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ボカロPのための音楽著作権&隣接権講座(中級編)Presented by 浜町音楽ギルド 解説#3

2013/05/29 07:54 投稿

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その3「鉄人化計画 日野社長さんからご発言いただいた《カラ鉄では動画印税や原盤印税も支払っています》について」

5月24日に放送された「ボカロPのための音楽著作権&隣接権講座(中級編)Presented by 浜町音楽ギルド 」において、皆さまからのコメントでいただいた疑問点や、番組終了後に行われたボカロPさん(EasyPopさん、PolyphonicBranchさん、FB777さん)たちと打上げ会で挙がった質問などをもとに、ちょっと詳しく書いています。(その3)

株式会社鉄人化計画様が運営されているカラオケ店舗「カラオケの鉄人」ではニコニコ動画にアップされている「そのままの音源」と「そのままの動画」を使用したカラオケの配信が行われています。

そして「カラオケの鉄人」でお客さまがこれらの「そのままの音源」や「そのままの動画」を使ったカラオケを歌唱された場合、音楽著作権印税以外に、音楽原盤印税や動画印税(背景が静止画の場合は静止画印税)を原盤権利者(通常はボカロPさん)や動画原盤権利者(通常は動画師さん)および静止画の権利者(通常は絵師さん)にお支払いいただいています。

こう書くと「じゃあ、カラ鉄じゃないカラオケはどうなんだ?」という疑問を持たれる方も多いと思いますので、まずは「そもそもカラオケにおける印税ってどうなっているのか」について簡単に説明したいと思います。

■1■まずは音楽著作権から

通常のカラオケは「オリジナルの音源(ボカロ曲の場合、ボカロPさんが制作した音源)ではなく、カラオケ配信会社( 第一興商様=DAM や エクシング様=JOYSOUND )が制作された「MIDI音源」が使用されていますので「今回の生放送で話の中心となった《隣接権=原盤権》」は使用されていません。

なので、通常は カラオケ(業務用通信カラオケ)では音楽著作権のみが発生します。(もちろん原盤権や動画原盤の権利が発生するカラオケもあります。これは後で書きます)

このようなカラオケにおける音楽著作権については2年近く前に行った「初級」生放送(やはりJASRAC菅原理事長(当時は理事)や向谷実さんにご出演いただきました)でお話しましたが、音楽著作権使用料は次のような流れで著作権利者(ボカロ曲の場合は通常はボカロP)に支払われます。

●経緯1:カラオケ配信会社様⇒JASRAC⇒音楽出版社⇒ボカロP
●経緯2:カラオケ店舗運営会社⇒JASRAC⇒音楽出版社⇒ボカロp

ここで「経緯1」は音楽著作権における「録音、複製」や「配信」に関わる使用料の支払いで、使用料を支払うのは「第一興商様=DAM」や「エクシング様=JOYSOUND」などの「カラオケ配信会社様」です。

また「経緯2」は音楽著作権における「演奏」に関わる使用料の支払いで、使用料を支払うのは実際のカラオケ店舗およびその店舗を運営している企業様です。(そういう意味では鉄人化計画様もこれに相当します)

この経緯1と経緯2とで集められた印税がボカロPさんの手元に支払われるわけです。


■2■そして「音楽原盤」や「動画原盤」の使用料について

最近では「カラオケの鉄人」だけでなく、いろいろなカラオケ店舗で「ニコ動でアップされていたり、CDに収録されているのと同じ音源(以下《オリジナル音源》)」でのカラオケが配信されています。そして「ニコ動でアップされた動画やプロモーションビデオ(以下《PV》)」などの動画も背景に使用されています。

これら「原盤」および「動画」の使用料について一般的な説明をします。

通常、カラオケの音源(MIDIであろうとオリジナル音源であろうと)や「動画」は「カラオケ配信会社」のサーバーから「カラオケ店舗」へと配信されます。つまり「オリジナル音源」や「PV」(以下あわせて「原盤」とします)の権利処理をするのはカラオケ配信会社となるわけです。

※「カラオケ配信会社」は「原盤」を自社サーバーに「録音」「複製」し店舗へ「配信」します。そのため「カラオケ配信会社」は「原盤」の「録音」「複製」「配信」における処理をする必要があるのです。

※これに対して「カラオケ店舗」はこれら「原盤」を店舗で流しますが(これも著作権法てきには「演奏」を言います)、すごく乱暴な言い方をすれば、「原盤」においては「演奏権」という概念はありません。

※そういう理由から「原盤」の権利処理をするのは「カラオケ配信会社」ということになります。

「カラオケ配信会社」は自社のサーバーから日本全国の店舗へとカラオケの音源を配信していますので、「どの原盤がどれくらい店舗に配信されかた」をカウントすることは(厳密に言えばできるのでしょうが)実務としては対応がとても難しくなってしまいます。

そういう意味もあり(詳しくは今度、カラオケ配信会社様に説明いただきたいですが♪)、通常、業務用通信カラオケに「原盤」が使用される場合の使用料は、「従量制=印税」ではなく導入時に「一括」で支払われるのが普通です。

 
■3■じゃあなんで「カラオケの鉄人」は「原盤」の使用料を「印税」で支払っていただけるのか

まず最初に断っておきますがワタシは「カラオケの鉄人」の回し者ではありません(w) これから「カラオケの鉄人」のシステムとボカロPへの理解の高さについて評価をする文章を書きますが、あくまでも中立の立場で書いていますので、そこんとこヨロシクです。

まず、最初に「カラオケの鉄人」においてそのシステムを簡単に説明しますと、「カラオケの鉄人」のルームに設定されたカラオケ機器はオリジナルのものであり、その機器ではDAMのカラオケもJOYSOUNDのカラオケも両方歌うことができます。

例えばお客さんによっては「私はDAMがいい」とか「ボクはJOYSOUNDで唄いたい」という場合もあるでしょうが、カラオケの鉄人なら一つの部屋で両方とも唄えます。

それにプラスして「カラオケの鉄人」にはオリジナルサーバーが各店舗に設置されており、このオリジナルサーバーに前述した「オリジナルの音源と動画」がアップされているのです。

通常の業務用通信カラオケの場合、「カラオケ配信会社」から遠距離の「カラオケ店舗」には回線を通じて音源や動画のファイルが送信されるため、回線スピードの関係から「重い音源ファイルや動画ファイル」の各店舗への配信には物理的な制限があります。

しかし「カラオケの鉄人」の場合、店舗内サーバーから各部屋への配信なのでこの制限がありません。

そのような理由で「カラオケの鉄人」には「ボカロPのオリジナル音源や動画師さんのオリジナル動画」を数多く導入することができるのです。

※しかしそうは言っても各店舗のサーバーに「オリジナル音源や動画ファイル」を複製する必要がありますが、これは鉄人化計画様ご担当者の強力な機動力で実現しているのでしょう♪

このように「店舗設置のサーバー」から各ルームへ「オリジナル音源や動画ファイルを使ったカラオケ」が配信されれば、「なんの楽曲が何回歌唱されたか」をカウントすることが業務用通信カラオケと比較すると格段にやりやすくなりますよね。

鉄人化計画様ではこの店舗サーバーシステム(カラ鉄さんのサイトを見ると「鉄人システム」という名称のようです)を独自に開発されてこられたのです。

ここで一瞬、話は変わりますが、今までボカロPさんの楽曲をカラオケ展開する上で、我々 浜町音楽ギルドが悩んでいたことの一つに
「著作権印税はボカロPさんにお返しできるけど、動画師さんや絵師さんたちに印税を返すことができない」
ということがありました。

どうにかしてこれを解決できる手法は無いものかと考えていたのですが、数年前に株式会社鉄人化計画のご担当者とお話をした際に、この点で話し合いを持ち、その結果構築したのが「原盤印税と動画印税などを印税で支払う仕組み」です。

このあたりの経緯は「カラオケの鉄人」店舗に置いてある「ボカロうた本」の最初の方のページに「カラオケの鉄人」と「株式会社ドワンゴ・ユーザーエンタテインメント」との連名で文章を掲載させていただいておりますので、「カラオケの鉄人」に遊びに行かれたさいには是非ご覧になってください。

日野社長からのご発言にはこのような背景があるのです。


(文責 浜町音楽ギルド にへどん)https://twitter.com/nihedon_21

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