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評価シリーズ(番外編):ウルトラセブン 超兵器R1号における兵器開発への考察

2016/09/21 22:50 投稿

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特撮シリーズで1,2を争う有名度を誇るウルトラシリーズ。
その中で、今でも根強い人気がある作品が「ウルトラセブン」。
特撮技術の高さはもちろんだが、個人的には大人でも楽しめる深いストーリーが
他シリーズに比べて多く存在することが人気の理由だと考えている。

ウルトラシリーズは単なる子供向け勧善懲悪作品に収まらず、
視聴者に社会への疑問を投げかける問題作とされているエピソードがいくつか存在する。
その中でも、個人的にウルトラセブンのベストエピソードと考えているのが
「超兵器R1号」。

このエピソードで地球防衛軍は宇宙からの外敵から地球を守る防衛力として、
超兵器R1号を開発。威力にして新型水爆の8000倍という途方もない破壊力だ。
そしてこの超兵器を実験する対象としてギエロン星が選ばれたのだが、
ギエロン星の破壊後に超兵器の放射能によって変異した星獣が地球めがけてやってくるという
内容だ。

放送当時は冷戦時代。東西を代表する米国とソビエト連邦が核兵器開発に
力を入れていた時期。
互いに核兵器を持っているが、危険性を知っているが故に実際には使用しなかった頃。
そんな時代から現在にまで続く核抑止力に対する皮肉を込めたエピソードとして有名だ。

そしてこのエピソードの有名なセリフ。
地球人と宇宙人が互いに兵器開発で競争する様相を、諸星ダンは
「それは、血を吐きながら続ける、悲しいマラソンですよ」と形容した。
今でもズシっとくる名言だと自分も思っている。

しかしこのエピソードを観なおして思ったことが一つある。
確かに血を吐きながら続ける悲しいマラソンは止めなくてはならない。
だがこっちが先に止めたらかといって、相手さんは止めてくれるだろうか。

ウルトラシリーズに登場する宇宙人の多くは明らかな侵略目的を持っているのが大多数。
過去から現行シリーズまで含め、地球は幾度となく侵略者に襲われてきた。
作品ごとに世界線が異なるとはいえ、そんな宇宙人に頻繁に襲われる環境の中では、
宇宙人=侵略者の固定観念が人々の頭の中に構築されても不思議ではない。

そしてその固定観念は地球の防衛力目的の兵器開発の原動力になる。
向こうさんが攻めてくるならこっちもこっちで対策を練らないとやられっぱなしだ。
だからギエロン星をターゲットに兵器の実験を実施して、宇宙人への警告を行った。
それは向こうがこうしてくるならこうするぞ、というやり返しの行為だ。

侵略行為を始めたのは外敵宇宙人なのに、こっちが超兵器開発を止めては
地球は宇宙人の格好の的になってしまう。
数多くの宇宙人が地球侵略行為を止めない限りは、地球防衛軍の超兵器開発は
止めるべきではないのでは?と思うようになった。
事実、後のウルトラシリーズ作品でも、防衛軍による超兵器開発の描写は多い。
当然侵略目的ではなく、あくまで地球の防衛が最大の目的だ。

一方で、ウルトラ戦士自体を兵器扱いする宇宙人もいた。
ウルトラマンメビウス「怪獣遣いの遺産」に登場するメイツ星人は平和交渉のために
地球を訪れたが、メビウス自体を地球人の兵器と考え、
ゾアムルチという怪獣を宇宙船に冬眠状態で搭載させた描写がある。
宇宙人からしたら、ウルトラ戦士という強大な戦力が地球にある以上、
それを越える怪獣や兵器を開発しないと地球人にやられてしまう考えがあるのだろう。
それ故、外敵宇宙人も兵器開発を進めるという構図が頭に浮かんだ。

ウルトラセブンの主張はもっともだとは思う一方、現実に沿わない発言なのではとも思う。
相手が血を吐きながら続けるマラソンを止めない限り、
こっちも付き合わないとやられてしまう。
ましてやウルトラ戦士自体が外敵宇宙人の兵器開発の理由になっているとしたら、
ウルトラ戦士自体が地球外からの脅威をもたらしているのでは?
様々な考察が頭の中を駆け巡った。

「超兵器R1号」は単なる特撮シリーズのエピソードの一つに留まらず、
人々に考えるきっかけを与える力を持つ名エピソードだと思う。
今回のこの記事ではウルトラシリーズ内の世界観で考えたが、
現実世界に照らし合わせても十分色々な考察ができる素地がある。
視聴者に疑問を投げかける名作は、いつの時代になっても観る人に一石を投じている。

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