岩井志麻子「オンナのウラガワ ~名器大作戦~」

第170回 きれいに卒業できない女たちのウラガワ(2)

2018/03/19 23:00 投稿

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オンナのウラガワ ~名器大作戦~
第170回 きれいに卒業できない女たちのウラガワ(2)


◆もくじ◆

・きれいに卒業できない女たちのウラガワ(1)

・最近の志麻子さん 
 4/1(日)「オメ★コボシ41」開催
 河崎実監督映画に出演予定
 TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中
 「岩井志麻子のおんな欲」連載中
 カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
 MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

・著者プロフィール

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前号にひきつづき、アジアのA国出身の通称ミミのエピソードをお届け!

日本人駐在員向けの高級ラウンジで働いていた過去を持つミミ。
覚醒剤の密売グループに入り日本で逮捕されてしまったというニュースが、そのお店のママのもとに届いた。
ミミと一緒に会社をやっていたステラは、ママに泣きついてきたのだが……。


バックナンバーはこちらから↓
http://ch.nicovideo.jp/iwaishimako/blomaga

2014年11月~16年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
2017年1月「自分を重ねてしまう若者たちのウラガワ
2月「冬に聞いた奇妙な怪談のウラガワ
3月「春のさなかに聞いた怖い話のウラガワ
4月「木の芽時な人達のウラガワ
5月「五月だけどさわやかになれない人たちのウラガワ
6月「面識なしでも喜怒哀楽を喚起する人々のウラガワ
7月「ほんのり怖い人達のウラガワ
8月「真夏なのに秋の予感な有名人たちのウラガワ
9月「私が見たテレビの中の人のウラガワ
10月「大人だけど枯れるには早い人たちのウラガワ
11月「年下韓国人夫とのアジア旅のウラガワ
12月「捨ててもいいじゃないかのウラガワ
2018年1月「命や生きることについて考えたウラガワ
2月「人はなかなか変わらないのウラガワ


※2014年10月以前のバックナンバーをご購入希望の方は、本メルマガ下部記載の担当者までお知らせください。リストは下記です。

2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

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 自分に縁がなくなっても、三月は卒業式シーズンだとしみじみしてしまう。とはいえ学校じゃなくても何かを卒業する、ってことはある。二日酔いは卒業したいと、もう二十年くらい願ってるのに留年しっぱなしだし。

 そういう、学校ではなく「人生の何かの卒業にまつわる哀しい話」を今月は書いている。勉強し直して来年こそは祝福される卒業をして、桜の季節につなげたいとも思いながら。

 さて。今回は前回の続きとなる。アジアのA国出身の才色兼備、ミミ。日本の有名大学を卒業してあらゆることに自信満々だった彼女は帰国し、A国と日本のハーフのママがいる高級ラウンジに勤める。
 そこで売れっ子になるが、同僚ホステスのステラに誘われて一緒に他店に移る。

 当然ママは怒ったが、元がお人好しなのでミミのこともステラのことも許し、心配してやっていた。そんなミミが案の定といっていいのか、日本で事件を起こす。

 ステラと共同で通訳の会社を作っていたミミは、そこに依頼してきたA国のワルどもにそそのかされ、覚醒剤の密輸に関わってしまったのだ。

 日本の空港で待ちかまえていた警察に逮捕され、拘留。しかし母子家庭で育ったミミは、お母さんを心配させたくないと身元引き受け人にステラを指名する。

                    ※

「ステラがいわゆる天然だってのは、もう志麻子さんにさんざんいったと思うけど」
 ママもまた天然ぽいといっていいのか。日本人とのハーフだが、A国独特の大らかな気質なのか。ともあれステラは日本に飛び、ミミと留置場で再会、いや、面会した。このときのあれこれもすべて、ステラはママの店にやってきて話してくれたという。

 少なくともステラは、ママの店を勝手に辞めて他店に移り、て売れっ子のミミまで引き抜いたことも、ママの店を無事に卒業しました~、くらいに考えている。
 ましてや、恩師に迷惑かけて退学したようなもの、とはまったく思ってない。そしてママもまた怒りながらも、教え子だった子はもう今は関係ないと突き放せないのだ。

「密売組織のワルどもは、前科が山盛りの筋金入り。お嬢さんのミミはそそのかされただけ、利用されたある意味では被害者かもしれない、って見方もあったから。A国の報道では、ミミだけ身元を隠されてたしね。
 その時点では、ミミは早々に釈放される可能性も少しはあったの」

 

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