オンナのウラガワ ~名器大作戦~
第204回 台湾で初めて会った人たちのウラガワ(3)


◆もくじ◆

・台湾で初めて会った人たちのウラガワ(3)

・最近の志麻子さん 
 新刊『シマコの週刊!?宝石 』光文社文庫より発売
 5/12(日)「オメ★コボシ45」開催
 映画『シラユキサマ』公開記念対談 岩井志麻子×徳光正行×諸江亮 公開
 TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中
 「岩井志麻子のおんな欲」連載中
 カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
 MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

・著者プロフィール

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台湾篇の3つめは、ここまで素敵な(?)出会いをもたらしてくれた友人・辰美さんが語ってくれたエピソード。
初めて聞いたその内容は、台湾の「神様」のお導きを感じさせるもので……。
付き合っていたダメ男と、いかにして辰美さんは別れられたのか?

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2014年11月~17年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
2018年1月「命や生きることについて考えたウラガワ
2月「人はなかなか変わらないのウラガワ
3月「きれいに卒業できない女たちのウラガワ
4月「新たな出会いの不気味なウラガワ
5月「良い季節でも人は病むウラガワ
6月「『有名な男の女』だった二人のウラガワ
7月「怪談の季節! ゾッとする実話なウラガワ
8月「嘘と本当のあわいの怖い話のウラガワ
9月「大人になりきれない人達のウラガワ
10月「ベトナム旅行チン道中のウラガワ
11月「しみじみしんみりな出来事のウラガワ
12月「来年まで引きずりそうなアノ人のウラガワ
2019年1月「去年に縁があったあれこれのウラガワ


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2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

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 台湾とベトナムは近い。飛行機で三時間くらいだ。どちらの国も好きで、どちらの国にも会いたい人がいる私は、このところ二か国周遊コースを楽しんでいる。

 たいてい、先に台湾へ行って女友達と遊んでから、愛人のいるベトナムに向かう。しかし今回の旅はホーチミンの長年の愛人より、女友達を介して会った台北在住の人々との時間の方が濃かった。そんな彼らはもう、二度と会えないかもしれない人々だ。

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 たまたま学生時代に台湾旅行をしたらハマッてしまって、中国語を猛勉強して台湾の会社に就職したのを皮切りに、もう台北に三十年近く暮らして様々な分野で活躍する同世代の女友達、辰美さん。
 正式な結婚ではないが、台湾の素敵なダーリンをパートナーともしている。

 彼女は台北に来るまではとことん現実だけを見て突き進む派で、
「何かあっても運がいいだの悪いだの考えず、結果を出せれば自分のがんばりの成果、だめだったら自分の努力や実力不足、としか受けとめなかったのね。
 ん~、今も基本それはそうだと思ってるけど、とにかく自分自身に揺るぎなき自信があったの。間違うときはあるけど迷いはない、みたいな。
 神仏に頼るなんて、あり得ない上にあり得なかった。日本にいるときは、初詣して仏教式で法事やってクリスマスを祝うという、典型的な無宗教日本人だったし。
 台湾は道教が根付いてて盛んで、あちこちに寺院があるのは最初からわかったけど、ほとんど興味なかったのね。
 でもあるとき、人生で初めて大きくしくじった、自分が間違っていた、私ってこんな愚かで弱かったんだ、と足元がぐらつく、崩れ去りそうな経験をしたの。
 そのとき初めて寺院に参って助けられて、そこからどっぷりではないけどお参りするようになったし、人智を超えた存在みたいなものを信じるようにもなった」

 台北に来てさほど間がない頃、さすがに気丈な辰美さんもいろいろと不安や怖いことがあり、ある男に頼ってしまった。