岩井志麻子「オンナのウラガワ ~名器大作戦~」

第121回 常夏の国で生きる女の秋のウラガワ(1)

2016/11/05 19:00 投稿

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オンナのウラガワ ~名器大作戦~
第121回 常夏の国で生きる女の秋のウラガワ(1)


◆もくじ◆

・常夏の国で生きる女の秋のウラガワ(1)

・最近の志麻子さん
 TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中 
 11/8(火)イベント「シャバクラ!GOLD」出演
 「岩井志麻子の千夜玩具物語」連載中
 カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
 MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

・著者プロフィール

===

近隣アジア諸国が大好きで、たびたび訪れる岩井さん。
それら常夏の国で、人生の秋を過ごす女たちも居る。
今月はそんなエピソードをお届け。

台北市内のあるバーに馴染みとなった岩井さんが目にしたのは、ママから一人のホステスが怒られている姿。別のホステスに話を聞くと、日本人客に一目惚れしたが故の困ったことが起きていて……。

バックナンバーはこちらから↓
http://ch.nicovideo.jp/iwaishimako/blomaga

2014年11月「「そんなプロもありか」な人達のウラガワ​
12月「「殺人者」たちから聞いたウラガワ
2015年1月「「大人の冬休みの日記」なウラガワ
2月「「大人の冬休みの日記のつづき」なウラガワ
3月「ベトナム愛人との旧正月のウラガワ
4月「春の喜怒哀楽のウラガワ
5月「韓国人夫の失踪届けを出したら……のウラガワ

6月「ホラー作家まわりの怪異のウラガワ
7月「異国の夏休みのウラガワ
8月「そろそろ怖い目に遭う予感のウラガワ
9月「秋風に謎めく過去のウラガワ
10月「人生の秋を生きる女達のウラガワ
11月「「結婚」に振り回される女達のウラガワ
12月「出版業界の仕打ちのウラガワ」ほか
2016年1月「会えなかったけど気になる女たちのウラガワ
2月「接点がないのに気になる人たちのウラガワ
3月「嘘をつかずにいられない人たちのウラガワ
4月「春のおかしなお便りの数々のウラガワ
5月「距離感のおかしい人たちのウラガワ
6月「台湾から連れてこられたある女性のウラガワ
7月「大人の夏の観察日記のウラガワ
8月「大人だからわかる怖い話のウラガワ
9月「『志麻子のヤバモンGO』なウラガワ
10月「取り返せない夏の思い出のウラガワ

※上記以前のバックナンバーをご購入希望の方は、本メルマガ下部記載の担当者までお知らせください。リストは下記です。

2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

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 たびたびこの連載でも書いてきたが、私は近隣のアジア諸国が大好き。夫がいる韓国を除けば、何度も繰り返し行ってしまうのは常夏の国々だ。

 長年の愛人がいるベトナム。このところ個人的なブームが来ている台湾。二度目の結婚式まで挙げてしまったタイ。先日も、レギュラー出演しているテレビ番組で遅すぎる夏休みをもらったので、久々に一週間以上の旅行をしてきた。

 まずは仲良しの女友達がいる台湾に行き、台湾の空港からベトナムに発った。いつもならベトナム愛人の話と、韓国にいる夫の話を中心に書いてしまうところだが。

 今月は私には直接的にはあまり関係なかったり、もう二度と会うことはないかもしれない現地の女達について書く。夏しかない国の女達だが、彼女らの人生には秋があった。

 関係者に配慮し、すべて仮名で設定を少し変えてあるのを先におことわりしておく。

                    ※

 台北市内で日本人の旦那さんとバーを経営する日台ハーフのママは、チャイナドレスのよく似あう私と同世代の美熟女だ。

 旦那さんは滅多に店には出てこず、ママが采配をふるっている。台湾人ホステスが十人くらいいるのだが、みなさんレベルの差はあれ日本語ができる。

 何度かその店に行って馴染みとなり、気に入りのホステスも二人ほどできてしまった私。適当に台子と湾美としておくが、近寄りがたい美女ではなく親しみやすい庶民的な可愛い子ちゃんで、ノリもいい。台子は店の指名ナンバーワン、湾美はチーママだ。

 その二人、何より日本語がうまいのだ。挨拶くらいの台湾語しか知らない私にとっては、なんたってそこんとこが重要だ。

 その日も店はにぎわっていたが、ちょっと客が途切れたときにママがある一人のホステスをカウンター席の隅に連れて行き、何やら深刻そうな話し合いを始めた。

 台湾語がさっぱりわからない私にもママが真剣に怒っていて、ホステスが反抗的にむっつりふてくされているのは見ればわかる。

 どうしたのあれ、と台子と湾美に聞けば、二人が交互に以下のような話をしてくれた。

「あの子、リンダっていうんですが。店に来た日本人客に一目惚れして猛アタック、一発だけヤッちゃったんですよ。それでのぼせ上がっちゃった」

 

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