さて、フェスのスピーカー前田さんからのバトンを受け取りました。
KAIZENからイノベーションへ
もともと、私たち日本人は農耕民族であり、ムラで協力して、物事を成し遂げる力を持っています。その力は、モノづくり大国ニッポンとも言われ、世界からその強さを認められ、今の日本があります。
そして、今。予測不能な環境変化に向き合い、柔軟に、かつスピーディに対応する力が、生き残るために必要と言われています。環境変化に対応するために、今はどこの企業もこぞって、「変革」「チャレンジ」を掲げています。上場企業の中期計画をみてください。どこかしら、必ずキーワードとして入っているでしょう。
しかし、私たち日本人は、一つのことをコツコツとやり遂げ、改善を続ける力はあっても、ドラスティックにモノゴトを変える、そんな力が弱いとも言われています。
米作りに勤しみ、雪が降る季節はじっと耐え忍ぶ、そんな祖先を持つからかもしれません。
これまで日本企業は、コツコツと改善を積み重ねて来ました。「KAIZEN」は、いつしか世界の共通言語となり、日本の強さの象徴になりました。
しかし、今求められているのは、「KAIZEN」ではなく、「イノベーション」なのです。
イノベーションと言って思いつく事例は多々あります。
しかし、そんなに簡単にイノベーションなんて起こせるのでしょうか。
日本人がイノベーションを起こすためには、顧客の声に忠実であることが必要です。
市場に残り続けるために、他社より少しでもよい製品・サービス、「すごい」モノづくりにうちこむあまり、過剰な機能を詰め込みすぎて、ガラパゴス化したメイドインジャパン製品たち。
こういったことがなぜ起きたのか。
顧客の本当の声が届かなかったのかもしれません。
前置きが長くなりましたが、こういったことを解消できるのが、エンタープライズソーシャルだと考えています。
エンタープライズソーシャルが持つ力
私たちは、社員であるとともに、エンドユーザーでもあります。
製品・サービスを、エンドユーザー視点で捉え、本質的な価値を捕まえることができるはずです。
売れなければ、「企画のせい」、「営業のせい」、「広告のせい」、ではなく、社員全員が何かしら関与し、スピーディにPDCAを回すことが必要なのではないでしょうか。
- エンドユーザーとしての声のフィードバック
- 気づきや発見の共有
- 顧客の声や動き、競合の動きの共有
など、一人の担当の二つの目、二つの耳だけでなく、3000人の企業なら、6000個の目と耳を使う。
そうやって、社員同士が様々な意見を出し合い、時には信念同士がぶつかり合い、そこから顧客志向のイノベーションが生まれると、私は信じています。
取り組みを続ける中で、自発的で行動力が高く、熱い社員が仲間を見つけることで、強くなり、増加します。そんな中、口を出せずに、見ているだけの人もたくさんいるでしょう。むしろ、そちらのほうが圧倒的なボリュームなはずです。
しかし、声にはならなくても、彼らが持つ知識や知恵、気付きを様々な方法で集めて集約し、それをもとに議論を進めることで、より顧客志向の製品・サービスが生まれ、改善が繰り返されていく。
それがエンタープライズソーシャルに求めることではないでしょうか。
だからこそ、エンタープライズソーシャルは入れることが終わりではないのです。
むしろ、最大限の活用をしない限り、本来の役割は果たせていないと思ってもらいたい。
フェス当日は、
- 今の組織に起きていること
- エンタープライズソーシャルは万能薬ではないこと
についてもお話ししたいと思います。
では、IBM大川さん、バトンタッチ!
by 森口 静香
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