イスラエルと手を携えイラン潰しにひた走るトランプ大統領! 有事に発展したら日本への原油輸入はストップ、あらゆる物価は高騰し、1973年の「狂乱物価」の悪夢が再び!?
田代「アメリカがイラン産原油を買う買わないの話で終わればいいのだけど、『他の国も見習え』と言い出したとなれば…」
岩上「さもなくば『制裁するぞ』、ですからね」
田代「これは大変なことになりますよ。日本が輸入している原油のうち、イラン産は5.5%(※1)。これを代替するのはえらいことです。足元を見られることになりますから。つまり、その部分は相手の言い値で買わなくてはならなくなる」
岩上「長期の契約とスポット契約とでは、全然違うわけですよね? スポットで買うと、かなり高くなるという…」
田代「そうです。何十年という長期で買うから、かなりディスカウントして売ってくれるのであって、それは普通の商売も同じでしょう。だから、株価も当然急落するわけです。このたびレートが1月以来の安値だったわけですが、日本株の足を引っ張っているのは、実はトランプ大統領だったという(※2)」
岩上「僕がこの問題にこだわるのは、もっと先のことにも関わってくるからです。というのは、アメリカは、世界のヘゲモン(覇権国)としての座からもう降りる、他の国の面倒は見ない、という方向へシフトしているんじゃないかと思えるんですね。東アジアからも、ヨーロッパからも。
ロシアに対しても、今度首脳会談をやると(※3)。クリミアの件であれだけプーチンを悪魔化し、欧米で制裁を加えておいて、ですよ? ウクライナをわざわざ分断して政権をぶっ潰し、挙げ句の果てには内乱まで起こさせて、ロシアがロシア人の多い東部とクリミアを編入するよう仕向けたのはアメリカのヌーランドです(※4)。
そこまでの工作をしておいて、『ウクライナの領土だったクリミア半島をロシアが取った、許せない。これは戦後初の侵略だ』とか大袈裟に言いたてて、ロシア軍港のある同地から『ロシアは出ていけ』と。これはそもそも、ソ連という国家の中の、一部の線引きの話だったのに。
でも、そこに住んでいる人々のほとんどはロシア語話者。実態としてはロシア人です。そりゃロシアは『うん』とは言いませんよ。なのに、アメリカ主導で制裁を加えてG8から外した。それを、トランプ大統領は今さら、『おい、プーチン呼べ』とか『もう一回ロシアを招いてG8にしようぜ』とか、『プーチンとは気が合うんだ』なんて。
▲プーチン大統領(Wikimedia Commonsより) https://bit.ly/2IiB8jp
オバマ政権から着々とやってきた陰険な工作。ウクライナ、もうぐちゃぐちゃですよ? 内戦してたんですよ? それを、トランプがあっという間にぶっ壊しちゃった。たったひとつのツイートで、『あそこはロシアだから、ロシア人がロシア語喋ってんだろう。だからロシア領でいいじゃんか』って」
田代「もう、プーチンのお使いになっちゃったわけですね、アメリカ大統領が」
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