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実在した!リアル空飛ぶ広報室にみる広報マインド10ヶ条

2013/06/26 09:30 投稿

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Looops岡村(健)です。 

今週の日曜日、航空自衛隊が部隊がモデルとなったTBS「空飛ぶ広報室」が最終回を迎えました。平均視聴率は12.6%、最終回の視聴率は15.3%を記録しました。

 

【毎日新聞デジタル】空飛ぶ広報室 : 最終回視聴率は最高の15.3%

 

「空飛ぶ広報室」原作の実際のモデルとなった方にお話を聞きに行くという広報さんの集まりのイベントがある。ということを耳にし、是非聞いてみたいということで無理矢理、一緒に連れて行っていただきました。場所は浜松市の航空自衛隊基地内にある航空自衛隊 浜松広報館(エアーパーク)。柴田恭兵さん演じる鷺坂広報室長のモデルになった荒木正嗣 航空自衛隊浜松基地指令に話をお聞きました。

 

 

 

 

1.航空自衛隊の広報活動は任務遂行を円滑にするためのもの

 

航空自衛隊の広報活動は単なるイメージアップのためではなく任務遂行を円滑にするためのもので、隊員がどのような目的でどのような活動を行っているのかを知ってもらい、共感してもらうことが重要である。今回の書籍、ドラマ化はその意味でも、普段伝えられないような内容や想いを伝えることができ大きな貢献を果たした。またドラマを見た隊員の士気も上がり、家族や関係者も理解を示してくれるようになった。

 

 

2.主役は装備品よりも隊員!自衛隊員も普通の人!

 

戦闘機のような飛行機などの装備品が注目されることが多いが、隊員の素顔、任務に対する想いを伝えることで親近感を持ってもらうことが重要である。以前は戦闘機がバーン、装備品がドーンと広報ポスターに出ていただけであったが、どういう隊員がいるのかを理解してもらわないといけない。働いているのは人間なのだから取材を受けても、できるだけ現場の隊員の生の声で語ってもらうほうが説得力も出る。

 

 

3.広報は特別な仕事ではない

 

航空自衛隊には広報の専門家はいない。みんな3年で部署を変わっていく、長い人でも5、6年。広報の仕事は特別な仕事ではなく、どんな仕事でも基本は同じ。 

 

 

4.総論賛成、各論反対に負けない

  

大きな組織になればなるほど「広報って重要だよね」と普段言っている人でも、協力してくださいとお願いすると仕事が忙しくてそれどころではないという人も多く、それに負けない活動をしていかなければいけない。それには現場との信頼関係の構築が必要になる。信頼関係を構築するためには広報が美味しいところばかりでていくのではなく、現場を輝かせ、広報は裏方に徹する。

 

 

5.広報は裏方に徹する

 

現場を輝かせ、危機から現場を守る。危機管理ポストとしての広報が大切。その後にPR。そうして初めて国民の信頼が得られる。そしていいときの話は現場の人にインタビューしてもらい広報がサポートすれば良い。

 

 

6.心意気の広報(人生意気に感ず、功名誰か複論ぜん)

 

広報の仕事はやればやるほど雪だるま式に仕事が増えてくる。やればやるほど特別な手当をもらえるわけではない、異議に感じてやるべきだ。人間というのは打算的に行動するだけではなく相手の心意気ややりがいで動く必要がある。

 

 

7.リーダーの仕事は正しい方向性を示し、環境を整えること

 

自ら動き、根回し、トップを押さえ部下に後ろ盾を与える。正しい方向性を示してあげる、ムダな仕事はさせない。牧場で放牧させて自由に草を食べさせる。柵を越えたダメ出しをしたのは3年間の任期で一度だけ。

飲み会などで自分の考えを部下に伝え、理解してもらいその考えの範囲で自由に動いてもらう。

 

 

8.勇猛果敢、支離滅裂(スピード、柔軟性)

 

自衛隊は大きい組織であるため稟議を上げる場合には下からの積上げの仕事になりすごく時間がかかってしまう。それだとメディアのスピードについていけない。根回しに自ら動き、まず関係部署のトップを押さえる。関係部署にスタンスペーパーで方針を伝え、周りを押さえた上で、スタンスペーパーを元に部下に仕事を自由にさせる。航空自衛隊は秒単位で動くため、ある程度の権限が現場に委任されているため、メディアのスピードについていきやすい。トップも含めて頭が柔らかく、ドラマで広報室長が幕僚長に会見で間違いを指摘するシーンがあったが、他の官公庁では考えられないと思う。

 

 

9.チームワーク、組織的な活動が重要

 

広報室は小規模部隊なのでチームワーク、組織的な活動が重要。1+1を3にする必要がある。

 

 

10.守りきれているときが攻め時

 

本来任務を確実に遂行できていることが攻めの広報の前提。守りの仕事(守りの報道班。民間の広報機能に当たり、危機管理やそれぞれの事案の報道対応を行う)を問題なく遂行していないと、攻めの広報(広報班はPR)をすることはできない。実態のないブランドでは意味がない。

  

 

ひとこと(Looops岡村健)

 

実際には報道記者とのやりとりが一番厳しいなどのウラ話をたくさん聞かせていただきましたが、荒木指令の柔軟な考え方謙虚な姿勢が空飛ぶ広報室を生み出しているんだなあ、と実感しました。スピードを重視するためにも根回しをしっかりとしておくこと、通常業務ができていることが前提であること、広報はあくまで裏側に徹し現場に光を当てること、という点は通常のビジネスでも全く同じで大変勉強になりました。荒木指令、本当にありがとうございました。


by 岡村 健右(おかむらけんすけ)

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