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ナッキー(ケーシー高峰)の屁理屈。

「何度見ても飽きない」アニメのポイントは「情報量」と「キャラと世界観への思い入れ」にある。

2014/08/04 09:01 投稿

  • タグ:
  • アニメ
  • 映画
  • 押井守
  • 宮﨑駿
  • となりのトトロ
  • 千と千尋の神隠し
  • パトレイバー
  • 攻殻機動隊
ニコニコニュースでこんな記事があった。

>あなたの「何度も見ても飽きない」というアニメの名作は?―1位『となりのトトロ』
http://news.nicovideo.jp/watch/nw1176864

ここの調査では「ジブリアニメ」と「長寿アニメ」がトップ10を占めている。もちろん調査した所の顧客分布でこういう調査の結果は変動するので、これが絶対的評価という事はあり得ないが、それでもこの結果になった理由は何となく推察できる。「思い入れ」というやつだ。

宮﨑駿さんは続編を作らないアニメ作家だが、もはや彼の作ってきたアニメは定期的に日テレで放送されるし、放送以外でも情操教育レベルでDVDをもっていて見せる親もいるだろう。少なくとも親世代はアンパンマンレベルで「持ってて安心」な作品だと思っているだろう。

その中でも「トトロ」が1位になっているのは象徴的だ。ほぼほぼ子供とかわいい化け物で物語が構成され、登場する大人もお父さんは感情の起伏が穏やかな生き仏みたいな人だし、お母さんはそもそも入院していた殆ど出てこない。感情が揺れてる大人はカンタのおばあちゃんぐらいだろう。つまり見続ける事に抵抗を感じさせるような阻害要因が皆無の作品なのだ。何だかんだ教育的と言われる宮崎アニメでも定番で存在している「敵対勢力」がこの作品は存在しないというのも常習性を助けている気がする。

屁理屈好きのオタ的な脱線だが、トトロを比較してしまうと何でもそうなるのだけど、宮﨑駿は「大人」を冷たく描くことが増えた気がする。大ヒットした「千と千尋」なんてあんだけ千尋が頑張って両親を助けたのに彼らは気付かない解らない。そう、悪意すら存在しない状態で子供を振り回し、そして子供に対する愛情は殆ど見せないまま、一歩も人間として成長しないまま映画は終わってしまう。千尋の成長との対比があるだけに、この「大人なんて希望もへったくれもない」と言われてるようでかなり宮崎さんの辛辣な皮肉が込められている様な気がして切ない気分になった。まあ反面化け物側では釜爺とか銭婆とか魅力的な大人を描いてはいるのだが。

ランキングの話に戻るが、他にはコナンとかルパンとか銀魂とか、長寿アニメで世界観が認知され、「キャラ愛」が高まっている作品ばかりだ。こういキャラと世界観が確立した作品はもはやネトゲの常習者みたいな感じて、そのキャラと世界観に触れるたび戻ってきた感じになれるのだ。ゲームで言えばメタルギアの「待たせたな」なんてセリフはまさにそういった思い入れの妙味をメタなセリフで表現していると思う。私にとっては「龍が如く」が似た感じだ。神室町に入って、桐生ちゃんや真島の兄さんを見るたびにまた帰ってきたと思える。そりゃシリーズも長く続くってものです。

あともう一つのパターンとして作品の「情報量」というのもある。
私が心酔する押井守さんは、かつて自分を「商業監督」だと称した。たぶん彼の作品を知っている人は「?」と思うかもしれないが、理由を聞いて納得した。今はどうか知らないが、その発言をした時点で押井守作品は映像ソフトの「絶版」が一つも無かったのだ。

彼は自らの作品を「壁」で例えていた。視聴者が能動的に映像を見る事を「ボールを投げる」という行為に例え、それに対して作品から何らかの感銘を受ける事を壁から跳ね返ってくるボールに例え、いくらボールを投げても跳ね返ってくる壁になるように、壁の「強度」を高めているのだという事を監督は述べていた。

ここらへんの「壁の強度設計」は著名な監督はよくやっていて、しかもさじ加減が作品によって違ったりする。一回観たらそれでいいやと思える作品はその強度が弱い訳だが、多くの人が一度だけ観るように作るというのも商業的にはあり得る話なので、強度が弱いからといって失敗という訳でもない。

もちろん強度が強いから成功という訳でもない。余りにも強度が強すぎて、好きな人は浴びるようにリピート鑑賞するが、肝心の観客の絶対数が少なくては興行的に失敗になりかねない。前述した押井守もある意味この領域に近い。映画としての興行成績ではバカ売れしないが、その強度の高さ故に「ソフト化されたら何度でも観たい」という人が多くてDVD、ブルーレイが売れるというパターンもある。何だかんだ小難しいと言われる作品を作る押井守が映画を作り続けていられるのは、そういう価値があるからなのだろう。実際私もVHS→DVD→ブルーレイとメディアが変わるたびに買い直したりした事もありますし。

近年のアニメに関しては、ほぼほぼ「思い入れ」の方に強化させて売ろうとしているものが圧倒的に多い気がする。というかそもそも「情報量」の作品だって世界観やキャラに思い入れがあったりするのだ。押井守関連で評価が高いのはパトレイバーと攻殻機動隊だったりするように。

まさに「日常系」なんかはキャラと世界観、どっちにも思い入れが発生しやすい典型的な作品である。しかも往々にして良い意味で「軽い」ので失礼な話かもしれないが環境ビデオ的に垂れ流していても快適だったりする。外回りの営業をやる私の知人は、車内では日常系アニメを流していた。彼いわく「丁度いい」からだそうだ。

やはり「思い入れ」はコンテンツビジネスにおける最強の調味料なのだろう。とはいえこの思い入れは個人の趣味趣向に基づくものなので、絶対的な価値なんてものは存在しない。ジブリアニメに「声優使えよ」という声優ヲタがいても一般レベルでは誰もそんな文句言わない様に、結局は趣味なのでしかない。そこらへんの分別はちゃんとしておいた方がよさそうだ。

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