Facebookをはじめ、Twitter、LINEといったソーシャルメディアの2017年1-3月期(Q1)決算が出揃った。本記事ではFacebook傘下のInstagram、そして初めて決算をむかえたSnapchatを加え、各社が公表している最新の決算報告などを基に、各社の現状や動きを分析した。

 

後半では、投稿が「消える」サービスのDAU推移を比較した。

 

 

2017年1-3月期(Q1)MAU比較(Facebook、Instagram、Twitter、LINE)

各社の最新四半期決算資料に基づき、メディア規模の指標である月間アクティブユーザー数(MAU)の推移を比較した。

 

intheloop20171Q01

【2016年1-3月期(Q1)〜2017年1-3月期(Q1)までのMAU推移】

 

 

FacebookはMAUが19.4億人と前期比104%で、過去2年ほど前期比104%の水準を維持しながら、順調にユーザー数を増やしている。サービスの定着率を示すDAU率(DAUs/MAUs)も66%と高い水準で維持している。

 

MAUの地域別内訳をみると、引き続き「Asia-Pacific」が前期比107%と最も伸び率が高く、約4,300万人増と全体を牽引している。

 

Facebook MAU 2017Q1

(出典:Facebook決算資料

 

通信速度が低速な環境でも快適に使うことができる軽量版アプリ「Facebook Lite」に加え、同様の「Messenger Lite」をリリースするなど、先進国以外の地域へのアプローチも継続して行っており、そのような地域を含む「Rest of World」の増加も全体のユーザー数増加を牽引している。

 

 

Facebook傘下のInstagramは、2017年1QではMAUは6億人で前期から変化していないが、2017年4月26日(2017年2Q)に7億人を突破したと発表。前回発表時(2017年12月)から約4ヶ月で1億人増加した。

 

2013年2月に初めてMAUが1億人を突破して以来、1億人突破のペースが約1年→9ヶ月→6ヶ月→4ヶ月と、ユーザーの増加スピードが上がっている

Instagram MAU 20171Q

【Instagram MAU推移】

 

 

TwitterのMAUはここ1年の増加率が前期比101%程度とユーザー数が伸び悩んでいたが、2017年1Qは3.28億人で前期比103%、約900万人の増加。2015年1Q以来の新規MAU数の伸びで、復調の兆しが見える。

 

MAU同様にDAUも増加率が上昇。DAUの前年同期比114%で、過去1年の中で最も高い。

Twitter DAU growth 20171Q

(出典:Twitter決算資料

 

ジャック・ドーシーCEOが「人々が愛して毎日使ってくれるサービスを構築するという目標に向かって努力している」と発表文で語ったように、140文字制限の緩和(写真や動画は文字数に加算されなくなった)やTwitterのアプリ上からライブ配信ができるようになるなど機能面での改善が、DAU増加に影響した可能性もある。

 

 

最後に、LINEは全体MAUの発表がなかったため、上述したグラフには前期のMAUを記載している。

 

LINE主要4カ国MAU推移20171Q

(出典:LINE決算資料

 

 

前回発表でははじめてMAUが四半期ベースで減少したものの、日本を含む主要4カ国では順調にMAUが増加している。DAU率も72%とFacebookより高く、アクティブなユーザーが多いことがわかる。

日本国内MAUは6,800万人で、前期から200万人増となった

 

 

投稿が「消える」サービスDAU比較(Snapchat、Instagram Stories他)

今回はじめて決算報告を発表したSnapchatのDAUをみてみよう。

 

Snapchat DAU 20171Q

【Snapchat DAU推移】

 

前回の記事でも述べたように、「Instagram Stories」がリリースされてからのSnapchatのDAU増加率はやや停滞気味で大きな影響を受けていたと考えられるが、2017年1QのDAUは1.66億人で前期比105%となり、増加率は上昇した。

 

今月に入り、「Instagram Stories」にフェイスフィルターロケーションなど、Snapchatライクな機能が立て続けに追加された。Instagramが積極的に攻勢を仕掛ける中で、Snapchatがどのような施策を展開するのか注目していきたい。

 

 

次に、Snapchatをはじめとした、投稿が「消える」サービス(エフェメラルサービスとも呼ぶ)のDAU月次推移を以下にまとめた。

 

エフェメラルサービスDAU月次推移

【投稿が「消える」サービスDAU月次推移】

 

2016年8月に、Facebook傘下のInstagramにはじめて投稿が「消える」機能、「Instagram Stories」をリリースした。2ヶ月後の2016年10月にはDAUが1億人を突破、翌年1月にはDAUが1.5億人を突破と、早い段階でSnapchatに肉薄していることが分かる。

 

「Instagram Stories」の好調を受けて、Facebookは2017年2月に傘下のWhatsAppにも投稿が「消える」機能「WhatsApp Status」を、同3月にはFacebook本体アプリに「Facebook Stories」、Messengerに「Messenger Day」を立て続けにリリースした。

 

最新2017年4月の発表では、「Instagram Stories」のDAUが2億人「WhatsApp Status」のDAUが1.75億人と、いずれもSnapchatの2017年1QのDAU1.66億人を超えるなど、著しい成長を見せている。

 

 

 

※各社の決算資料:FacebookTwitterLINESnap

 

 

記事執筆:若月 翼(わかつき つばさ)

 

1990年山梨県生まれ。三浦海岸在住。早稲田大学スポーツ科学部卒業後、インターン期間を経てループスにジョイン。現在は企業のソーシャルメディア活用支援などに従事。in the looop編集長。最近の興味関心はスポーツ×VR。@tsubasa_waka

投稿が「消える」サービスの壮絶な戦い【2017年5月最新版】直近決算発表に基づくFacebook、Instagram、Twitter、LINEの比較in the looop | Looops communicationsで公開された投稿です。

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