「沖縄ヘイト」の「ヘイト」とは、「沖縄に対するヘイトスピーチ」の略であり、本論での「ヘイトスピーチ」は、この問題のわが国における第一人者である弁護士の師岡康子が国際人権法などを参照にしてまとめた以下の定義に拠っている。「人種、民族、国籍、性などの属性を有するマイノリティの集団もしくは個人に対し、その属性を理由とする差別的表現でだり、その中核にある本質的な部分は、マイノリティに対する『差別、敵意又は暴力の煽動』(自由権規約20条)『差別のあらゆる煽動』(人種差別撤廃条約4条本文)であり、表現による暴力、攻撃、迫害である。」[2]ここで、「沖縄」は「マイノリティの集団」なのかという疑問の声も出るだろうが、それについては後ほど説明を加えたい。
原書を確認したところ「差別的表現でだり」→「であり」でした。
さらに本論では、「沖縄ヘイト」を喚起する目的で発せられ拡散される「デマ」を、「沖縄ヘイトデマ」と呼ぶことにしたい。この場合の「デマ」とは、心理学者G.W.オルポート らの定義による以下の条件を満たすものである。1.話の内容が客観的事実(真実)であるかどうかの確認も検証も行われていない。2.もっともらしさを感じる“パーソナル・コミュニケーション”を介して流布していく。3.知っている人や権威者・有名人からその話を聞いたなどの理由から、大勢の人々に事実として信じられていく命題である。
① マスコミ報道を見ていると、沖縄県民が熱心に反対活動をやっているように見えます。しかし実際には県外からの活動家が大半を占めているといわれていますし、極左暴力集団が入り込んでいることも指摘されています。② 今回テント村では北朝鮮との関係を匂わせるものを発見しました。それは韓国の朴槿恵前大統領打倒派が使っていたスローガンが書かれた座布団です。『下野しろ』と書かれています。なぜこんなものが沖縄の活動家のテントに…。
①についての検証は、内容に踏み込まずしても容易である。「県外からの活動家が大半」というフレーズ中の「活動家」も「大半」もその根拠がまったく示されておらず、それだけでこれが信頼に値しないことは明らかだからだ。また続く文章の「極左暴力集団」が何を意味するか明らかにされていないが、これが「警察白書」にある定義「暴力革命による共産主義社会の実現を目指している」集団に属する人たちだとしても、それがどの程度の割合なのかは示されていない。抗議活動には連日、多数の人間が参加しているのであるから、中には「県外からの参加者」「活動家」「極左暴力集団」もいたのかもしれない。しかし、それが何人で、全体の何割にあたるかはまったく示されないまま、それが「大半」とされているのである。結論にあわせて意図的にサンプルを抽出してあたかも裏付けがあるように語る。これは、「確証バイアス」に基づく誤った一般化、つまりデマである。そして、その裏にあるのは「沖縄に基地を押しつけておきたい」という「沖縄ヘイト」の意識だ。ゆえに、①は「沖縄ヘイトデマ」と言えるのである。
「辺野古ゲート前から山城です。今日は800人も集まりました。すごいですね。全国からおよそ、多分県外の人が大半、大多数でしょうけど、たくさんの皆さんが来てもらいました。(辺野古500人大行動に800人~山城博治さんインタビュー!https://www.youtube.com/watch?v=I9zhDashiZo)」
20160909 「ないちゃー大作戦!全員集合!!」https://www.youtube.com/watch?v=xFoNoGtJq1E【よくネトウヨなんかがね、「朝鮮人がよく現場に行ってる」とかね、「あそこは朝鮮人が仕切ってる」とかね、書いてありますよね。そりゃそうだわって。(中略)行ってますよ。おそらく日本のね1億何千万の比率に対して、60万の朝鮮人の比率から言ったらですね、在日の数は多分比率としては高いと思う】【高江は今度向こうからヘリコプターを使って物資を運ぶって言ってるわけです。ヘリコプターを使ってやってくる。じゃあ次何やるのかって、みんなで風船飛ばそうとかね、いろいろ考えられるじゃないですか。(中略)グライダー飛ばしたり、何したっていいんです】【それから爺さん、婆さんたちは向こうに行ったら、ただ止まって座って嫌がらせをしてみんな捕まってください。でね、70以上がみんな捕まったら、そしたらもう刑務所入れませんから。若い子が次頑張ってくれますから】
参議院 内閣委員会 平成30年03月20日○和田政宗君 昨年のこの内閣委員会の答弁で、沖縄の基地反対運動に極左暴力集団、いわゆる過激派が入り込んでいるという警察庁の答弁がございましたけれども、沖縄の基地反対運動における逮捕者ですが、まず平成二十七年度以降の逮捕者の累積数について答弁願います。○政府参考人(村田隆君) お答えを申し上げます。キャンプ・シュワブ及び米軍北部訓練場周辺の抗議行動をめぐりましては、平成二十七年以降、沖縄県警察において六十二件で七十一名、延べ七十一名を逮捕したものと承知をしております。その内訳につきましては、公務執行妨害事件で二十七件、延べ二十七人、道路交通法違反事件で十七件、延べ十七人、刑事特別法違反事件で七件、延べ七人、公務執行妨害、傷害事件で三件、八人、暴行事件で二件、二人、器物損壊事件で二件、二人、威力業務妨害事件で一件、四人、往来妨害事件で一件、二人、公務執行妨害、窃盗事件で一件、一人、傷害事件で一件、一人と承知しております。
参議院 内閣委員会 平成29年05月11日○和田政宗君 更に増えているということでございますけれども、現地の状況などを目撃している方などの話では、やはり不法行為というか、公務執行妨害の中に暴行も含まれるわけでありますけれども、そういった暴力行為というものがやはり多々見られるということは、私はこれはゆゆしきことであろうというふうに思います。私も実際にそういった暴行を受けたわけでございますけれども、基地反対運動というものは、それは米軍基地が沖縄にあるということについて快く思わない方がいるというのは、それはまあ当然そういった御意見もあろうというふうに思いますけれども、やはり法にのっとって抗議活動するのであれば正当な抗議活動をしていただきたいというふうに思っております。この基地反対運動の現場に行けば分かることですけれども、例えば辺野古のキャンプ・シュワブゲート前の基地反対運動には辺野古の方々は参加していないというふうに辺野古の方々は口々に言うわけです。すなわち、辺野古以外の人が辺野古での反対運動に参加をしているわけですけれども、私も実際に現地に行って何度も見ていますけれども、基地反対運動の参加者の中で飛び交っている言葉を聞きますと、標準語、そして大阪弁、関西弁、そして沖縄の言葉なんですね。垂れ幕をフェンスにも掲げていまして、これも違法なわけですけれども、ここには韓国語のハングルで書かれた垂れ幕もあります。すなわち、辺野古以外の外部から入り込んだ活動家などがこの混乱を引き起こしているわけですけれども、これまでの政府答弁によれば、ここ二年の逮捕者四十四人のうち外国籍の者が四人で、いずれも韓国籍とのことです。そこでお聞きをしますけれども、その他の四十人の逮捕された日本人のうち沖縄県外に居住している人というのは何人いるんでしょうか。○政府参考人(松本光弘君) キャンプ・シュワブ及び米軍北部訓練場周辺の抗議行動をめぐってでございますが、平成二十七年以降、沖縄県警察が逮捕した者につきまして、お尋ねのとおり外国籍の者四人ございますので、それを除いた延べ四十人、このうち逮捕当時に沖縄県外を住所地としていた者は延べ十一人と承知いたしております。○和田政宗君 十一人も県外から来た人間が逮捕されているということであります。こうしたやはり活動の実態をしっかりと私は沖縄県の人々も国民も知るべきだというふうに思っております。
殺人やテロ活動を行ってきた危険な集団が入り込んでいる事自体が問題なのです。
参議院 内閣委員会 平成29年03月09日○和田政宗君 三十二件、四十一人ということで、ここ二年だけを取ってもこれだけの数に上るわけですけれども、なぜ活動家たちはこんなに暴力的なのかと、さすがに私も疑問に思いました。辺野古の住民の方々にお話を聞くと、皆さん口々に辺野古の基地前のテントには辺野古の住民は一人もいないというふうに言います。私も違法テントの中に入って全員に辺野古の人かと確認したわけではないので、もしかしたらいるのかもしれませんけれども、辺野古の方々は口々にあそこに辺野古の住民はいないというふうに言うわけです。じゃ、誰が反対運動に参加しているのかということを考えたときに、私にいきなり大人数の集団で暴行を働きに来たという状況から気付いたのは、これは過激派のやり方ではないかというふうに思ったわけでございます。気に食わない発言や人物に対しては暴力を振るってでも抑え付ける、排除をする、これが過激派のやり方です。そこで、警察庁に聞きます。基地反対運動に過激派が入り込んでいる形跡はあるのでしょうか。○政府参考人(松本光弘君) お答えいたします。沖縄の基地反対運動を行っている者の一部には極左暴力集団も確認されていると承知しております。
【その裏にあるのは「沖縄に基地を押しつけておきたい」という「沖縄ヘイト」の意識だ】
この部分は、まさに確証バイアスに基づいた香山氏の思い込みでしょう。
「沖縄に基地を押しつけておきたい」というのは、どういった根拠で仰っているのでしょう?
【この長い抑圧と抵抗の歴史を知らずして、いま起きている基地への抗議活動だけを見て「暴力的だ」「座り込みは違法だ」などと決めつけるのは、まさに「沖縄への差別」そのものなのではないだろうか】
参議院 予算委員会 平成28年03月09日○和田政宗君 沖縄辺野古のキャンプ・シュワブのゲート前で道路用地を不法占拠している活動家などのテントについてですが、明らかに違法行為なのに撤去しないのはなぜか。国交大臣、国家公安委員長に聞きます。○国務大臣(石井啓一君) 普天間飛行場代替施設建設事業に反対する方々がキャンプ・シュワブのゲート付近の道路区域に設けているテント等は、道路法第三十二条の規定に違反をしております。このため、道路管理者である沖縄総合事務局北部国道事務所が、これらを撤去するよう強く指導してきたところでございます。こうした指導により、当初、歩道を塞ぐ状況でございましたが、その歩道を塞ぐ状況はなくなっておりますが、依然として、道路のり面、道路敷の斜面において、不法占用という状況は続いております。道路管理者といたしましては、引き続き、適切に指導を行うとともに、関係機関とも連携し、違法状況の解消に向けて適切に対応してまいりたいと存じます。○国務大臣(河野太郎君) お尋ねのテントが設置されている場所は国道事務所の管理地と認識しておりますので、一義的には管理者がどのように管理権を行使するかということだと認識しております。○和田政宗君 明らかな違法行為ですので、これは速やかな撤去をお願いしたいというふうに思いますが。
コメント
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ヘイトを持ち上げてヘイトを軽んじる。
思想の自由がどんどん死んでいく~どうしてくれるんでしょうね??
彼らは責任取らずに逃げるでしょうけど、逃がしませんよ。
(ID:19114845)
香山氏の文章、根拠だ検証だと言っておきながら結局は
「その裏にあるのは「沖縄に基地を押しつけておきたい」という「沖縄ヘイト」の意識だ」
という何の根拠も示されていない妄言をもって「沖縄ヘイト」と結論してるのはさすがに失笑を禁じ得ない。
学生のレポートだとしても単位を出せるレベルではないな。
(ID:1853629)
凄いですね。良く調べ上げて纏めたと思います。
彼ら自身が証拠を残しているのもありますが。これを問題視しないマスコミの取材力と言うのは一体?
幼い時にとある図鑑でTVとCMの関係を見て思っいたのですが。TVはCM(スポンサー)に逆らえません。
政治家でも新聞でも、お金をくれるスポンサーの意向で動こうとするのは当たり前なんでしょうね。
それを思い出すと、マスコミというモノは自分達の食い扶持、お金の為に事実を捻じ曲げるのが当然なんでしょう。
私達は何故、そんなTVや政治家やマスコミを盲目的に信じてしまうのでしょうか?
私達は、連中の都合のいい真実とやらに振り回されるだけ。
生活は忙しく余裕もない、無意識に無関心なのが正しい事と思いこんでいる…日本はどうなるのでしょうか?
それでもマスコミとは違った視点をもつ人達の意見が読めるのは有難い事です。
これからも宜しくお願いします。