なギャング稼業に就かせたくなくて技師に。
たまたまカジノの機材の保守で居て巻き込まれ。
脅迫でビビったボスの制止を聞けなかったって。
悔しくて悲しくて諦めきれなくて私兵を出した。
親父や姐さんや若を慕う子飼いの志願兵だった。

みんな死ぬか廃人になった、大幹部も…たぶん…

「ケチなどつける気は無い。」
低い優しい声がそう続ける。
「お前たちが無事ならいい。」
先に帰る、と、魔物さんは雨の中を歩いてった。






「まーた気ぃ揉ませちまった。なんかおごるか。」
置いてかれたオサゲさんが頭かいて苦笑いした。
「飲まねーからなあ…茶か菓子かな、や果物か?」
ちっ…と、生ハムさんが毒気抜かれた顔向けた。
「…ウチのヒーラーだよ。扱い難いったらねえ。」
「え…あ…はい…いえっ。カッコいい…ですよ。」
なんてこったボクともあろう者が人を誉めてる。
けなしていじけて呪うのがデフォだってのにさ。
「その…み…みなさんカッコいいです。すごく。」
なんだよこれ…ウチのヤツラと全然違うじゃん。
お互い認め合って心配し合って意見もぶつけて…
最前線でタダ働きそのうえ交戦相手に敬意とか?
こんな人たちに乗っかってボクら…いや組織は…
ペッシくんが笑ってられる理由がやっと解った。
魔物さんみたいな見透かす人が居たら隠せない。
醜いのも未熟なのも隠すのやめるわムダだもん。
そりゃあ安心ですよ…信用し合えるでしょうよ!
心置きなく人を好きになれるよ、幸せだってば!

「は、過分なお言葉で、親衛隊のルーキーくん。」
オサゲさんがクイと顎上げて広い肩聳やかした。
イケメンがインフレして美の基準が壊れそーよ。
「だが勘違いすんな、組織なんざ所詮掃き溜め。
 アンタの能力がどんなもんかは知らねーがな。
 ヒヨコのうちはせいぜい大人盾に生き延びな。
 カッコいいの悪ぃのは生き延びてこそ追える。
 ぴよぴよ出ばられちゃあやり難くて適わねー。」
ですよねオジジがよそのコ死なせてこの騒動で…
魔物さんがしんどそうだったのそのせいでしょ…
コドモ巻き込む怖さ知りすぎてる感じですよね…
ウチはボクとかお嬢とか平気で使いますけどね…
威張ってるけどいいこと言うわこのオサゲの人…





「さてと…仕事済んだから帰るか。ああボーヤ、」
ジャケット担ぐと生ハムさんが青い目を向けた。
「ソルベはここには来なかった…それで頼むわ。」
はい?ぶっちゃけ一番印象強烈ですけどそれは。
「見たのはアンタだけだ、嫌なら…手はあるが。」
鳥肌立つ迫力イケメン二人して両側から緘口令。
「えっはいわかりましたソルベ?どどどちら様?」
「すんませんねあのヒト使い勝手良すぎるんで。
 隠しとかねえと持ってかれちゃうんですよお。」
あ…ハイ…そゆことね…うわあすげえ納得した!
「女将呼ぶトコだが旦那はアンタが好きらしい。」
「心細そーなヒヨコがほっとけなかったんだろ。」
マジっすか魔物さん惚れましたぜ抱いてどうぞ!
「じゃあさいなら。また一緒にメシ食いたいな。」
いい奴だなあ…幸せな素敵なヒヨコ仲間だなあ。
「う…うん女将さんによろしく、美味しかった。」
絶対いい人で美人なんだろうね会ってみたいわ。
「ソルベの旦那との合作ですぜ。下ごしらえね。」
「あの神スライス魔物さんの作品!すげえええ!」
「調理ナイフ使ってるときが一番イケてる人で。」
嫁二人なの?ダブルヒロインなの?何その環境!
なんかハズミでいろいろ呪っちゃってテヘペロ。
まあ呪いなんて本当にあるわけないんだけどね!
ミャハっとな☆


なんとも平和な弁当の話題で彼らとお別れした。
魔術師と恐れられる凄腕中の凄腕と後で知った。
夜会は平和のうちに終わりダメ上司はキレてた。
ピサの大幹部さんは翌週黒ワクで新聞に載った。

溜め込んでたマンガとかはみんな売っぱらった。
現実のヒーローの方が全然カッコ良かったもん。

いるトコにはいるんだねギャングスターってさ。









時は流れて。









呪いなんてもん本当にあるわけない。
今は確信してる、異論?認めません。

あの晩ボクははずみであれこれ呪っちゃったけど。
魔物さんや女将さんのことは一度も呪わなかった。
すごく会いたかったしいろいろ教えてほしかった。
誰かに幸せでいてほしいなんて初めて願いました!
願えば本当になるのならどうしてああなったわけ?
だから呪いなんてもんは無いんだよ迷信なんだよ!
神様が仕事しないのと同じだよ実在しないんだよ!



悔しい…

悔しい…

悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しいッ…
こんなに…こんなに誰かを呪うのも…初めてだッ…
あの人たち悪く言うヴァカや魔物さん壊したゲス…
こんなに呪ってもまだピンピンしてるじゃんかよ…
だから呪いなんてもんはこの世に無いんだってば!

ああもう…人生ってさ…うまくいかないもんだね…

バチが当たったんだよ…自分を騙し続けてたから…
おやっさんも女将さんも悪くなんかなかったんだ…
余裕無い家族から後くされ無く「買って」くれた…
ギャングにする気が無いからオフィスで使ってた…
学校も行かせてくれて入団テストも引き伸ばして…
脅されてビビって「矢」を受けたのボクじゃんか…
ドレイだったなんて嘘だよ躾けてくれてたんだよ…
メシマズは事実だけど一生懸命料理してくれてさ…
何もかもボクの妄想なんだよ逃げたかったんだよ…
ボクのノトーリアスが二人とも食べちゃったから…
恨んでた…悪い人たちだったって思おうとしてた…
どうしたらいいか誰かに訊いてみたかったんだよ…
あんまりにも取り返しがつかな過ぎてパニクって…
今更もう遅いけど魔物さんなら訊いてくれるって…
醜いトコも恥ずかしいトコも全部晒していいって…
見透かす優しいあの眼の前なら話せるはずだって…

そう思える人…やっと…やっと…見つけたのにな…

一番信じられなくて汚い奴はボクでしたごめんね…
神様は仕事してたんだなボクにバチを当てたもの…





………………。





あの魔術師さんたちもペッシくんも居なくなった。
降格された上司もその新しい上司も居なくなった。
魔術師さんたちの仇を殺すように命令されて来た。
命令も組織ももうどーでもいいけど頑張りましょ。
最強のスタンド出しゃあいいんですな解ってます。
お仕事ならしますよそれがプロってもんでしょう。

めちゃめちゃ弾は喰らったけど痛いのは最初だけ。
半殺しであれだけ強いんだもん死ねば最強っすわ。
倒せるもんなら倒してみなよボクのノトーリアス。
仇がどーたら知らんが笑いが止まりませんことよ。
汚い醜いコイツをやっとポイできますよ嬉しいな。
バイバイ、パッショーネ、クソみたいな同僚ども。
今までお世話になりました、一応お礼言っとくわ。
礼儀ってのは大事だとおやっさんに習ったもんね。
最悪スタンドと一緒にネガティブ全部捨てていく。

はい大きく息を吸ってェ、断末魔の息で宣言をッ!





ボクはアッチのチームに移籍することにしました!
入れてもらえるまで粘ります諦めません、以上ッ!







(完)








勢いで書きました。
後悔はしていない。


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