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『恋愛事件』あとがき

2014/08/18 15:04 投稿

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 『恋愛事件』は、2年前ぐらいに書いた作品で、今回の倉敷市の事件に合わせて、もともとあったストックから引っ張り出してきたというわけであります。

 僕がこの作品で意図したのは、「反復記述」という技法です。

 読めばわかると思いますが、この小説は、ミニマルミュージックのように、同じ記述の反復と差異によって構成されています。

 この「反復記述」という技法は、筒井康隆先生の『ダンシング・ヴァニティー』でも使用されていましたが、僕の場合、同じコード進行の繰り返し、そういう技法によって、男の孤独で不毛な人生を象徴させようという意図がありました。

 内容的には、以前発表した『人に迷惑をかけるな』の男ver.みたいなものなので、ある意味で『人に迷惑をかけるな』の兄弟編とも言える作品と言えるでしょう。

 かなり昔の作品なのであまり思い入れはありませんが、その皮肉めいたタイトルと、効果的な落ちの一句は、僕の気に入っているところです。

 古谷実の漫画を小説化したような暗い暗い小説ですが、僕の目的は真実を探求することですので、その点はあまり気にしていません。

 なにはともあれ、現代の若者の「恋愛」に関する深層心理が少しでも届けばいいな、と思っております。


 2014818日 ともなりたかひろ


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