なぜスタミナ型、パワーのある馬に警戒が必要なのか？

秘書（や）先週のＷＩＮ５は２-３-３-６-２番人気で決着して254万7460円の払戻金。小渕さんは阪神10Ｒのニシケンモノノフ、中山10Ｒのレッドグランザを外してＷＩＮ３でした。振り返っていただけますか？

小渕：先週は雨で馬場が湿っていたため、芝のレースは少し手広く構え、逆に時計勝負になるダートは波乱がないと考えて、買い目を構成しました。どうも最近は、堅く人気馬で決まるだろうと考えて買い目を絞ったところが、うまくいきませんね…。阪神10ＲのポラリスＳは、力上位とみたエアウルフとブライトライン、それにハナを叩くであろうポアゾンブラックの粘り込みを警戒すれば大丈夫かと思いましたが、高齢馬が集まるオープン特別は新興勢力の４歳馬を狙え…という格言通り、唯一の４歳馬ニシケンモノノフにやられてしまいました。中山10Ｒの上総Ｓも、力上位とみたリッカルドやブラインドサイドが上位争いを演じてはいますが、前走からブリンカーを着けたレッドグランザの変わり身がそれを上回ってしまいましたね。


秘書（や）中山の弥生賞の結果はどう見ますか？今後のためにも見解をお聞きしておきたいのですが。

小渕：弥生賞はシャイニングレイのイレ込みがレースに大きく影響してしまった印象です。１角でポジションを取るために仕掛けたことで折り合いを欠き、これにつられてトライアルとしては珍しく先行馬には厳しいラップとなりました。２着ブライトエンブレム、３着タガノエスプレッソは展開に恵まれた観がありますね。勝ったサトノクラウンは初の中山がどうかと、ゲートの課題を心配しましたが、スンナリ対応して着差以上に強い勝ちっぷり。インパクトとしてはまだまだですが、底が知れない分、今後も更に高いパフォーマンスを見せてくれる可能性がありそうです。


秘書（や）：今週は中山と阪神が引き続きＡコース。そして中京開催が開幕します。どんなところに注意が必要でしょうか？オススメの１頭なども挙げて頂けると嬉しいのですが…。

小渕：今週は良馬場で行われそうな雰囲気ですが、今の中山と阪神は馬場が重く、上がりがかなり遅くなるので、スタミナ型、もしくはパワーのある馬には警戒したいですね。中京は前開催と違ってＡコースに戻るので、グリーンベルト状態。内枠と先行馬が有利になるでしょう。今週の中山牝馬Ｓは荒れるハンデ戦で有名なレースなので手広く構えたいところですが、ポイントは近走不振で人気を落としている実績馬。復調したと陣営が語るバウンスシャッセがおもしろい存在です。

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小渕高慶（おぶち　たかよし）プロフィール

業界を牽引する専門紙・競馬ブック紙上にて年間回収率1位の座にも輝いた経験もある元トラックマン。現在もトレセンに身を置き調教師や騎手、馬主などと深い交流を持つレーシングアドバイザーとして活動。
一方でトラックバイアスや関係者の事情を考慮した独自の予想を展開する現役の予想家でもある。あわや3週連続WIN5的中(14R連続的中まで)や3連単100万オーバーなどの派手な当たりは机上の予想ではなかなか辿り着けない芸当。能力分析と現場の事情が融合した他では聞けない深みのある予想は必見である。