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【阿部幸太郎のレース回顧】
一変した東京競馬場で劇的に変化したエプソムC有利不利!!
1週前に行われた泥んこ馬場の安田記念。あれから1週間。ぐずついた天気が続いたものの3日前の金曜日から好天に恵まれて、エプソムC当日は初夏の太陽がサンサン。ダートは砂埃が立ち、時間を追うごとに劇的に馬場は変貌しました。
東京芝1800mのエプソムC。スタートして2コーナーにさしかかる為に、インサイド寄り内枠は断然有利。しかも、2週前のダービーと同じ高速馬場。内枠の先行馬には最高の舞台でした。
何故に参戦したのか意味不明のパドトロワ。今週行われる函館の函館スプリントSと間違えた、そんな冗談さえもささやかれる16番人気。
いずれにしても、行くだけしかないパドトロワが逃げることは間違いなし。ラビット的存在で、2番手の馬がこのレースの主導権という見方をしていました。
たぶん、それがマイネルラクリマだろう、という読みも当たっていました。できれば、少し渋っていたほうが走りやすいのではないか、とも考えたのですが、5番枠で間違いなく有力候補。
1番人気に推されたのがマジェスティハーツ。前走の新潟大賞典では好位置から直線早めに先頭に立つと、やや気を抜くような走りでフラフラしたところを、ユールシンキングに差し込まれ2着。今回はテン乗りの横山典騎手が、どう操るのか注目されましたが、出負けして離れた最後方。
先頭はパドトロワで少し離れた2番手をマイネルラクリマ。3番手に外からタマモベストプレイ。その直後のインに2番人気のディサイファ。外にタムロスカイで、トーセンジャガー、シルクアーネストが、並走する形で前を追います。そして、59Kのダークシャドウがディサイファの真後ろ。早めの仕掛けです。後方にペルーサ、その内にダノンヨーヨー、そしてゴールデンナンバー、ガルドブレッサ。最後方はポツンとマジェスティハーツ。
3コーナーでパドトロワのピッタリと直後に迫ってきたマイネルラクリマ、タマモベストプレイ。半マイル48秒1、60秒2、1200m通過が1分12秒0。考えていた通り流れはスロー。
4角をまわって長い直線の府中の馬場。引っ張り切れない勢いで、前を行くパドトロワを射程圏に入れているマイネルラクリマが追い出しを我慢。内にはタムロスカイ。
その直後外から接近するタマモベストプレイ。中団のインを追走して馬込みの中に突入するディサイファ。最後方のマジェスティハーツは開いたインのラチ沿いを、縫うようにして前に接近。
馬場中央では満を持して先頭に立ったマイネルラクリマ。それに並びかけんとタマモベストプレイ。その内からディサイファが猛追。さらにその内からダノンヨーヨー。
勢いはマイネルラクリマに内から並びかけたディサイファが歴然。盛り返すマイネルラクリマも必至の応戦。結局、この争いはディサイファに凱歌。2着にマイエルラクリマ。この2頭の直後に迫ってきたのがダークシャドウ。さすがに59Kと厳しい展開で、前の2頭に並ぶところまではいきませんでしたが、この3着は戸崎騎手の苦心の騎乗。絶妙のプレーでした。
4着にタマモベストプレイで、ダノンヨーヨーが5着。マジェスティハーツは前半の位置取り差が出た印象。ラストは最速の33秒6。
注目したゴールデンナンバーは後方から4角では大外へ。この馬の持ち味を生かそうと考え抜いた騎乗だったのだと思いますが、内と外のコース取りの差は大きく案の定の敗退。大野騎手にはアグレッシブさが欲しい騎乗でした。
優勝したディサイファは念願の初重賞制覇。騎乗した四位騎手は、今年の初重賞制覇。どちらもめでたいエプソムカップの優勝でした。
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【阿部幸太郎プロフィール】
阿部幸太郎(あべこうたろう)
競馬評論家。名物コラム「アベコーの穴党専科」で一躍人気を集めた「ホースニュース 馬」記者で、この時期、UHFテレビ「中央競馬ワイド中継」の「アベコーの穴党専科」でも人気を博した。その後、「夕刊フジ」に移籍。予想コラム「アベコーのハッピー競馬」を担当した。フリーとなってからは内外タイムスでも予想とコラム「アベコーのハッピー競馬」を連載した。新潟競馬BSN土曜テレビ中継「ワンダフル競馬」に出演。電子書籍も執筆している。
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