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YOL事件:記事見出しの模倣と不法行為 part1/2

2017/02/25 12:00 投稿

  • タグ:
  • 著作権
  • 一般不法行為
  • 判例

著作権判例百選に掲載されていますが、結論としては一般不法行為の問題となっている事件です


いわゆる出版社が提供する記事記事見出しをコピペして、他サイトに転載。無料で見出しを見ることができるうえで、サイトPVを稼ぎ刻々収入を得ている第三者に対し新聞社が差し止めと、損害賠償を求めた事件です。


当初は記事見出し自体が「著作物」に該当することから、著作権侵害として主張していましたが、一審ではこれを否定。合わせて請求していた(予備的請求)一般不法行為についても否定しました。


原告はこれに不服として控訴。


高裁では、原審における主位的請求については、控訴棄却したものの、予備的請求を一部認容しました。


つまり、著作物性は否定したものの、不法行為が認められるというものでした。



判決では、


「不法行為が成立するためには、必ずしも著作権など法律に定められた厳密な意味での権利が侵害された場合に限らず、法的保護に値する利益が違法に侵害された場合であれば、不法行為が成立するものと解すべきである。」


と述べています。民法709条では、


(不法行為による損害賠償)

第七百九条  故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。


と規定しています。「法律上保護される利益を侵害」された場合も損害賠償の対象になることから、上記判決の文章は妥当と言えば妥当。


あとはこの「法律上保護される利益の侵害」をどのように証明するかです。


YOLでは、


①原告の多大な労力等をかけた報道機関としての一連の活動が結実したものといえること

→つまり、見出し作成までにそれなりのコストをかけている

②相応の苦労・工夫により作成されたものであって、簡潔な表現により、それ自体から報道さされる事件等のニュースの概要について一応の理解ができるようになっていること

→知的成果物としての創作性があるということ


③YOL見出しのみでも有料での取引対象とされるな独立した価値を有するものとして扱われている実情があること

→お金を払ってくれる人がいる(市場にニーズがある)


に照らし、YOL見出しは、法的保護に値する利益となり得る


としています。


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