岩井志麻子「オンナのウラガワ ~名器大作戦~」

第328回 志麻子周辺のホラー特集なウラガワ(1)

2022/08/31 13:00 投稿

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オンナのウラガワ ~名器大作戦~

◆もくじ◆

・志麻子周辺のホラー特集なウラガワ(1)

・最近の志麻子さん 
 『岡山女』新装版、単行本『煉獄蝶々』発売中
 『5分で読める! ぞぞぞっとする怖いはなし』に寄稿
 『週刊大衆』で「熟成肉女 召し上がれ」連載中
 「カクヨム」で田原総一朗・二次創作小説を発表
 『でえれえ、やっちもねえ』角川ホラー文庫より発売中

 カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
 MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

・著者プロフィール

===

八月といえば怪談、ホラーの季節。
今月は「志麻子の少し怖い話特集」として、身近に聞いたホラーなエピソードをお届け。

新進の男性作家との対談で盛り上がった、「あるはずのものが無い」「無いはずのものがある」についての話。考え方の違いに感心した流れで、「記憶」のあるなしの怖さについて思いを馳せた。
一年くらい前、趣味のクレー射撃大会に行く前に、親しい社長と銃砲店に立ち寄ったのだが……。


※担当者の不調により更新が長く滞り大変申し訳ございませんでした。
順次記事公開いたします。

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http://ch.nicovideo.jp/iwaishimako/blomaga

2014年11月~20年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
2021年1月「ゆるく共存していくことを考えさせられるウラガワ
2月「いつの間にか入り込む怖いもののウラガワ
3月「もはや共存するしかないあれこれのウラガワ
4月「変わらぬもの、変わりゆくもののウラガワ
5月「子どもっぽい大人、大人になっても子どもな人のウラガワ
6月「ドライになり切れないウェットな物事のウラガワ
7月「ホラーの夏なので怖い怪談実話なウラガワ
8月「夏といえばの怖い話・奇妙な話のウラガワ
9月「歳を取れば大人になれるわけではないウラガワ
10月「この歳になって初めて知ることもあるウラガワ
11月「「どこで逸れたんだろう」と考えてしまうウラガワ
12月「人生そのものがお楽しみ会のウラガワ
2022年1月「まだ楽観視できない未来を思うウラガワ
2月「記憶が混乱するアレコレのウラガワ
3月「どうしても心残りなウラガワ
4月「心残りな事件の男たちのウラガワ
5月「好きと心地よいは違う、温度差を感じるウラガワ
6月「ドライなのかウェットなのかわからないウラガワ
7月「「もう」と「まだ」の間のあれこれのウラガワ


※2014年10月以前のバックナンバーをご購入希望の方は、本メルマガ下部記載の担当者までお知らせください。リストは下記です。

2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

===
 
 子どもの頃は八月といえば夏休み、そしてテレビで心霊特集やホラー映画が盛んに放映され、雑誌は大人向けも子供向けも幽霊談が載っていた。怖いもの全般に興味津々な子どもだった私は、大人になってからも八月が一番好きな月のままだ。

 オカルト番組などを真に受けた一部の人達の暴走、事件、霊感商法などの問題が増えて、それらは表のメディア露出は減らしていったが、代わりにネットが盛んになり、いつでも好みのホラーなコンテンツを個人で楽しめるようになった。

 そんな私は夏休みのない大人になり、なんとホラーが専門の作家になってしまった。それでも八月になると、怪談の季節だとわくわくしてしまう。

 今月は、志麻子の少し怖い話特集だ。全編、すべての登場人物は仮名か匿名、背景にも脚色を加え、物の怪さん達にもプライバシー配慮をしてあるのをおことわりしておく。

                    ※

 先日、新進気鋭の若き男性作家さんと対談をさせてもらった。そのとき、ホラーの分類の一つとして、「あるはずのものが無い」「無いはずのものがある」というのがあるよね、という話になった。

 たとえ話をする。我が家には、可愛いワンコが二匹いる。突然に一匹がいなくなって必死に探していたら、周りがみんな、あなたは最初から犬は一匹しか飼ってない、というのだ。あなたが探している犬は誰も知らない、そんな犬は誰も見たことない、ともいう。

 逆に、見知らぬ犬がいつの間にか家の中にいて、この子はどこから迷い込んできたかと困惑していたら、周りがみんな、十年くらい前からお宅には犬は三匹いたよ、というのだ。その犬は一番可愛がっていたじゃないよ、などともいう。

 現実に愛犬が二匹いる私は断然、前者が怖い。大事なものを失う。この怖さに比べれば、なんかわけわかんないけど一匹増える方がましだ。

 彼は、逆のことをいった。

 

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