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コンバージョン率最適化(CRO)のための5つのキーファクター 【Ginzamarkets】

2012/11/13 09:30 投稿

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SEO、LPO、PPC、EFO。ネットマーケ業界はアルファベット3文字熟語が大好きです。その3文字熟語の中で、アメリカでは一つのトピックになっているも、日本でほとんど話題に上らないのがCRO(Conversion Rate Optimization)です。

 

このCROについて、Econsultancyさんが調査レポートと記事を出していたため、それを参照しつつCROと5つのキーポイントを説明します。

 

CROとは

CROとはConversion Rate Optimizationの略語です。

読んで字のごとく、サイトに訪問したユーザーのコンバージョン率をいかに高めるか、に焦点を当てた施策群のことです。広告による流入の直帰率を下げる、フォームでの離脱を減らす、意図する導線への遷移率を高めるなど、個々の施策は以前より実施されている内容です。

 

 

CROのための5つのキーサクセスファクター

Econsultancy の記事 Conversion rate optimization: five key success factors によると、次の5点がキーファクターだそうです。

 

1.Clear responsibility for CRO
2.A structured approach
3.Segmentation
4.A/B and multivariate testing
5.Usability testing

 

以下、私の経験や業界の周辺動向も踏まえてまとめます。

 

 

1.Clear responsibility for CRO

コンバージョン率を改善させることに対する責任者を明確にするのが良いそうです。

 

ある程度の規模のあるサイトや組織であれば、個々の担当者の責任範囲は限定されます。集客関連は広告/SEO担当、サイトはウェブマスター、フォームは情報システム、メールはCRM部などといった具合です。

個々の担当者はその役割範囲の中で、どう数値を改善させるかの責任を担うのが一般的だと思います。言い換えれば部分最適化です。

 

対してCRO責任者の役割は、その個々の施策や領域を横断的/俯瞰的に捉え、コンバージョン率改善のためのボトルネックを把握し、優先度を付けて対応を進めることです。言い換えれば全体最適化です。

 

CRO責任者の役割は、スタートアップ界隈で言うところの Growth Hacker と似ています。

 

 

2.A structured approach

コンバージョン改善の活動は何か1度やれば終わりではなく、継続的なプロセスとして行われるべき活動です。

 

Econsultancyレポート Conversion Rate Optimization Reportによると、継続的なプロセスとして改善活動を行う会社のうち、70%は売上げ改善し、24%は大幅な売上げ改善をしているとのことでした。

 

 

3.Segmentation

コンバージョン率を改善できている会社のうち90%が何かしらのセグメンテーションを用いています。

地理的セグメンテーション、ユーザー属性、行動によるセグメンテーション、トランザクションに基づくものが上位4つです。

 

行動ベースのセグメンテーションが、1年前より若干落ちているのは個人的には驚きでありますが、個々のユーザーにマッチする情報を提供することは、やはりコンバージョン改善の上で重要です。

セグメンテーション別の対応をとるためには、人間の手作業では困難な場合が多く、ソリューションを活用することが一般的です。

 

 

4.A/B and multivariate testing

マルチバリエイトテストはサイト全体の17%しか導入されていないと言われていますが、コンバージョン率改善のためは最も有用な施策です。

 

■マルチバリエイトテスト (MVT 多変量解析)
ページ内の要素について幾つかのパターンを用意し、訪問者にこの任意の組み合わせで作成されたページを表示します。組み合わせ毎のコンバージョン率を測定します。

出典 : econda

 

私自身、5年ほど前にマルチバリエイトテストベンダーのMemetrics社の日本事業立ち上げに関与したためわかるのですが、確かに数値は改善されます。しかし、このレポートにある通り、そのテスト設計とユーザーセグメンテーションの作り方に工夫と知見が必要なため、それいかんによってツールから効果を生み出せるかどうかは大きく変わります。

 

マルチバリエイトテストよりもライトな実験方法としてのABテストは、アメリカのスタートアップの Optimizely が実績を急速に伸ばしていることからも、コンバージョン率改善に対する貢献度合いが改めて注目されているのかもしれません。

 

 

5.Usability testing

サイト上のユーザー行動の結果としての数値情報に基づくコンバージョン率改善がABテストならば、ある種その対極からのアプローチがユーザビリティテストです。被験者による実際のサイト操作を観察することで、サイトの問題点を洗い出し、改善方向性のための有用な情報を得るものです。

 

私も過去50回くらいテストに立ち会い/テストの様子を観察しましたが、(悲しいかな)面白いくらいサイト制作者の意図と違った行動をとります。

 

サイトリニューアルを行う際、デザイン面や情報設計に目がいきがちです。しかしユーザビリティテストを行うと、実際のコンテンツ(ページの文章の書き方や見せ方)や細かなデザイン(ボタンの配置など)が問題を引き起こしている場合が多いことがわかります。

 

昨今インターネット利用のマルチデバイス化も進んでいるため、PCサイトのみならず、スマートフォンやタブレットでのユーザビリティテストも増加傾向にあります。

 

 

まとめ

コンバージョン率の改善は、一言で言ってしまえば「サイト改善」ですが、サイトへの流入施策の効果を左右する重要なポイントです。

 

アメリカではCRO(Conversion Rate Optimization)と呼ばれ一つのトピックとして着目を集める領域ですが、今後日本でもCROという単語がウェブ界隈で一般用語として使われるかもしれませんね。

 

【参考記事】
SEO対策とリスティング広告(PPC)の投資/予算配分を検討するための参考情報
スマホ検索結果で見られるのは2ページ目まで!? スマホユーザーの検索動向とSEO


ginzametrics-shimizu

">by 清水 昌浩

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