一昔前は、マーケティング担当者や事業部担当者だけでは、ウェブページ1つ、ランディングページ1つ作るさえ出来ず、ウェブ制作担当者が必要とされました。
マーケティング系ツールの導入にはIT部門の協力が必須で、導入に1ヶ月かかることも珍しくありませんでした。

しかし、こういったことは今や昔の話。

シリコンバレーで普通に使われる、Webマーケティング関連SaaSを13個紹介します。

 

はじめに

このブログ記事で紹介するツールは、全てUSベースのものであり、画面などが日本語化されているのは2つ3つです。
しかし紹介するツールの大半を私も使っており、少なくとも私が使っているものは全て日本でも使えます。日本に類似ツールがないものも多く、非常に重宝しています。

 

スタートアップの方へ

これらのツールを使う理由は2つ。

1つは自社リソースのコア領域への集中です。エンジニアには、フォーム付きのランディングページを作ってもらうのではなく、自社サービスを良くすることにフォーカスしてもらいましょう。
もう1つは、マーケティングやセールスのスケーラビリティの向上です。マーケ/セールス担当が1人から2人になったから売上が2倍になった、ではあまりに寂しい。USスタートアップの人たちが苦労の末作ったいくつかのSaaSの力をうまく活用しちゃいましょう。

 

企業のWebマーケティング担当の方へ

既に複数のWebマーケティングツールを使われていると思いますが、今お使いのものを3年以上使い続けている場合、こっそり他のものを見てみても良いかもしれません。

特にシリコンバレーでは、どんどん新しいツールが生まれます。正直なところ死にゆくツールも少なくありませんが、一方、それまでの常識を覆す(エンジニア要らず、大幅な使い勝手の向上、導入手間なし、デバイスフリー、制限付き無料、過去入手できない情報がある等)ツールも多いです。

 

Webサイト/コンテンツ関連

まずはWebページやコンテンツ等、一般的にはエンジニアやウェブデザイナーがいないと制作できないものに関するSaaSサービスです。

 

1.unbounce

unbounce

unbounceは、ランディングページ作成&ABテストツールです。

ランディングページテンプレートが豊富にあり、ドラッグ&ドロップでランディングページを作れます。フォームやサンクスメールの送信もあり、エンジニアやウェブデザイナーの手を借りずにランディングページ周りを作れます。
unbounce.com

 

2.wufoo

wufoo

wufooは、入力フォーム作成ツールです。

unbounce同様、テンプレートが豊富にあり、入力バリデーション等も自動で行ってくれます(例えばメールアドレスの項目なら”@”がないとエラーになる)。
wufooは豊富なテンプレート+ドラッグ&ドロップのスタイルを確立した会社(つまりエンジニアフリーでページが作れる)であり、その先見性もありSurveymonkey社に35ミリオンドルで買収されています。
wufoo.com

 

3.hellobar

hellobar

hellobarは、ツールバーを表示するツールです。(上の画像の最上部の赤いバーの部分)

多くのWebマーケティング系ツールの管理画面には「お知らせ欄」がありますが、運用が案外手間であり、何よりコア機能ではないにも関わらず開発が必要です。さらに悲しいことに「お知らせ欄」はツールの利用ユーザーにあまり見てもらえない場合も少なくありません。
その機能をSaaSで提供するのがhellobarです。
www.hellobar.com/

 

集客関連

集客はGrowthのための必須要件です。広告以外の集客の取り組みを支えるSaaSサービスをいくつか紹介します。

 

4.MailChimp

mailchimp

広告以外の3大集客経路の1つはメールです。

MailChimpは安価でフレキシブルなメール配信ツールです。

国内メール配信ツールの相場観を知っている方はわかると思いますが、破格です。
mailchimp.com/

 

5.Ginzametrics

ginzametrics

広告以外の3大集客経路の2つ目は自然検索です。

GinzametricsはエンタープライズSEOプラットフォームです。

私としては、もちろん一押しです!
USではSEO施策のインハウス化の流れにより、エンタープライズSEOプラットフォームの利用が増加しています。
www.ginzametrics.jp/

 

6.Buffer

buffer

広告以外の3大集客経路の3つ目はソーシャルメディアです。ソーシャルメディア関連も、運用系ツール、分析系ツールといろいろな分野に分かれますが、その中のいくつかを紹介します。

Bufferは、ソーシャルメディアの予約投稿ツールです。

つぶやきをセットしておけば、いい具合に時間をあけて投稿します。
bufferapp.com/

 

7.sproutsocial

sproutsocial

sproutsocialは、ソーシャルCRM/ソーシャル分析ツールです。

この分野はそれこそ多くのツールが出回っていますが、比較的に評判は良いようです。
sproutsocial.com/

 

サポート関連

サポートは、日本だと既存顧客向け対応のイメージが強いですが、シリコンバレーでは、特にスタートアップ界隈では消費者向けサービスの無償ユーザーに対するサポート(アクティブ率を高めるための活動)、エンタープライズ向けサービスでも無償プランやトライアル期間のサポートもあり、サポートもマーケティング色を帯びがちになります。

 

8.Olark

olark

Olarkはライブサポート/チャットツールです。

ウェブサイト上でリアルタイムチャットもしくはメッセージを残す、とユーザーに取って非常にシンプルな操作性です。 
www.olark.com/

 

9.SurveyMonkey

surveymonkey

SurveyMonkeyは、オンラインアンケートツールです。

ツールは日本語化されており、ユーザー会やmeetupも既に何度か開かれており、上述のGinzametrics同様に日本市場でも積極的です。
第2回セミナーレポート:ECサイトのアンケート活用とコミュニケーションについて
jp.surveymonkey.com/

 

10.Desk.com

desk.com

Desk.comはSalesforce社のマルチチャネルのいつでもどこでもサポートデスクです。

Twitter、Facebook、メール等を統合管理し、スマホからでもサポート対応可能です。
Instagramが1000万ユーザーを6人でサポートすべくこのツールを使っているようです。
Instagramが社員6人で1000万人のユーザーに対応できる理由とは?
www.desk.com/

 

解析関連

最後に解析系です。
シリコンバレーでは、若さに任せてイケイケどんどん、、、そんな風に思っているかもしれませんが、実のところかなり数値をしっかり見て、KPIを中心としたマネジメント、Data Drivenな開発体制を敷く企業が圧倒的に多いです。

 

11.Optimizely

optimizely

Optimizelyは、いわゆるABテストツールです。

ABテストは以前から知られており、またその効果も認められていすが、何より準備が手間でした。その準備の手間を大幅に軽減したのがOptimizelyです。テストしたいページのURLを設定し、そのままブラウザ上でHTMLなどの知識なしに、テストページの作成からテスト設定を行えます。
www.optimizely.com

 

12.Mixpanel

mixpanel

Mixpanelは、ユーザーセントリックな解析ツールです。

従来のアクセス解析(SiteCatalystやGoogleAnalytics)はセッションを中心としたアクセス情報の取得と解析でしたが、新しいツールは「ユーザー」を中心とするものです。
サインアップ時期別ユーザー群のその後の動向を追うコホート分析は、Growth Hackerの必須機能となっています。
mixpanel.com

 

13.intercom.io

intercom.io

intercomも、ユーザーセントリックな解析ツールです。行動ベースのプチCRMといった方が適切かもしれません。

2012年のはじめに、デジタルガレージ社が資本を入れたことで、日本でも少し話題になりました。
www.intercom.io

 

まとめ

13のマーケティングSaaSを紹介しましたが、初めて目にするものが大半ではないでしょうか。

アメリカだから良いというわけではもちろんないものの、この領域で新しいものを生み出すスピードは、(日本人としては)残念ながらアメリカの方が圧倒的に早くて、その数も多いです。

デジタルマーケティングでは、こういったツール利用で効率や効果に差が出る場合も少なくなく、良さそう!と思ったツールは、時間を見つけて色々試してみても良いかもしれませんね。


ginzametrics-shimizu

">by 清水 昌浩

RSS情報:http://media.looops.net/ginzametrics-shimizu/2013/03/22/web-marketing-saas-best-13/