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対天守閣美濃/▲屋敷流の構え

2016/05/15 21:59 投稿

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  • 四間飛車
  • 将棋
  • 藤井システム
  • 対天守閣美濃
四間飛車の対天守閣美濃といえば、ご存じ藤井システム。
△7一玉+3二銀型で待機し、△8四歩を早めに突く(第1図)のが特徴の一つ。
       第1図


図から(1)▲6六銀には△6五歩▲7七銀引△4五歩▲7九角△4三銀(第2図)が必勝の構え。
     一例として▲3五歩△同歩▲同角なら△8五歩▲同歩△同桂が厳しい攻め。
     香を守るには<1>▲8八銀しかないが△8六歩(同玉は銀がタダ)▲9八玉△9五歩で
     居飛車を持ちたい人はいないでしょう。
     <2>▲8六歩と我慢すれば、直ぐには決まらないが駒得で不満なし。
   (2)▲3八飛には△6三金 or △4五歩で振り飛車も十分に指せる。 
       第2図


実際、この構えはプロ棋界で天守閣美濃をほぼ絶滅させた。

本項で考察したいのは、四間飛車が先手の場合にどうするかという点である。
第2図で後手が更に1手指せるなら、多くの人が△5四銀を考えたのではないでしょうか?
4筋と6筋の位の安定、飛車先の風通し、攻めの厚みを加えると良い事ずくめである。
先手番でそう指せるものなら指したいのだが、そうはいかない問題がある。それが第3図。
       第3図


図から(1)△4四銀には▲4五歩△3三銀引▲6五歩△3一角▲6七銀△7四歩▲5六銀と進めば
     先程示した(図2+△5四銀)の理想形が完成。しかし、、、
   (2)△7四歩と突かれると、図2+△5四銀を目指すには▲6七銀と上がる
     必要がある。そこで居飛車が△6四銀と左美濃急戦の作戦に切り替える手段があり、
     これが厄介なのである。本来▲2六歩が突いている形で左美濃急戦は容易いが
     先手の▲3七桂型が形を決め過ぎている面がある。
     △6四銀以下、▲7八飛(▲7八銀は△5三銀で不可)△7五歩▲2八玉△7六歩▲同銀
     △7二飛▲8八角(▲6五歩は角交換後△5五銀があり不明)△8六歩▲同歩△6五銀
     ▲6七銀(第4図)と進んで形勢不明。    
       第4図


これで先手が悪い訳ではなく、四間飛車党の自分は先手を持つ。
しかし後手番の藤井システムと比べて明快でなく、一手の手待ち(△7四歩)が未知の局面を
生み出すことになります。

そこで先手番での得を別の形で活かそうと考えたのが屋敷流の構えです。
屋敷流は△7四歩に対して▲5六歩と突く(第5図)のが第一のポイント。
       第5図


図から(1)△1二玉の米長玉型銀冠に対しては、振り飛車も高美濃→銀冠と組み合って
     これは互角の戦い。居飛車も妥協した駒組みなので、形勢に差が出ないのは
     仕方なし。
   (2)△4四銀には、▲4五歩△3三銀▲6五歩△3一角に▲6七飛と受ける(第6図)のが
     屋敷流の特徴。最後▲6七銀では、△8六歩▲同歩△同角▲8八飛△8七歩▲同飛
     △7五角でハマり形なので注意。これは5筋を突いたのがマイナスになる変化。
       第6図


以下、自然なのは△8六歩であるが▲同歩△同角に▲6六角と交わす(第7図)。
       第7図


図から (1)△5三角 or △9五角には▲2五歩△同歩▲同桂のシステム流の攻め。以下△2四歩と
      我慢しておき難解ですが、銀桂交換で先手不満なしは後手番のシステムと同じ。
    (2)△3一角とした場合、本来▲2五歩△同歩▲同桂の攻めは上手くいかない。
     △2二銀と引かれた場合、ひもが付いているため▲2四歩に△同玉と取れるように
     見える...
     これは通常の藤井システムの定跡変化であるが、そこで▲2七飛!(第8図)が
     指のしなる一手。ここに来てようやく▲5六歩型が活きるのです。
       第8図


次の▲3三桂成が猛烈に受けにくく、先手優勢以上の局面です。△4四歩は▲同歩で無効。

屋敷流には他の枝(第5図で△7二飛等)もありますが、これが主要な変化になると思います。
実際にはここまで凝ったことをしなくと四間飛車が悪い訳では全くなく、
△7四歩の局面で▲5六歩を突くのは本筋ではないかもしれませんが、
対天守閣のレパートリーとして屋敷流(▲5六歩~▲6七飛~▲6六角)は、認知度が低い点も
含めて、ポテンシャルのある構えなのではないか?と考えています。

追伸
屋敷流は屋敷九段が棋聖失冠後、一時期四間飛車に凝っていた頃の棋譜。
自分流という点では現在の屋敷流忍者銀に対するこだわりに似たものがあるかも...
屋敷先生が四間飛車に凝っている時期が短かったため、参考棋譜が少なく△3一角以下の
変化は数手であれ、自分なりに結構考えました(-_-;)
こういうプロセス一つは序盤が好きになる要因かもしれませんw
対天守閣以外でも屋敷流には変わった手があり、紹介したいと思っています。


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