岩井志麻子「オンナのウラガワ ~名器大作戦~」

第247回 「あの人実は」「あの人やっぱり」のウラガワ(1)

2020/05/29 23:15 投稿

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オンナのウラガワ ~名器大作戦~
第247回 「あの人実は」「あの人やっぱり」のウラガワ(1)

◆もくじ◆

・「あの人実は」「あの人やっぱり」のウラガワ(1)

・最近の志麻子さん 
 『凶鳴怪談』が竹書房から発売
 『業苦 忌まわ昔(弐)』が角川ホラー文庫から6月に発売予定
 TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中

 「岩井志麻子のおんな欲」連載中
 カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
 MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

・著者プロフィール

===

「あの人って、実はそういう人だったんだ」「あの人、やっぱり変わってなかった」他人への評価や気持ちも揺れる季節の変わり目。
暖かくも冷ややかな5月、安堵と失望にまみれたエピソードをお届け。

風俗嬢やAV女優の過去を活かし、今はマスコミ業界や芸能界の裏方で働いている浅見さん(仮名)。
彼女と距離を置こうかなと岩井さんが思ったのは、何年か前の誕生会だった……。

 

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2019年1月「去年に縁があったあれこれのウラガワ
2月「台湾で初めて会った人たちのウラガワ
3月「胸に引っかかる人を思う春のウラガワ
4月「こういう人いるよねという出会いのウラガワ
5月「働くということについて考えたウラガワ
6月「私なりのプロファイリングをしてみたウラガワ
7月「芸事業界の人たちの願いごとのウラガワ
8月「怖さひかえめな怖い話のウラガワ
9月「まだ挽回できるかどうか気になるウラガワ
10月「なぜか惹かれる未解決事件のウラガワ
11月「今頃になってわかってきた出来事のウラガワ
12月「とりあえず終えたかな、というウラガワ
2020年1月「愛しい南国の怖い話のウラガワ
2月「ひきつづき東南アジアの怖い話のウラガワ
3月「どこか心残りの別れのウラガワ
4月「未経験な世の中のあれこれのウラガワ


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2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

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 五月って、卒業や進学、就職、それに伴う引っ越しなども一段落し、気候も相まって最もさわやかな季節のイメージがある。だけど五月病なんて言葉もあるように、季節の変わり目でもあり、なんとなく不安定、不穏な何かも漂う。

 春の終わりの雰囲気と、夏の初めの気配。春であり、夏であり。春でなく、夏でなく。
「あの人って、実はそういう人だったんだ」という驚きは、うれしいものも嫌なものもある。「あの人、やっぱり変わってなかった」という感慨も、安堵にも失望にもなる。

 五月に限らず、他人への評価や気持ちは揺れ、前の季節を引きずりながらも新たな季節を迎える。暖かくも冷ややかな五月の風に吹かれながら、それらを書いてみたい。

 毎度のことではあるが、最初におことわりしておく。全編に渡って登場人物はすべて仮名で、その背景などにも個人特定をされないよう、微妙に脚色や変更を加えてある。

                    ※

 浅見さんは、過去に風俗嬢をしていたことも、AVに出演していたことも隠してはいない。そういった経験を活かし、今はマスコミ業界や芸能界の裏方で働いている。

 構成作家の手伝いとして企画会議にも出るし、番組に出演してくれそうな子を探してきて交渉したり紹介したり、マネージャーやADの代わりを努めるときもある。ときには自分自身が執筆し、出演し、インタビューされる側になる。

 気さくでおもしろいし、仕事を離れて飲みに行くようにもなった。彼女の過去は、「それがあったから、今の彼女がいるんだな」というものでしかなかった。私はAVや風俗は、犯罪にならない限りは存在してほしい世界だ。

 私は風俗嬢とAV女優の経験はないが、AV監督をしたことがあり、現場の人に取材し、AVや風俗ではない所で共演することは少なくない。いかがわしい世界じゃありません!ではなく、いかがわしさが魅力なのだと思っている。

 今はホリプロに所属しているが、フリーだったとき雇っていたマネージャーL美も、年季の入った風俗嬢だった。初めての風俗以外の仕事が、私のマネージャーだったのだ。
 L美はマネージャーとしてはポンコツでしかなかったが、彼女から聞いた生々しい風俗業界の話は大変な学びとなった。

 さて、浅見さんだが。仲よくなっていく過程で、よくない噂、評判も聞いてはいた。売り込みに必死になるあまり、話を盛りすぎる。いや、完全に嘘をつくことがある、と。

 

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