キレよりもタフな末脚が要求される週末に

秘書（や）先週のＷＩＮ５は４-４-９-２-１番人気で決着して1536万370円の払戻金。小渕さんは中山10Ｒのペイシャフェリス、中山11Ｒのミナレット、中京11Ｒのホッコータルマエが外れてＷＩＮ２でした。振り返っていただけますか？

小渕：先週は牝馬同士で手薄なメンバーのハンデ戦、中山11ＲのターコイズＳが肝になるだろうとは思っていましたが、やはりまんまとミナレットが逃げ切って大波乱の決着。ここさえ手広く流して拾えていれば、1500万が取れそうな週でしたね。ただ、中山10Ｒと中京11Ｒはある程度買い目を絞ったためハズレ。どうもなかなかうまくいきません。土曜の中山芝は時計が掛かっていて外から差し届くレースが多かったのですが、日曜は馬場が乾いたことや、ジョッキーの心理的な妙もあって、中山は10Ｒも11Ｒも逃げ切り。このあたりが馬場傾向を読む上で難しいところです。


秘書（や）中京の11Ｒチャンピオンズカップはどう見ますか？

小渕：過去の傾向から、近走好走馬が活躍するレースとみて、休み明けのローマンレジェンドと、久々の前走でらしさのなかったホッコータルマエを軽視してしまいましたが、終わってみれば地力の違いを見せられた感じでした。ダートの中長距離路線の馬は稽古の感じから調子を掴むのが難しく、調整しにくいところがあるので、近走で結果を残している好調馬が強い……という理屈は間違っていないとは思うのですが、陣営の努力が実り、不利な状況のなかでもキッチリ仕上がって出てきたことに尽きると思います。期待したクリノスターオーはペースを落としすぎて持ち味を生かせなかった印象。もっとタフな流れに持ち込んで欲しかったですね。


秘書（や）：今週は引き続き中山と阪神、ローカル開催は中京です。どんなところに注意が必要でしょうか？オススメの１頭なども挙げて頂けると嬉しいのですが……。

小渕：芝コースはどこも仮柵の移動がなく、傾向は先週とそう変わらないでしょう。中山、阪神、中京ともに、やや時計の掛かる力の要る馬場。スピードやキレよりタフな末脚が必要となってくる舞台です。阪神のメインレースは２歳牝馬のチャンピオンを決める阪神ＪＦ。ここは高い将来性と、長い距離でも走れるタフさが試されるレース。初戦の内容が圧巻だったロカの素質が一枚抜けている気がしますね。あまりフロックの無いコースだけに素質の高い数頭の勝負だと思います。


週末のWIN5予想は『競馬道OnLine 小渕高慶の「本日の3番勝負＋WIN5」』で！　

小渕高慶（おぶち　たかよし）プロフィール

業界を牽引する専門紙・競馬ブック紙上にて年間回収率1位の座にも輝いた経験もある元トラックマン。現在もトレセンに身を置き調教師や騎手、馬主などと深い交流を持つレーシングアドバイザーとして活動。
一方でトラックバイアスや関係者の事情を考慮した独自の予想を展開する現役の予想家でもある。あわや3週連続WIN5的中(14R連続的中まで)や3連単100万オーバーなどの派手な当たりは机上の予想ではなかなか辿り着けない芸当。能力分析と現場の事情が融合した他では聞けない深みのある予想は必見である。