小渕:先週は「クラス編成後しばらくは前半が堅くて後半が波乱含み」というセオリー通りの結果でしたが、3つめの函館の11Rを大波乱とみて手広く押さえたことで、中京11R、福島11Rまでは穴馬まで手が回らず、残念な結果に終わってしまいました。終わってみれば函館11Rのブランボヌールは力が違っていましたが、2歳戦は馬もまだ子供で経験不足なため、予期せぬことが多くて力があっても信頼しきれないですからね。ここを手広く買いたくなるのは仕方がなかったと思います。ただ、反省するなら中京10Rと福島10Rをもっと絞れたのではないかということ。そうすれば中京11Rと福島11Rにもう少し資金を回せましたよね。
秘書(や)中京11Rと福島11Rが波乱の決着となったのは何故なんでしょう?教えていただけますか??
小渕:中京は馬場が他場とは異質で、どうも馬場との相性がいい馬でないと活躍できない傾向が強いんですよね。なので中京実績を重視するのがセオリーなのですが、初めて中京で走る馬は適性がわからないし、中京はローカル開催なので開催が少なく、下級条件の番組ばかりで、経験してはいても力の違いで対応しただけという馬も少なくないんです。つまり、まだ中京との相性がわからない馬だらけの中での一戦。どうなってもおかしくないですよね。勝ったスマートオリオンは中京に良績こそありませんでしたが、北海道や中山の時計が掛かるレースに強いタイプ。マイルに対応したのは驚きですが、馬場との相性の良さがもたらした勝利と言えるでしょう。福島11Rはあまりに手薄なメンバーだったので、1着には何か武器がある馬が来る可能性が高いとみていましたが、ジリ脚で勝ち味に遅いサクラアルディートが勝ってしまうとは…。ひと言で言ってしまえば鞍上北村宏Jの絶妙な立ち回りに尽きますが、こういった低調なメンバーのレースだと展開に紛れが生じるケースが多いので、気をつけなければいけなかったと反省しています。
秘書(や):さて今週からは新潟と小倉、そして札幌と、全場場所が替わっての開催となります。どんなところに注意が必要でしょうか?オススメの1頭なども挙げて頂けると嬉しいのですが…。
小渕:昨今はJRAも馬場の改良を積極的に行なっているため、単純に例年の傾向を踏まえるのはナンセンス。土曜の競馬を参考にして考え直さなければならないでしょうが、一応、昨年までの傾向を話せば、新潟、小倉は高速馬場で上がりの速い競馬が多く、札幌も昨年は2年ぶりの開催で馬場は桁違いに良かったですね。基本的には内を回れる馬が有利になってくる開催だと思われます。あと、注意したいのが、新潟と小倉はダートも極端に時計が速いこと。先行力がないとハナシにならず、斤量の軽い馬がかなり有利な競馬場だということをアタマに入れておいてください。今週のメインはアイビスSDとクイーンSですが、どちらも力差がわりとハッキリしたレースで案外波乱にならないレース。アイビスSDはベルカント、クイーンSはレッドリヴェールでだいたい大丈夫だと思いますよ。
週末のWIN5予想は『競馬道OnLine 小渕高慶の「本日の3番勝負+WIN5』で!
小渕高慶(おぶち たかよし)プロフィール
業界を牽引する専門紙・競馬ブック紙上にて年間回収率1位の座にも輝いた経験もある元トラックマン。現在もトレセンに身を置き調教師や騎手、馬主などと深い交流を持つレーシングアドバイザーとして活動。
一方でトラックバイアスや関係者の事情を考慮した独自の予想を展開する現役の予想家でもある。あわや3週連続WIN5的中(14R連続的中まで)や3連単100万オーバーなどの派手な当たりは机上の予想ではなかなか辿り着けない芸当。能力分析と現場の事情が融合した他では聞けない深みのある予想は必見である。
コメント
コメントを書く