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【谷川貞治の人生のホームレス】 第4回

2013/06/10 00:18 投稿

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  • 谷川貞治の人生のホームレス
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1.『続・平謝り』 〜格闘技界を狂わせた大晦日10年史〜

この10年間、格闘技は未曾有の盛り上がりを見せたが、結果的にそれを盛り上げたK-1もPRIDEも崩壊してしまった。そこには様々な原因があるが、良くも悪くも一番の原因は大晦日イベントにあった。テレビ局も含めて当事者の谷川貞治(元K-1イベントプロデューサー)が『平謝り』にも書いていない内幕を綴って、検証する。

●第4回 2002年  (前編) 『イノキ・ボンバイエとDynamite!!』

2001年大晦日の『イノキ・ボンバイエ』の成功は、様々な波紋を呼びました。まず、猪木さんが『PRIDE』とは違う、自分のコンテンツが成功を収めたことで、自信を付けたのは言うまでもありません。

『PRIDE』のスーパーバイザーとして格闘技界の顔になった猪木さん。しかし、その立場はあくまでもお客さんにすぎません。しかも、百瀬さんを通じて「あれをやってほしい」「これをやってほしい」と、一方的にやらされてる立場。これは、猪木さんにとって面白いわけがありません。

しかも、『イノキ・ボンバイエ』の仕切りを担うのは、面白くないことにK-1。TBSもK-1に対してのみ、信頼をおいています。そして、イベントを制作するのは、やっぱりPRIDE。2001年に感動的な大晦日イベントを成功させたことで、猪木さんが自分で仕切りたいと思ったことでしょう。自信というのは、「色気」に繋がっていくものです。

そして、意外なことに気持ちを動かされたのが、フジテレビでした。もともと、K-1は自分たちが創り、育てたという自負があります。それなのに、そこで育てたK-1ファイターがなぜ大晦日にTBSに集結し、フジが力を入れて育てたジェロム・レ・バンナが、安田忠夫みたいなオッサン・レスラーに負けなくちゃならないんだ。

そういう思いから、フジテレビの清原邦夫プロデューサーは、2002年の大晦日はフジテレビで格闘技をやろうと考えたのです。そして、この流れの中で、PRIDEの森下直人社長も不安にかられました。もしかしたら、このまま流れは『イノキ・ボンバイエ』にいくんじゃないか、と。

ひとつのことが成功すると、また新たな問題が生まれるのが格闘技界。TBSでK-1とPRIDEが出来ないから生まれた第3極の『イノキ・ボンバイエ』なのに、その『イノキ・ボンバイエ』の扱い自体が早くも難しくなってきたのです。

そこに、Kダッシュの川村龍夫会長が8月に、猪木さんと小川直也をメインに東京ドームで『LEGEND』という格闘技イベントをやると発表した。バックについたのは、日本テレビ。Kダッシュにはアントニオ・ホドリコ・ノゲイラを始めとするブラジリアン・トップチームのマネージメントをしているU女史もいたので、これは厄介です。僕らとしては、鼻をへし折るくらいの力を見せつけるしかありません。

そこで、バラさんと柳沢とで考えたのが、

 

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