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エンタープライズ・ソーシャルネットワークとは何か? – 8月1日のフェスティバルを前に

2013/07/10 09:00 投稿

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8月1日(木)の夜、「エンタープライズソーシャル・フェスティバル 2013」が開催されますが、下記4人によるパネル・ディスカッションのモデラー、およびフェス全体の副司会をやることになりました。

 

(ありがたいことに大変好評で、すでに申し込みは終了させていただいております。「どうしても参加したい!」という方は、その意気込みが伝わるメッセージを私Pachiまでお送りください。)

 

    パネルディスカッション

   『エンタープライズソーシャルネットワークを成功させるためのポイント』

   モデラー:日本アイ・ビー・エム株式会社 八木橋 Pachi 昌也
   パネラー:日本アイ・ビー・エム株式会社 大川 宗之
        株式会社 ソフィア 森口 静香
        株式会社 CSK Winテクノロジ 前田 直彦
        株式会社ループス・コミュニケーションズ 岡村 健右

 

先日パネリストの皆さんと大体の流れを打ち合わせたのですが、その際にお申込み時に記入いただいた質問を見てみました。

 

数も多く範囲もさまざまで、なかなかディスカッションで多くを取り上げるのは難しそうです。
また、無理に多くの数を取り上げても、エンタープライズ・ソーシャルネットワークの本質的なところが見えづらくなってしまったり、特定の面ばかりがクローズアップされてしまう可能性も高そうです。

 

そんなわけで、フェス当日は少しでも「深イイディスカッション」ができるように、事前にここin the looopの『エンタープライズソーシャル』で、パネル参加者それぞれが考える「エンタープライズ・ソーシャルネットワークとは何か」を書いていこうということになりました。

 

まずは私が先陣を切らしてもらいます。

 

 

■エンタープライズ・ソーシャルネットワークとは何か

 

企業内の個人が、業務を中心としたコミュニケーションやコラボレーションに個性と多面性を発揮し、生産性の向上と共創性に寄与するためのプラットフォームであり職場そのもの。

 

どうでしょう。私の中では「ズバリ!」な定義を書いたつもりですが「漠然とし過ぎて分からない」という方が多そうな気がしています。

(ひょっとしたら「まったく意味不明」という方もいらっしゃるかもしれませんね)

 

また、短いフレーズで説明しきれるとは私自身も思っていませんし、一方的に言葉を渡されて理解できるタイプのものでもないでしょう。

 

ということで、いただいている質問に答えることで、私の思う「エンタープライズ・ソーシャルネットワークとは何か」をより理解してもらえるのではないかと思っています。

 

 

■質問の種類

 

いただいた事前質問を見ていくと、大きく下記5つの「視点」に分けられるようでした。

(あくまでも「視点」です。実際の立場や役割り・役職とは関係ありません。)

 

  1. 経営者の視点(この技術・製品の可能性と対投資効果を知りたい)
  2. 研究者の視点(この技術・製品を分析・研究したい)
  3. 管理者の視点(この技術・製品で問題を発生させたくない)
  4. 推進者の視点(この技術・製品で問題を解決したい)
  5. ベンダー視点(この技術・製品で儲けたい)

 

しかし「2. 研究者」と「5. ベンダー」の視点から出てくる質問は、結局1,3,4の以下の視点に集約できそうです

 

  • 可能性と対投資効果を知りたい
  • 社内に問題を発生させたくない
  • 社内の問題を解決したい

 

そんなわけで「経営者、管理者、推進者」のそれぞれ代表的な質問に、私なりの答えを書いてきます。

 

 

■いくら儲かりましたか

 

非常にストレートな質問です。そして経営陣にはとても気になる質問だと思います。

ただ、誤解を生みやすい質問でもあります。

 

先ほど「エンタープライズ・ソーシャルネットワークとは何か」という問いに「生産性の向上と共創性に寄与する」と書いたとおり、エンタープライズ・ソーシャルは収益を上げることにも支出を減らすことにも大きな貢献をするツールです。

 

ただ、「業務を中心としたコミュニケーションやコラボレーションに個性と多面性を発揮」とも書いているように、インフラ的な要素も大きく具体的に「どこでいくらどう儲けたか」を算出するのが非常に難しいところです。

 

それよりは、エンタープライズ・ソーシャルネットワークが社内にもたらす「儲け」の要因として、以下を捉えてみてはいかがでしょうか。

 

タテ・ヨコ・ナナメの関係の社内の仲間たちとの豊かなコラボレーション経験
  → 社員のより主体的・積極的なビジネスへの関与
    → お客さまへの高い価値・満足度のデリバリー
       → 売上げ向上

 

よく言われる例えではありますが、「携帯電話を社員に配布していくら儲かったか」と聞かれても、お客さまやバックオフィスとのタイムリーなコミュニケーションがどれだけ直接的な売上増につながっているかは、計算ロジックの立て方一つでいくらでも変わってしまいます。

 

いろいろと書きましたが、具体的な数値にあまり意味があるとは思えないため、以下の答えとさせていただきます。

 

たんまり儲かってます!!

 

 

■ソーシャルでない壮年世代をどうソーシャルにできるか秘策は?

 

残念ながら「ソーシャル」でない人をソーシャルにはできません。

ここは頑張るのは止めた方がいいと思います。

 

…と書くと、「それではソーシャルを諦めろというのですね!」と思われるかもしれませんが、そこは違います。

 

相手が理解できないものを、同じ説明で繰り返すことをコミュニケーションとは呼びません。説明とは呼びません。

 

相手が分かるところを探り出し見つけ出し、そこを突破口にして拡げていくことこそが説明の、コミュニケーションの真髄ではないでしょうか。

 

それを思えば、「ソーシャルでない壮年世代」へのアプローチは自明です。

彼らの仕事や業務の文脈にあてはめてソーシャルを説明し、理解できそうな入り口を一緒に見つけ、その部分からソーシャルに取り組んでもらえばいいのです。

 

場合によっては、「ソーシャル」という言葉自体使う必要もないかもしれません(心理的な抵抗が強そうなケースなど)。あなたの欲しいものと相手が欲しいもの、みんなが欲しいものと会社が欲しいものを上手に擦り合わせていきましょう。

 

 

■「遊びの要素」ばかりにしないためにはどうしたら良いのか

 

質問に質問で返すのは反則かもしれませんが、敢えて質問します。

 

あなたの職場には、どれくらいの「遊び」が含まれていますか?

デスクにいるときや打ち合わせでミーティング室にいるとき、そこにはどれくらい「遊び」がありますか?

 

再び「エンタープライズ・ソーシャルネットワークとは何か」に戻りますが、「プラットフォームであり職場そのもの」と書きました。

 

ここで言わんとしているのは、エンタープライズ・ソーシャルが、仕事をする場所になっているかどうかが大切だということです。

 

エンタープライズ・ソーシャルを息抜きの場、コミュニケーションだけの場として設計してしまっては、そこに来るユーザーが遊びに来るのは当然です。

 

例えば町に公園が作られたとして、「ここで遊んでばかりじゃ困ります。ここは近所の人たちと知り合い、意見を交換する場所なのですから」と言われたらどう思いますか?

 

オンラインでもオフラインでも同じです。

作った側の勝手な言い分や理屈は受け入れられませんし、また、無理に受け入れさせようとすれば「表面的な使用」にとどまるでしょう。

 

話が抽象化し過ぎたようです。

「遊びの要素ばかりにしない」ために必要なのは、遊び以外の要素です。

遊び以外を、つまり仕事をソーシャル上でできるようにしましょう。

 

プラットフォーム(ツール)の機能そのものがそうした要素を持っていることも重要ですし、取り上げるテーマやトピックも意識的に仕事のことを取り上げていくことが大切でしょう。

 

1つ前の質問「壮年世代へのアプローチ」で、仕事や業務の文脈にソーシャルをあてはめるということを書きましたが、ここでも同様です。

 

日常業務や毎週・毎月の決まった業務にソーシャルを組み込んで行きましょう。

今やっている業務の中で、より便利になったり発展性があったりするものを、現場の人たちと相談しながら見つけて、擦り合わせていきましょう。

 

そうしているうちに、優位さや便利さを見出したユーザー側が自ら適用範囲を広げていき、じょじょに遊びと実務のバランスは変わっていくでしょう。

誰だって便利なものは好きですからね。

 

それに、ソーシャルは「オンラインの職場」なのですから、「あの人は四六時中職場で遊んでばかり」とは誰しも思われたくないですよね?

 

 

 ぜひ、8月1日にご参加されるいただける方は、会場で直接ご意見や感想をお聞かせください。

また参加できない方は、Facebookなどでコメントを送っていただけると嬉しいです。

 

それでは、「エンタープライズ・ソーシャルネットワークとは何か」のバトンをCSK Winテクノロジ 前田さんにお渡しします。

いやーフェスティバルが楽しみです!

 

Happy Collaboration!

 

 


八木橋 Pachi 昌也

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