岩井志麻子「オンナのウラガワ ~名器大作戦~」

第209回 こういう人いるよねという出会いのウラガワ(2)

2019/04/30 22:00 投稿

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オンナのウラガワ ~名器大作戦~
第209回 
こういう人いるよねという出会いのウラガワ(2)

◆もくじ◆

こういう人いるよねという出会いのウラガワ(2)

・最近の志麻子さん 
 岩井志麻子と行くタイツアー 参加者募集中
 5/12(日)「オメ★コボシ45」開催

 TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中
 「岩井志麻子のおんな欲」連載中
 カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
 MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

・著者プロフィール

===

衝撃の出会いというほどでなくても、こんな人もいるんだねぇとしみじみさせてくれる人のエピソードをお届け。
高い店で岩井さんに接待してくれた女性の医者が、その席で語りだしたのは、ある新進気鋭のダンサーを応援しているということだった。
岩井さんにもその彼を応援してほしいということのようだったが、イマイチ興味が持てない。
けれどひょんなことから、彼の経歴を知ることとなり……。


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2014年11月~17年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
2018年1月「命や生きることについて考えたウラガワ
2月「人はなかなか変わらないのウラガワ
3月「きれいに卒業できない女たちのウラガワ
4月「新たな出会いの不気味なウラガワ
5月「良い季節でも人は病むウラガワ
6月「『有名な男の女』だった二人のウラガワ
7月「怪談の季節! ゾッとする実話なウラガワ
8月「嘘と本当のあわいの怖い話のウラガワ
9月「大人になりきれない人達のウラガワ
10月「ベトナム旅行チン道中のウラガワ
11月「しみじみしんみりな出来事のウラガワ
12月「来年まで引きずりそうなアノ人のウラガワ
2019年1月「去年に縁があったあれこれのウラガワ
2月「台湾で初めて会った人たちのウラガワ
3月「胸に引っかかる人を思う春のウラガワ


※2014年10月以前のバックナンバーをご購入希望の方は、本メルマガ下部記載の担当者までお知らせください。リストは下記です。

2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

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 勤めをしていないし、転勤がある夫もいない私だが、四月になるとテレビ局や出版社で新たな出会いはある。

 良くも悪くもいろいろと衝撃的、新鮮な驚き、といったものをもたらしてくれる人々もいるし、そこまでいかなくても「へぇ~、こんな人もいるんだねぇ」としみじみさせてくれる人達もいる。今月は、後者の人達がテーマだ。

                    ※

 先月は、「悪い人じゃないんだけど、どうにも話がおもしろくない豊田社長」の話を書いた。何を話してもニコニコして、「おもしろーい」「すごーい」みたいな相づちを打つだけで、まったく話を広げようとしない。
 彼は退屈しているのではない。話の相手が気に食わないのでもない。
 世間で、おもしろいとされる女性文化人に目がなく、次々に呼んでは高い食事をおごってくれるのだが、あまりにも話が広がらず弾まず、沈黙に耐えかねて一人で延々とネタを変えてしゃべるしかなく、呼ばれた女性文化人はみんなへとへとになってしまう。

 私がおもしろいかどうかはさておき、けっこう豊田社長に気に入られているので、しょっちゅうお呼びがかかる。
 かなり疲れるが、なんだかんだいっても善良な紳士の上に私の話を求めてくれているわけで、誘われれば無下にはできない。

 さて。先日、豊田社長とは何の関係も面識もない女医に会った。仮に岬さんとしておくが、私より一回りほど年下の、ほっそりした上品な独身女性だ。父親の医院を継いでいる。彼氏がいた時期もあるけれど、なかなか結婚には踏み切れなかったそうだ。

 その岬さんが、私に話したいことがあるからと、豊田社長に負けない高い店での接待をしてくださった。以前にもパーティー会場で会っているが、そのときは普通のあたりさわりない世間話をしただけだ。

 そのときは、特におもしろいともなんとも思わず、良くも悪くも強い印象のない人だった。でもまぁ、二人で会っても豊田社長ほどの間の持たなさもないだろうと考えた。

 実際、席について十分か二十分くらいは共通の知り合いの噂話、最近の事件や芸能ニュースなどで、けっこう話も弾んだのだ。

 それが岬さんが妙な名刺を出したときから、空気も妙な具合になっていく。
 

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