競馬王マガジンWebマガジン 2013/12/19号
本日のメニュー ※掲載順に表示
[0] 競馬王1月号からお得なサービスをご紹介
[1] 今井雅宏が有馬記念“激走”ステップチャートの正しい使い方を伝授!
[2] 競馬王1月号まるごと配信 ローテ理論のパイオニア・今井雅宏の有馬記念“激走”ステップチャート
[3] 競馬王1月号まるごと配信 コースの鬼・城崎哲が有馬の馬場を斬る!中山芝2500m大解剖
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[1] 有馬記念“激走”ステップチャートの正しい使い方を朝日杯FSで検証
明日の競馬王Webマガジンで、いよいよ公開されるローテ理論のパイオニア・今井雅宏の有馬記念直前見解。前日の今日は、12/7に発売された競馬王1月号に掲載された『有馬記念“激走”ステップチャート』の正しい使い方を、今井雅宏さんに聞いてきました。今回は特別に無料で公開いたします!
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12月16日、有馬記念週の月曜日。有馬記念特別企画として、今井雅宏さんに直前見解をお聞きしてきました!
11月に発売された競馬王新書『ポケット版 大穴血統辞典2014-2015』では、「ステップ爆弾編」として古馬中長距離路線の激走ステップを“レースの適性”に重点を置き、チャートで視覚的に表現してもらいました。さらに競馬王1月号では、“ステップと直前の疲労”を重視して有馬記念のステップチャート特別版を作っていただきました。今回はこのステップチャートも使いながら、今年の注目馬を探っていきます。
★朝日杯から見る「激走ステップチャート」の正しい使い方
編集部(以下、編) 有馬記念の前に、今井さんは阪神JFと朝日杯FSでガッツリ稼いだとか。2歳GIはMの得意レースでしたもんね。朝日杯はどんな予想をしていたんですか?
今井(以下、今) アジアエクスプレスを本命、対抗はウインフルブルームだったよ。
編 おお~、馬単は79.9倍ついてたじゃないですか!
今 と思ったら、2着にショウナンアチーヴに来られちゃってさ。ワイド18.9倍になっちゃったけど、単複勝負中心だったからね。
編 なぜ、この2頭だったんですか? 人気のアトムは危なかったということ?
今 今年の朝日杯はどの馬も危ない部分があって、一頭一頭チェックしたら、全部切れちゃった。だいたい競馬なんて、そういうもんだけどね。で、仕方ないから考え直して、減点材料の少ないアジアエクスプレス本命にしたんだ。そんなのだから、アトムも一応4番手には挙げてたよ。
編 でも、2.8倍の断然人気ですよ。普通の人なら、▲くらい打っちゃいそうですが?
今 アトムは前走のデイリー杯を差して2着していたけど、このときは12頭立ての少頭数で7番手だから、追い込みに近い差しだった。Mの基本として、差して連対するのはストレスがたまる。それに加えてデータ的にも問題があった。デイリー杯を連対した朝日杯出走馬は、過去に16頭いて、3着以内が6頭、うち2着以内が4頭だ(データは全て90年以降)。
編 うん? 4回に1回来るなら、前走ステップとしては優秀では!?
今 しかも当日アトムみたいに1番人気になったのは4頭いて、連を外したのは1頭だけだ。それも3着だから、過去には一度も、デイリー杯を連対して1番人気に支持された馬が馬券圏外になったことはなかったんだよ。
編 まさにアトムは3連複として、データ的には鉄板の軸馬ではないですかっ!
今 確かに普通のステップ分析なら、手堅いと思われるかもね。でも、ステップチャート的な見方からすれば、違ってくるんだよ。
編 『ポケット版 大穴血統辞典2014-2015』で作ってもらったステップチャート的な分析ですね?
今 ステップチャートみたいなM的なデータ分析は、流れとか動的なものを非常に重視するんだ。たとえば、今回のデイリー杯組なら、デイリー杯を3角5番手以降で差して連対して、朝日杯に出走した馬は過去に6頭いるんだけど、3着が1頭いるだけなんだよ。しかもその3着馬は、さっき言った1番人気になって、唯一連を外した1頭なんだ。
編 たしかに、『ポケット版 大穴血統辞典2014-2015』の書き下ろしでも、再三、前走の位置取りが重要だと書かれていて、その前走の位置取りを使ったデータ分析が、今回巻末付録になったステップチャートなんですよね。
今 そう、今回どんな位置を取るか以前に、前走の位置取りが大切なんだ。デイリー杯で3角5番手以降ということは、京都マイルの緩く単調な流れを追い込んだわけだから、馬が刺激を受けていない。そういう状態で、中山マイルのテンから厳しいラップに入る流れでは、仮に今回が前回と同じ差し有利な競馬になったとしても、精神的なストレスを感じてしまうんだ。しかも、そこで連対したストレスもある。強引に走るタイプならまだしも、今回のディープインパクトは、タイプが逆だからね。
編 ディープインパクトは辞典の解説で「高速上がり指数が抜群に高く(編註.50が平均のところ、ディープは63)、速い上がりの差し競馬向き」とありますね。
今 デイリー杯で差して連対していた馬は本番で1頭も連対してない上に、ディープ産駒にとって中山マイルに替わるのはマイナスだから、余計に辛いステップということだ。
編 血統に加えて前走の位置取りもふまえると、前走でどこを使ったかだけでは見えてこない、危険な要素が浮かび上がってくるんですね。
今 逆に、デイリー杯を3角4番手以内で連対した馬を見ると、10頭中4頭が2着、1頭が3着している。
編 本番では半分が馬券圏内、連対は4割もあったわけですね。
今 これでわかるように、京都マイルの単調な流れでも、先行して好走していれば刺激を受けるので、中山マイルの厳しい流れにも自然に入っていけるということになる。ちなみに、デイリー杯を逃げて連対した馬は4頭いるんだけど、朝日杯では3頭が連対して残りの1頭も6番人気4着と、人気より着順が上回った。
編 ほぼ完璧ですね。
今 それに対して、3角5番手以降で連対した6頭は、すべて本番では、人気より着順が下回ったんだよ。
編 前走連対しているから、単純にプラスとかマイナスとかじゃないんですね~。
今 前走の位置取りと着順が、精神状態を決定するんだ。それでもアトムを4番手にしたのは、さっきも言ったように他の馬も危なかったからだけど(笑)。みんな危ないステップだと、能力の違いで決まったりもするからね~。
編 全馬、切れてしまったんですもんねぇ。
今 危ない中で、どの馬が一番走りやすいかってことになる。
★アジアエクスプレスを本命にした理由
編 では、本命にしたアジアエクスプレスはどんなアプローチだったんですか?
今 前走ダートから本番で3着以内だった馬は3頭いて、そのうちの1頭は8番人気2着(96年オープニングテーマ)。M的にも「ダートから芝」はショック療法になるし、砂が飛び散る厳しいところからの芝替わりは、少なくとも精神的に不利なステップではない。ただ、前走が中央場所のダート1600m以上に限ると8頭いるんだけど、本番では1頭も連対していないんだ。
編 前走ダートだから人気薄が多いとか?
今 でも、最先着したマチカネキンノホシは3番人気4着と人気を裏切っているからね。それと1ケタ人気がもう1頭いて、グラスエイコウオーだけど、これは7番人気で12着。
編 どちらも前走が東京ダ1600mで、マチカネキンノホシは500万の平場で4着、グラスエイコウオーは500万特別勝ちからの芝だったんですね。
今 さっきも言ったように、砂の飛び散るダートから芝に替わるのは、楽に感じるから、ショックとしての質は良いけど、東京のマイルからのステップは良くない。なぜなら、東京マイルのダート戦は芝に限りなくレース構造が近いから。スタートは芝だし砂質は軽いし、ダートとしてはレースが緩く単調で上がり勝負になる。芝との共通項が多いから、ショックとしての質が悪いんだ。しかも、この時期のダート戦、とくに500万は芝で使えない馬が使ってくるようなレベルが高いとはいえないところだし、その状況で単調な流れになりやすいマイル戦だとショックの意味が薄い。アジアエクスプレスは前走と同じマイルという部分で、刺激としては少し浅い。
編 圧倒的に悪いわけではないけど、単純なステップとしてのプラス要素はないんですね。ダートからの場合、距離は短縮と延長のどちらがいいですか?
今 厳しい流れを経験しているダ1400mからの延長は良い。それから、地方競馬も、小回りで忙しい競馬を経験しているからプラスだ。
編 では、プラスとはいえない東京マイルのダート戦を勝った、アジアエクスプレスを本命にした理由は?
今 簡単に言うと、2走前に1400mを中団で競馬した経験が生きたってことなんだ。
編 なるほどアジアエクスプレスの見方はちょっと難しそうですけど、アトムの方は単純にステップチャートだけ見れば誰でもわかるパターンですね。前走の位置取りと着順から、状態を読み取れるわけですか。
★血統+ステップで明らかになったプレイアンドリアルの危うさ
編 ところで、朝日杯の2番人気はプレイアンドリアルでしたが、これはデータ的にも良いのでは?
今 東スポ杯組は短縮で絶対有利だから、3番手には評価したけど、この馬について先週電話で話したの覚えてる?
編 はい、デュランダルは硬くなりやすいからそれが気になると聞きました。それと『ポケット版 大穴血統辞典2014-2015』を見ると、デュランダルの芝1600mは短縮よりも延長のほうが良いというデータもありました。それで私は予想で評価を下げてみましたよぉ。
今 前走の東スポ杯で激走しちゃっていたし、間隔もちょっと詰まってたから、硬くなって、反動が出るのが怖い。辞典の解説にも書いたけど、デュランダルは「衝撃に弱い」から。
編 はい。「古馬になると展開待ちが多くなるのと、硬くなりやすくて、疲れ、衝撃に弱いため、安定感はなくなる」と、辞典にあります。
今 プレイアンドリアルは2歳だけど、2走前が地方だった。この「地方から中央」というのは、「海外から日本」と近いくらいのショックになる。だから、ショックが成功して激走すれば、反動の可能性はかなり高くなるんだ。今回の場合、東スポ杯の反動が出る確率は五分五分ぐらいかな。2回に1回は反動が出る馬が2番人気では、本命や対抗にはちょっとしたくないよね。
編 ステップチャートの使い方がわかった気がします。では、そのステップチャートも使いながら、有馬記念について教えていただけますか。(つづく)
明日は血統とステップチャートを使って、具体的に有馬記念の注目馬や好走条件を紹介します。どうぞお楽しみに!!
[2] 競馬王1月号まるごと配信 ローテ理論のパイオニア・今井雅宏の有馬記念“激走”ステップチャート
12/7に発売された競馬王1月号から『ローテ理論のパイオニア・今井雅宏の有馬記念“激走”ステップチャート』をそのまま配信いたします。明日公開される直前見解に向けて、まずは予習ですね!
※スマホでご覧の方は、各画像をタップすると拡大してご覧いただけます。
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[0] 競馬王1月号からお得なサービスをご紹介
[1] 今井雅宏が有馬記念“激走”ステップチャートの正しい使い方を伝授!
[2] 競馬王1月号まるごと配信 ローテ理論のパイオニア・今井雅宏の有馬記念“激走”ステップチャート
[3] 競馬王1月号まるごと配信 コースの鬼・城崎哲が有馬の馬場を斬る!中山芝2500m大解剖
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[1] 有馬記念“激走”ステップチャートの正しい使い方を朝日杯FSで検証
明日の競馬王Webマガジンで、いよいよ公開されるローテ理論のパイオニア・今井雅宏の有馬記念直前見解。前日の今日は、12/7に発売された競馬王1月号に掲載された『有馬記念“激走”ステップチャート』の正しい使い方を、今井雅宏さんに聞いてきました。今回は特別に無料で公開いたします!
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12月16日、有馬記念週の月曜日。有馬記念特別企画として、今井雅宏さんに直前見解をお聞きしてきました!
11月に発売された競馬王新書『ポケット版 大穴血統辞典2014-2015』では、「ステップ爆弾編」として古馬中長距離路線の激走ステップを“レースの適性”に重点を置き、チャートで視覚的に表現してもらいました。さらに競馬王1月号では、“ステップと直前の疲労”を重視して有馬記念のステップチャート特別版を作っていただきました。今回はこのステップチャートも使いながら、今年の注目馬を探っていきます。
★朝日杯から見る「激走ステップチャート」の正しい使い方
編集部(以下、編) 有馬記念の前に、今井さんは阪神JFと朝日杯FSでガッツリ稼いだとか。2歳GIはMの得意レースでしたもんね。朝日杯はどんな予想をしていたんですか?
今井(以下、今) アジアエクスプレスを本命、対抗はウインフルブルームだったよ。
編 おお~、馬単は79.9倍ついてたじゃないですか!
今 と思ったら、2着にショウナンアチーヴに来られちゃってさ。ワイド18.9倍になっちゃったけど、単複勝負中心だったからね。
編 なぜ、この2頭だったんですか? 人気のアトムは危なかったということ?
今 今年の朝日杯はどの馬も危ない部分があって、一頭一頭チェックしたら、全部切れちゃった。だいたい競馬なんて、そういうもんだけどね。で、仕方ないから考え直して、減点材料の少ないアジアエクスプレス本命にしたんだ。そんなのだから、アトムも一応4番手には挙げてたよ。
編 でも、2.8倍の断然人気ですよ。普通の人なら、▲くらい打っちゃいそうですが?
今 アトムは前走のデイリー杯を差して2着していたけど、このときは12頭立ての少頭数で7番手だから、追い込みに近い差しだった。Mの基本として、差して連対するのはストレスがたまる。それに加えてデータ的にも問題があった。デイリー杯を連対した朝日杯出走馬は、過去に16頭いて、3着以内が6頭、うち2着以内が4頭だ(データは全て90年以降)。
編 うん? 4回に1回来るなら、前走ステップとしては優秀では!?
今 しかも当日アトムみたいに1番人気になったのは4頭いて、連を外したのは1頭だけだ。それも3着だから、過去には一度も、デイリー杯を連対して1番人気に支持された馬が馬券圏外になったことはなかったんだよ。
編 まさにアトムは3連複として、データ的には鉄板の軸馬ではないですかっ!
今 確かに普通のステップ分析なら、手堅いと思われるかもね。でも、ステップチャート的な見方からすれば、違ってくるんだよ。
編 『ポケット版 大穴血統辞典2014-2015』で作ってもらったステップチャート的な分析ですね?
今 ステップチャートみたいなM的なデータ分析は、流れとか動的なものを非常に重視するんだ。たとえば、今回のデイリー杯組なら、デイリー杯を3角5番手以降で差して連対して、朝日杯に出走した馬は過去に6頭いるんだけど、3着が1頭いるだけなんだよ。しかもその3着馬は、さっき言った1番人気になって、唯一連を外した1頭なんだ。
編 たしかに、『ポケット版 大穴血統辞典2014-2015』の書き下ろしでも、再三、前走の位置取りが重要だと書かれていて、その前走の位置取りを使ったデータ分析が、今回巻末付録になったステップチャートなんですよね。
今 そう、今回どんな位置を取るか以前に、前走の位置取りが大切なんだ。デイリー杯で3角5番手以降ということは、京都マイルの緩く単調な流れを追い込んだわけだから、馬が刺激を受けていない。そういう状態で、中山マイルのテンから厳しいラップに入る流れでは、仮に今回が前回と同じ差し有利な競馬になったとしても、精神的なストレスを感じてしまうんだ。しかも、そこで連対したストレスもある。強引に走るタイプならまだしも、今回のディープインパクトは、タイプが逆だからね。
編 ディープインパクトは辞典の解説で「高速上がり指数が抜群に高く(編註.50が平均のところ、ディープは63)、速い上がりの差し競馬向き」とありますね。
今 デイリー杯で差して連対していた馬は本番で1頭も連対してない上に、ディープ産駒にとって中山マイルに替わるのはマイナスだから、余計に辛いステップということだ。
編 血統に加えて前走の位置取りもふまえると、前走でどこを使ったかだけでは見えてこない、危険な要素が浮かび上がってくるんですね。
今 逆に、デイリー杯を3角4番手以内で連対した馬を見ると、10頭中4頭が2着、1頭が3着している。
編 本番では半分が馬券圏内、連対は4割もあったわけですね。
今 これでわかるように、京都マイルの単調な流れでも、先行して好走していれば刺激を受けるので、中山マイルの厳しい流れにも自然に入っていけるということになる。ちなみに、デイリー杯を逃げて連対した馬は4頭いるんだけど、朝日杯では3頭が連対して残りの1頭も6番人気4着と、人気より着順が上回った。
編 ほぼ完璧ですね。
今 それに対して、3角5番手以降で連対した6頭は、すべて本番では、人気より着順が下回ったんだよ。
編 前走連対しているから、単純にプラスとかマイナスとかじゃないんですね~。
今 前走の位置取りと着順が、精神状態を決定するんだ。それでもアトムを4番手にしたのは、さっきも言ったように他の馬も危なかったからだけど(笑)。みんな危ないステップだと、能力の違いで決まったりもするからね~。
編 全馬、切れてしまったんですもんねぇ。
今 危ない中で、どの馬が一番走りやすいかってことになる。
★アジアエクスプレスを本命にした理由
編 では、本命にしたアジアエクスプレスはどんなアプローチだったんですか?
今 前走ダートから本番で3着以内だった馬は3頭いて、そのうちの1頭は8番人気2着(96年オープニングテーマ)。M的にも「ダートから芝」はショック療法になるし、砂が飛び散る厳しいところからの芝替わりは、少なくとも精神的に不利なステップではない。ただ、前走が中央場所のダート1600m以上に限ると8頭いるんだけど、本番では1頭も連対していないんだ。
編 前走ダートだから人気薄が多いとか?
今 でも、最先着したマチカネキンノホシは3番人気4着と人気を裏切っているからね。それと1ケタ人気がもう1頭いて、グラスエイコウオーだけど、これは7番人気で12着。
編 どちらも前走が東京ダ1600mで、マチカネキンノホシは500万の平場で4着、グラスエイコウオーは500万特別勝ちからの芝だったんですね。
今 さっきも言ったように、砂の飛び散るダートから芝に替わるのは、楽に感じるから、ショックとしての質は良いけど、東京のマイルからのステップは良くない。なぜなら、東京マイルのダート戦は芝に限りなくレース構造が近いから。スタートは芝だし砂質は軽いし、ダートとしてはレースが緩く単調で上がり勝負になる。芝との共通項が多いから、ショックとしての質が悪いんだ。しかも、この時期のダート戦、とくに500万は芝で使えない馬が使ってくるようなレベルが高いとはいえないところだし、その状況で単調な流れになりやすいマイル戦だとショックの意味が薄い。アジアエクスプレスは前走と同じマイルという部分で、刺激としては少し浅い。
編 圧倒的に悪いわけではないけど、単純なステップとしてのプラス要素はないんですね。ダートからの場合、距離は短縮と延長のどちらがいいですか?
今 厳しい流れを経験しているダ1400mからの延長は良い。それから、地方競馬も、小回りで忙しい競馬を経験しているからプラスだ。
編 では、プラスとはいえない東京マイルのダート戦を勝った、アジアエクスプレスを本命にした理由は?
今 簡単に言うと、2走前に1400mを中団で競馬した経験が生きたってことなんだ。
編 なるほどアジアエクスプレスの見方はちょっと難しそうですけど、アトムの方は単純にステップチャートだけ見れば誰でもわかるパターンですね。前走の位置取りと着順から、状態を読み取れるわけですか。
★血統+ステップで明らかになったプレイアンドリアルの危うさ
編 ところで、朝日杯の2番人気はプレイアンドリアルでしたが、これはデータ的にも良いのでは?
今 東スポ杯組は短縮で絶対有利だから、3番手には評価したけど、この馬について先週電話で話したの覚えてる?
編 はい、デュランダルは硬くなりやすいからそれが気になると聞きました。それと『ポケット版 大穴血統辞典2014-2015』を見ると、デュランダルの芝1600mは短縮よりも延長のほうが良いというデータもありました。それで私は予想で評価を下げてみましたよぉ。
今 前走の東スポ杯で激走しちゃっていたし、間隔もちょっと詰まってたから、硬くなって、反動が出るのが怖い。辞典の解説にも書いたけど、デュランダルは「衝撃に弱い」から。
編 はい。「古馬になると展開待ちが多くなるのと、硬くなりやすくて、疲れ、衝撃に弱いため、安定感はなくなる」と、辞典にあります。
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