視聴率データは、ビデオリサーチ・インタラクティブ社の「Mobile Media Measurement for i-mode」から提供していただいている。ただし、対象キャリアはNTTドコモのみ、また スマートフォンは対象外としている点にご注意いただきたい。
4月から注目を集めていた、コンプリートガチャへの規制が7月1日より実施された。各社5月には自主規制に乗り出し、6月以降は新たなコンプリートガチャを提供しないことを決定していた。この対応が、各サービスを利用していたフィーチャー・フォンユーザーの利用傾向にどの程度影響を及ぼしたのか、早速7月の視聴率データを見ていきたいと思う。
携帯サイト視聴率 トップ20
まずは全携帯サイトの視聴データランキングからトップ20をご紹介しよう。
それぞれの携帯サイトに関して、推定接触者数(千人)、リーチ率、平均訪問回数、推定視聴ページ数(千PV)、平均視聴ベージ数、平均滞在時間が調査されている。なお、ameba.jpの数値にはameblo.jpを、mixi.jpの数値にはmixi.netを、twitter.jpの数値には twtr.jpをそれぞれ含んだ統計値としている。
ソーシャルメディア系では、Ameba(Amebaモバイル)が 前月の5位から一つランクを下げ6位、続いて Twitter 17位、Facebook 20位との結果であった。特にFacebookは前月の28位から大きく順位を上げている。また、リーチ率ではそれほど目立たないソーシャルメディア系サイトだが、訪問回数や滞在時間では突出しており、他の携帯サービスと比較して圧倒的なスティッキネスを誇っていることがデータから解る。
この中から、ソーシャルメディア系携帯サイト6サービスを順位順に抽出すると、以下のような結果となっていた。
接触者数及びリーチ率ではAmeba、平均訪問回数、視聴ページ数、平均滞在時間ではGREE、Mobageとそれぞれ強い分野が明確に表れている点が興味深い。Facebook及びTwitterは他のソーシャルメディア系携帯サイトと比較すると、利用者数は多いが、滞在時間が短く、視聴ページ数も少ない。
推定接触者数、推定視聴ページ数、推定総滞在時間の時系列推移について
続いて、これら6サービスの推定接触者数、推定視聴ページ数、推定総滞在時間をそれぞれ時系列で比較していく。なお、推定総滞在時間は、推定接触者数に平均滞在時間をかけ合わせることで算出している。また、この調査は携帯シェア45%のドコモを対象としている点、現時点ではスマートフォンが対象外となっている点などから結果に関してはあくまでも、参考値として提示させていただく。
まず推定接触者数をみると、Amebaが18ヶ月連続でトップを維持しており、続いて Twitter、Facebook、mixi、GREE、Mobageの順となっていた。フィーチャー・フォンからスマートフォンへの移行の影響から、前月まで各サービス全体的にダウントレンドが続いていたが、Mobage及びFacebookが若干訪問者数を伸ばしている点が興味深い。
なお、4社のスマートフォン対応や業績比較については、下記記事に詳細を記載している。
・ 直近決算発表に基づくmixi、GREE、Mobage、Amebaの業績比較 (2012/8)
この2つのチャートは、推定視聴ページ数(上図)と推定総滞在時間(下図)の時系列推移である。視聴ベージ数では5ヶ月ぶりにGREEがMobageを抜きトップとなっていた。また、上位2サービスがダウントレンドの中、Ameba、mixiに関しては微増ではあるが、増加傾向が確認され、特定の利用者層が定期的に利用しているシーンが推測される。TwitterとFacebookは他のサービスと比較すると視聴ページ数及び滞在時間が少ない。
利用者属性(学生、主婦、職業人)別、リーチ率と平均滞在時間について
属性別 (職業人、学生、主婦、無職他) のリーチ率と平均滞在時間を見てみよう。
リーチ率では前月同様、全ての属性(職業人、学生、主婦、無職他)を通してAmebaがトップとなっている。学生は比較的どのサービスも利用している傾向が高く、他の属性と比較するとFacebook及びTwitter、mixiの利用率の高さは目を引く。
最後に、属性別の平均滞在時間を見てみよう。職業人、学生、無職他の3タイプの属性では、GREE、Mobageの滞在時間が他のサービスよりも長い。また、主婦層では、GREE、mixiの滞在時間が長い一方で、他の属性と比較するとMobageの利用時間の短さが特徴的である。
多機能携帯からスマートフォンへと生活者の乗り換えが進むにつれ、更に多機能携帯から各メディアへの訪問者数は減少傾向を強めることが予測される。各ソーシャルメディアサイトが、多機能携帯ユーザーをもれなくスマートフォンに移行できるかという点はもちろん、このパラダイムシフトに乗じてどこまでシェアを伸ばせるかという点についても注目していきたい。
■ 利用視聴データについて
視聴率データは、PCがネットレイティングス社「Neilsen Netview」、携帯がビデオリサーチ・インタラクティブ社の「Mobile Media Measurement for i-mode」から提供していただいている。ただし、携帯視聴率の方は、(1)対象キャリアはNTTドコモのみ、(2)スマートフォンは対象外 としている点にご注意いただきたい。また、NTTドコモから毎月発表されている月次iモード契約者数では、2012年6月iモード契約者数を4,033万人と発表している。
■ モバイル・インターネット視聴データ Mobile Media Measurement(β) について
ビデオリサーチインタラクティブ社の提供するMobile Media Measurementは、アクチュアルでのモバイル・インターネット視聴データを取りまとめたものを、ASPによるサービスにて提供するもので、i-modeユーザー版とYahoo!ケータイユーザー版があります。詳細は ビデオリサーチインタラクティブ モバイル・インターネット視聴データまで。
- 調査対象者 全国の男女15歳以上のi-mode利用者
- 標本抽出法 ドコモプレミアクラブ会員より抽出
- 視聴データ取得方法 NTTドコモの「iモードアクセス履歴検索サービス」に調査対象者が加入し、定期的にアクセス履歴データを取得し、VRIにデータ転送
- データ更新頻度
- 調査標本数 2010年8月時点/約2600サンプル (ただし毎月変動します)
過去データはこちらからどうぞ。「ソーシャルメディア視聴率」
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">by 関根 健介