先日、アップルから発売された iPhone5、発売が噂されている iPad mini 。日に日に注目度が高まっています。グーグルトレンドでの ”スマホ” や ”タブレット” の検索件数は右肩上がりです。
2012年5月に電通から公表された資料によると、国内でのスマートフォンの普及率は29%、タブレットに関しては7%となっています。既にスマートフォンではマジョリティー層に到達しています。一方で、タブレットユーザーは、アーリーアダプター層への普及に留まっているものの、決して軽視できない端末になっています。
電通、スマート3兄弟(PC・スマホ・スマタブ)の利用実態調査
では、現状、国内でのユーザーの利用実態はどのような状況になっているのでしょうか?少し前に、サイバー・コミュニケーションズからスマートフォン及びタブレットユーザーの利用実態に関する調査結果が公表されていました。本記事では、気になる部分をピックアップし、各端末利用者の特徴をレポートていきます。
調査結果サマリ
スマートフォンユーザー
- 既にマジョリティー層に到達している。
- 男性有識者の割合が47%と最も高い。一方で、フィーチャーフォンと同程度の女性有職者の割合を維持している。
- 自宅内外で利用されており、移動中(車/電車/バス等の中)、電車/バスの待ち時間、通勤/通学時など、起きてから寝るまでの、ちょっとした隙間時間に常に利用されている端末である。
タブレットユーザー
- 男性有職者の割合が高い一方で、女性有職者の割合が低い。まだまだ、一部のアーリーアダプターによる利用で留まっている。
- 各メディアへの接触時間が全般的に長く、自ら積極的に情報取得を行なっているユーザーであり、高額アプリの購入意欲も高い。
- テレビを見ているとき、趣味や遊びの最中、仕事/勉強の休憩中など、自宅内において、くつろぎの時間など、ゆっくりした纏まった時間が取れる際に利用されているようです。
前提となる調査概要は文末に記載してあります。調査対象の端末ごとに母数が異なる点などに注意してご覧いただければと思います。
性・年齢別
まずは、各端末の性・年齢別によるユーザー特性です。
*携帯電話の普及率及びスマートフォン及びタブレット端末を利用していないユーザーをフィーチャーフォンユーザーとカテゴライズいたしました。
男女比では、スマートフォンユーザーの64%、タブレットユーザーの71%が男性と、男性比率が高い結果となっています。一方で、フィーチャーフォンでは、女性の割合が43%と、今回の調査対象となっている3端末の中では、女性比率が最も高いことが確認できました。
年齢別では、50代男性のタブレットユーザーが19%とスマートフォンユーザーの同項目と比較すると高く、50代女性でも同様の傾向が見受けられました。これは、単純に高年齢層の方がタブレットの利用傾向が高いと言うよりも、家族間でタブレットを共有しており、結果としてユーザー属性の数値が高まっていることが推測されます。同調査では、共有利用が46%という結果も報告されています。
職業別
続いて、職業別のユーザー特性を見ていきます。
調査対象すべての端末において、男性有職者の割合が高く、特にタブレットでは6割弱が男性有職者と、同端末における他のユーザー属性と6倍以上の開きがありました。女性有識者に注目すると、タブレットユーザーの割合が3端末の中で最も低い結果となっています。また、主婦及び、無職者/その他 のユーザーではフィーチャーフォンを利用している割合が最も高く、この僧ではまだまだ根強く利用されていることが分かります。
メディア別 接触時間
端末により、閲覧されているメディアはどこまで違っているのでしょうか。メディア別の接触時間を見ていきます。
平均の接触総時間はそれぞれ、スマートフォンユーザー 311分、タブレットユーザー 345分、フィーチャーフォン 310分との結果となっていました。* タブレットユーザーは各メディアへの接触時間が全般的に長く、自ら積極的に情報取得を行なっているユーザーである傾向が推測されます。
(*本調査では、ブラウザ機能及び、アプリ利用時間の調査がフィーチャーフォンには含まれていないため、2つの項目を省いたメディアでの総接触時間を見ています。)
フィーチャーフォンユーザーの特徴として、テレビ及び、PCネットの接触時間が長いことが分かります。それ以外のメディアの利用時間は総じて低い結果となっています。
また、ブラウザ・アプリの平均利用時間では、スマートフォン及びタブレットの両端末共に、ブラウザの利用時間の方が長い結果となっています。私自身、アプリの利用時間の方が圧倒的に長く少し驚かされた結果なのですが、みなさんの感覚とはあっているのでしょうか?タブレットにいたっては23分もの差が生じていることには驚かされました。
利用場所
次に、各端末の利用場所を見ていきたいと思います。
*フィーチャーホンは、調査対象がいのため、未記載とさせて頂きます。
*調査はあくまでもブラウザの利用場所なため、端末を持ち出しているかどうかに関しては数値に若干の変動がある点に注意が必要です。
スマートフォンユーザーの約8割、タブレットユーザーの約6割が自宅内外と場所を選ばずに利用している結果となっています。自宅外での利用が、タブレットよりもスマートフォンの方が多いのは当然ではあるものの、タブレットユーザーの自宅のみでの割合が約3割との結果は気づきのある数値では無いでしょうか。
利用シーン( 自宅内 / 自宅外 )
次に自宅内外どのようなシーンでユーザーが各端末を利用しているのか、利用シーン別の調査結果を見てみます。
自宅内外を問わず、各端末の利用傾向が高い上位3シーンを抽出すると、次の様な結果となっていました。
スマートフォンでは、移動中(車/電車/バス等の中)、電車/バスの待ち時間、通勤/通学時。一方、タブレットでは、テレビを見ているとき、趣味や遊びの最中、仕事/勉強の休憩中という結果になっていました。利用場所の調査では、大半が自宅内外で利用との調査結果が出ていたものの、スマートフォンは自宅外で利用するユーザーが多く、タブレットは自宅内でメインに利用するユーザーが多いことが推測されます。また、上位の利用シーンから、スマートフォンは起きてから寝るまでちょっとした隙間時間に常に利用されている。一方で。タブレットは自宅内において、くつろぎの時間などゆっくりした纏まった時間が取れる際に利用されているようです。
利用サイトジャンル
では、ユーザーの閲覧傾向の高いサイトに目を向けて見たいと思います。
スマートフォンでは、ニュース/天気、交通(乗り換え案内)、地図検索の割合が高い。ショッピング/オークションも第5位の利用割合となっている。一方で、タブレットユーザーでは、上位に関してはスマートフォンユーザーと同様の傾向ではあるものの、ショピング/オークションやレストラン/グルメ、動画の利用傾向がスマートフォンに比べて高く、興味深い結果となっています。
無料/有料アプリ利用状況
次に、アプリの無料/有料利用状況を見ていきます。
スマートフォン、タブレット共に、少なくとも9割弱以上のユーザーが無料アプリを利用している結果となっている。一方で、有料アプリでは、タブレットユーザーの方がスマートフォンユーザーよりも利用傾向が高い。個々でも情報積極取得者層の傾向が現れています。
有料アプリ購入金額
では、ひと月あたり、どの程度の金額のアプリを購入しているかが気になります。有料アプリのスマートフォンユーザー及び、タブレットユーザーの1月あたりの平均アプリ購入金額を見ていきます。
タブレットユーザーは、スマートフォンユーザーの約3倍近い金額を毎月有料アプリの購入に費やしていることが分かります。冒頭で上げた、電通実施の調査では、スマートフォンおよびタブレットユーザーの平均ダウンロード本数/月が同数であることなどから、1つずつのアプリ購入金額が高額である可能性が高いことが推測されます。
以上をまとめると以下の様なそれぞれのユーザー層がイメージされる。
スマートフォンユーザー
・既にマジョリティー層に到達している。
・男性有識者の割合が47%と最も高い。一方で、フィーチャーフォンと同程度の女性有職者の割合を維持している。
・自宅内外で利用されており、移動中(車/電車/バス等の中)、電車/バスの待ち時間、通勤/通学時など、起きてから寝るまでの、ちょっとした隙間時間に常に利用されている端末である。
タブレットユーザー
・男性有職者の割合が高い一方で、女性有職者の割合が低い。まだまだ、一部のアーリーアダプターによる利用で留まっている。
・各メディアへの接触時間が全般的に長く、自ら積極的に情報取得を行なっているユーザーであり、高額アプリの購入意欲も高い。
・テレビを見ているとき、趣味や遊びの最中、仕事/勉強の休憩中など、自宅内において、くつろぎの時間など、ゆっくりした纏まった時間が取れる際に利用されているようです。
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利用させて頂いた資料には、まだまだ詳細な項目の調査結果が記載されていました。ご興味のある方は是非一度御覧ください。
調査概要
- 調査企画: 株式会社サイバー・コミュニケーションズ
- 調査実施/集計・分析: 株式会社ビデオリサーチインタラクティブ
- 調査対象者: 15-59歳のスマートフォン/タブレットユーザー(※中学生除く)
- 調査エリア: 全国
- 調査方法: Web(PCインターネット)調査
- 調査期間: 2012年3月22日~3月27日
- 回収サンプル数: 1500s(スマートフォンユーザー 800s / タブレットユーザー 400s / ノンユーザー 300s )
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">by 関根 健介