ブログメディア「in the looop」では、毎月デバイス別(PCと多機能携帯)にインターネット視聴率をレポートしている。
- PCはニールセン社「Neilsen Netview」
- 携帯はビデオリサーチ・インタラクティブ社の「Mobile Media Measurement for i-mode」
当記事では、2012年7月度の ニールセン・インターネット視聴率をお伝えする。
データ元は、ニールセン社 提供によるインターネット利用動向調査「Nielsen NetView」サービス。対象は「一般家庭および職場のPCユーザー」としている。
全体概要から見ていく。訪問者数ではFacebookが 1,603万人(前月比99.7%)と前月同様にトップを維持している。他のサービスでは、Twitter 1,392万人(前月比103.3%)、mixi 613万人(前月比94.8%)、Google+ 430万人(前月比88.5%)、Linkedin 26万人(前月比81.0%)となっていた。一方、平均訪問時間では依然としてmixiが圧倒的に長く、158分(前月比113%)となっている。なお、本調査におけるTwitterの訪問者数には専用クライアント(TweetDeck, Hootsuite等)のアクセスは含まれていないため、実際のTwitterユーザー数はもう少し多いはずだ。
なお、このデータはあくまでPCを前提とした訪問者数であり、以下の点に注意する必要がある。
- フィーチャーフォンやスマートフォンからの訪問者数を含んでいない。
- 非会員の訪問、すなわち各SNSトップページへの訪問者やオープンなページ(Facebookページ、mixiページ)への訪問者を含んでいる。したがってアクティブ会員数とは一致しない。
- PCはWindows PCのみであり、MACやタブレットPCなどは含まない。
- 視聴率測定しているのは家庭と職場のみであり、学校やネットカフェなどからのインターネット利用は含まれていない。
これら5サービスの訪問者数を時系列推移で表すと次のようになる。
Facebookに関しては、5月に株式市場上場で大きく話題となり訪問者数を急増させTwitterの訪問者数を追い抜いて以来、トップを維持している。一方、前月に人気アイドルグループ AKB48 「AKB48 27th シングル選抜総選挙」とGoogle+との連動企画「AKB48 選抜総選挙+1」などが功を奏し、訪問者数が急増していたGoogle+も7月は通常の状態に戻りつつある。
【ニールセン社のコメント】 ニールセン社は2011年10月データよりmixiの集計対象URLの変更をおこないました。これにより2011年10月以前と以降のデータの継続性は失われています。弊社ではデータ公表時点でのデータを公式データとしていますので、集計対象URLの変更を過去データに遡って反映させません。しかし、mixiの利用状況の把握に誤解が生じる可能性があるため、時系列利用動向グラフにのみ参考値として、2011年10月に集計対象から外したURLを含まない訪問者数を線形でのみご提示させて頂いております。
ニールセン/ネットレイティングスのコメントにある通り、2011年9月まではmixiの推定訪問者数に外部サイトで「イイネ!」ボタンが表示されたユーザーも含まれていた。グラフにおける濃いオレンジのラインだ。それに対して2011年10月以降は、その数値を除外したことで集計値が大きくダウンした。過去にさかのぼって「イイネ!」ボタンを除外した数値である mixi(参考値)は薄いオレンジのラインで表示している。この集計方法の変更により、mixiは3位に後退している。
次に、5サービスのページビューと訪問時間を時系列推移で見てみよう。
ページビュー、訪問時間の両指標においてFacebookがトップを維持している。また、Facebookとmixi が、増加傾向に転じていることが解る。
ミクシィに関しては、昨年11月から本格導入された、ソーシャルゲームなどが功を奏していることが推測される。
ミクシィから、8月3日に発表された2012年度 第一四半期決算説明会資料において、昨年11月から開始した一部課金式の「mixi ゲーム」が好調に推移し、売上高が前年同期比18.5%増の35億円、最終利益が3.8倍の5億6200万円となったとの報告がされていた。
次に、5サービスの訪問者の重なりデータをチェックしてみよう。
この表は、たとえばmixiユーザーの56.2%はTwitterを、61.6%はFacebookを、16.7%はGoogle+を2.1%はLinkedinを利用しているということを表している。各メディアにおいてFacebookの重複利用の割合が高いことが注目に値する。mixi、Twitter、Google では、重複利用ユーザーの割合が約6割。Linkedin にいたっては、9割強のユーザーがFacebookを利用していることが確認できる。
最後に、各サービスの訪問者属性を見てみよう。
mixiは女性の割合が5割弱、かつ、20代までのユーザーが3割弱と他のサービスよりも、年齢層が若い女性ユーザーの割合が高いサービスとなっている。一方でFacebookは男性の割合が高い、かつ、年齢層は40歳以上が6割弱となっている。Google+、Linkedinともに現時点では男性ユーザーに偏りがある。なお、mixiからはアクティブ会員の属性が発表(mixi 2012年度 第1四半期及 決算説明会 資料 p30)されており、それと比較すると、女性および若年層の割合が更に高いことが解る。この差異は、mixi発表資料には携帯・スマートフォンのみで利用しているユーザーが含まれているためと推測される。
職業分布を見ると、mixiとTwitterの構成比が類似している。いずれのサービスも6割以上がビジネスパーソンとなっている。Linkedinは世帯年収で700万以上のユーザーが5割強と、高所得者のビジネスパーソンの割合が高いメディアである。他の4サービスは世帯年収の構成比に大きな違いは見られない。
■ インターネット利用動向調査「Nielsen NetView」に関して
インターネット利用動向調査「Nielsen NetView」は、日本のウェブサイトの利用状況を毎週、毎月ウェブサイトごとにユニーク・オーディエンス(当該期間に1回以上、ウェブサイトを訪問/視聴したとされる、同一人物の重複を除いた推計利用個人数)などのデータとして契約顧客向けにニールセン株式会社がレポートを提供しているものです。 詳細は ニールセン株式会社 お問い合わせ窓口まで。
本調査に関連する過去データは「ソーシャルメディア視聴率」からどうぞ。
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