ナッキー(ケーシー高峰)の屁理屈。

【実話】「兄を殺した”英雄”に会いに行く」~映画『ルック・オブ・サイレンス』等を勝手に紹介してみた。

2015/06/11 19:19 投稿

  • タグ:
  • 映画
  • インドネシア
  • ドキュメンタリー

1965年、インドネシアではかつてクーデターの際に共産党勢力の人々を「一掃」すべく「共産党員狩り」が民間人たちによって行われた事がある(いわゆる「ならず者」たちに武器を与え虐殺を扇動したと言われている)。一節によると被害者は100万人以上とも言われている。

では、その加害者たちは裁かれたのか?それは否である。何と後に虐殺に加担した者には法的制裁が課せられない事になり、彼らが裁かれる事は無かった。むしろ「国民的英雄」として讃えられ、一部は地域の有力者として暮らし、その地域には「狩り」の被害者の遺族たちも住んでいる、という恐るべき事実が存在している。

この問題は国内では当然のごとくデリケートな問題であり、事実人権団体の依頼で被害者に取材しようとした映像作家ジョシュア・オッペンハイマーは当局から接触を禁じられたという。

だが、この話はここで終わらなかった。オッペンハイマー氏は取材対象を「英雄」、つまり虐殺の加害者の側に変更、努力の末、氏は彼らの信頼を得る事に成功する。すると彼らは自ら、虐殺という「武勇伝」を楽しげに語りだした。

そこでオッペンハイマー氏はは驚くべき提案をする。

「では、あなたたち自身で、カメラの前で演じてみませんか」

こうして「英雄的虐殺者」本人による再現VTR撮影がスタートしたのであるが、自演による虐殺の再現が、彼らに変化をもたらす事になる・・・
これが映画『アクト・オブ・キリング』である。



決して裁かれる事のない殺人者たちを役者にするという前代未聞の方法で撮られた本作は大反響を呼び、多くの賞と評価を得た。この事件の元となっているクーデターの際の大統領だったスカルノの第三夫人だったデヴィ・スカルノ(デヴィ夫人)はこの闇に葬られそうだった事件を明らかにしてくれた監督に対し感謝の意を示したという。


だが、監督はまだ映像を残していた。そしてこの作品では実現できなかった視点・「被害者」の側から撮られた作品を社会に投じた、それが『ルック・オブ・サイレンス』である。



虐殺で兄を殺されている青年アディ、彼の老いた母はその加害者も自分たちが住んでいる街の権力者として暮らしている為、虐殺された息子の無念も語らずに声を潜め、怯えながら暮らしていた。

そんなある日、アディはオッペンハイマー氏らが撮影した「英雄」のインタビューを見ることになる。そこには我が兄を殺した事を誇らしげに語る姿があった。

「兄や母のため、彼らにその”罪”を認めさせたい」
そんな想いにかられたアディはオッペンハイマー氏との再開の際、自らが虐殺者の「英雄」に会いに行く事を提案。だが唐突に接触するのは危険な為、眼鏡技師である彼は「無料の視力検査」という形で加害者たちに迫っていった。すると母すら知らぬ事実が明らかにされていくのだった。



映画『アクト・オブ・キリング』公式サイト
映画『ルック・オブ・サイレンス』公式サイト

コメント

コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。

いまブロマガで人気の記事