2014UCIパラサイクリングロード世界選手権が、8月28日から9月1日までの5日間にわたり、米国南部のサウスカロライナ州グリーンビルにて開催された。


 日本からはタンデムパイロット含む4選手が参加し、各クラスともタイムトライアル(TT)、ロードレース(RR)の2種目にそれぞれ出場。鹿沼由理恵[障害クラス女子B](パイロット;田中まい)のペアは同クラスTTにてトップタイムをたたき出し、2014世界チャンピオンの座についた。また、全選手が入賞を果たし、パラリンピックリオデジャネイロ大会国別出場枠へのポイントを順調に積み上げた。

 大会最終日にこの大会を振り返り、選手、コーチにお話をうかがった。(敬称略)

▼鹿沼由理恵[女子B]TT1位/RR4位
 クロカンスキーから転向し、自転車を本格的に始めて2年。クロカンは、自由なフォームでとりあえず速いほうが勝ちだったけれど、タンデムは一人だけ力があってもだめで、ただ強いだけでもだめ。海外選手はそこを深く考えていると思う。自分の意識を変えつつ競技に取り組んでいる。
 TTもRRも、今年の大会の中では今回がいちばんよかった。4月のメキシコ・アグアスカリエンテスでのパラサイクリングトラック世界選手権のときは、いきおいで個人追抜[女子B]で3位に入って、それでやる気を出した。スペイン・セゴビアでのパラサイクリングロードワールドカップのTT[女子B]では、1位の英国ペアと13秒差の2位。周りが「勝てる」と言ってくれてそれに半分は助けられた。
 最後まで力を出し切れてないんじゃないかと練習を重ね、表彰台はいけるんじゃないか、あとは自分をどれだけ出し切れるかだと思った。
 今大会のTTでは、メカニックの鬼原さんが後ろで「トップだよ!」と言うのを聞いて、まさかと疑いつつ、励まされ走った。
 メキシコで3位になったとき、コーチとして来ていた伊藤(保文)さんに、筋力が足りないとアドバイスされた。それまでは、タンデムのストーカー(後ろに乗る選手)は体重が軽いほうが有利だと思い