第23回 あなたはスマホカメラのシャッターを見つけられるか?
ボタンを押すだけでドアが閉まり、切符が購入できる。シンプル。この私が愛してやまない、素晴らしいボタン文化を絶対に無くしてはならない理由についてお話しよう。
先日、若い女性二人組から声を掛けられた。「写真を撮ってほしい」と言う。カート・コバーンのシャツを着た私がカメラに詳しそうに見えたらしい。スマホを渡され「このカメラアプリのオートで撮ってもらえればオッケーです。デコるのは後でやるんでー」。私はスマホを中段に構え、背景の鳥居とポーズした二人がフレームにおさまるよう調整。
シャッターを…と思うが、シャッターボタンが見つからない。私が慌てる様を見て「撮影のアイコンを押すだけでーす」と女子。どこにも撮影の文字は見当たらない。くそ。ボタン文化ならシャッターボタンに悩むことなどないのに…。私はボタン文化の衰退を嘆きながら画面上の「四角形の中に黒丸」「斜め矢印」「草」「稲光」というマークを片っ端からタッチ。私の脂性の指がスマホの画面上を滑り、汚していく。
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