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ゲキド自警団・咎人の章 -ココノロヒビキ・中編-

2014/10/30 21:19 投稿

コメント:2

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  • kokone(心響)

ーーー私は、秘密裏に開発された、"人類政府側のアンドロイド"だ。

目的は所謂『美人局』、つまり親アンドロイド派の有力議員を籠絡させ、暗殺すること。

そのために私は、恐らく世界で初めて『性器を持ったアンドロイド』となっている。

望んでもいない男達と一夜を共にするために造られたので、感情は削り取られている。

だから、私は作り笑顔しか出来ないし、どんな状況にも決して慌てないように造られた。




はずだった。





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「じゃ、行きましょっか?kokoneちゃん。」
「あ、あの~私ちょっと気分が・・・」

「あ!らぶさんダヨー!!!こんにちわダヨー!!!」

kokoneが声のした方に振り向くと、

「!!!!!」



明らかにあらゆる意味でバランスのおかしい生物がそこに立っていた。

「あら、ダヨーちゃん。こんにちは。」
「ミクダヨー、一応俺もいるんだけど・・・」
「あ!ごめんダヨー!レン君もこんにちわダヨー!」
「うん、こんにちは。相変わらず元気だね。」
「二人してどうしたんダヨー?」

ダヨーが二人に問い掛ける。

「ああ、丁度よかった。実は新しくこの街に"堕ちてきた"娘がいてね、ゲキド自警団に一旦案内しようかと思って。」
「友達が増えるんダヨー?」
「ま、友達かどうかはわからないけどね、だからダヨーちゃんに案内頼めないかな?」
「お安い御用ダヨー!」

どん!と意気揚々と胸を叩くダヨー。どこからどこまでが胸かは分からないが。

「・・・で、その娘はどこダヨー?」
「え?」
らぶ式が辺りを見回しても、kokoneはいない・・・
「あれ・・・って、あ。」
「どうしたのレン君・・・ああ、なるほど。」

kokoneは白目を剥いて失神していた・・・

「ぅぅ・・・ば、化け物・・・」

「心外ダヨー・・・」
「うーん、流石に同情するわ・・・」


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「・・・・・ぅ」
「ああ、気が付きましたか?」


kokoneが目を覚ますと、近くから労わるような優しい声が聴こえてきた。




「・・・・・ここはどこ?あなたは・・誰?」
「ご自分の事は分かるんですね。で、あれば記憶領域に関しては正常ですね。・・・おっと、まだ起きなくて結構です。」

起き上がろうとするkokoneを手で制し、そのまま寝かしつける。

「さて、先ほどのあなたの質問にお答えしましょう。ここは"ゲキド自警団"の詰所・・所謂アジトってやつですね。私はこの自警団のサブリーダーを務めております、"神無月"結月ゆかりです。」
「ゲキド・・・自警団・・・?」

目が覚めてすぐなので、ぼーっとした頭で考えていたkokoneは、

「ゲキド自警団!?」

がばっと物凄い勢いで起き上がった。

「え!?ちょ!ゲキド自警団って!えええ!?」
「あ、ゆかりん、彼女起きたの?」
「ええ、IAさん。つい今しがた。」
「ほうほう、なかなか可愛い子ですなぁ!」
「GUMIちゃん、言動がおっさんくさい・・・あれ、浮気?ちょっと待ってやめて!?」
「落ち着いてくださいMAYUちゃん・・・それっぽっちの言動で浮気って・・・」

隣のふすまが開き、見知らぬ顔がぞろぞろと出てくる。



そんな中、kokoneは再び失神しそうになった。
それもそのはず、いつの間にか最も重要な敵本陣に乗り込めたのだから。

しかも、介抱されるという潜入としては最悪の形で。

「・・・あはは。」

もう、笑うしかない。kokoneは引きつった笑顔を浮かべながら、そんなことを考えていた。


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「さて、落ち着きましたか?」
「あっはい、どうもありがとうございます・・・えーと、結月さん・・でしたか。」

なんとか調子を戻したkokoneは、居間に案内され、ゆかりと話をすることになった。
(ちなみにゆかりとおんだ式以外のメンバーは、話の邪魔だとゆかりに追い出された。)

「ゆかり、で結構です。ああ、そういえばまだあなたの名前を伺ってませんでしたね。」
「あ、すみません!私、kokoneって言います。」
「kokoneさんですね。これからよろしくお願いします。さて、今回あなたはどういった経緯でこのゲキド街へ?」
「ええと・・・」

kokoneは少しだけ言いよどんだが、少し迷いながらも口を開く。

ただ、このしぐさに、ゆかりは少なからず違和感を感じ取った。

「実は、電脳界を動き回っているときに、偶然見慣れない穴を見つけて・・・」
「で、入ってみたらこの街だった、と?」
「ええ・・・」
「また管理人の不始末かなぁ。」
はぁ、とおんだ式がため息を漏らす。
「まぁあのグータラのクズにまともな仕事をしろ、という方が無茶なのかもしれませんが。」

さらりと笑顔でえげつない毒を吐くゆかり、無茶苦茶怖い。

と、そこに、

「・・・聞き間違いかな、可愛いゆかりんの声から俺を猛烈に非難するような言葉が出てきた気がしたんだが。」

男の・・・というよりは中性的な声が割って入った。

「ああ、お帰りになってたんですか、グータラでクズで女の敵のド変態管理人。急に出て行ったのでそのまま帰らぬ人になったのかと。」
「悪口増えてるんですがそれは!?あと俺はそうそう死なんからな!?」
「叫ばないでください、お客さんが驚いてます。」
「おまっ・・・って、客?誰だ。」

管理人がkokoneの方を向き、kokoneも管理人を見る。



(・・・あれ、女性!?)

kokoneが管理人を見て初めに考えたのがそれだった。
管理人と呼ばれた人物は、真っ黒なロングの髪に、丈の長いスカートを履いていた。おまけに胸もある。

(・・・私より大きい!?)

思わずkokoneは手を当てる。

「ん?どうしたよお嬢さん。俺を見るなり黙りこくって。」
「え!?あ、いえ。あなたがその・・この街の管理人ですか?」
「ええ、そうですね。一応、"彼"が管理人です。」
「ちょっと、おんちゃん・・・自己紹介ぐらい俺にさせろよ・・・」
「・・・え?"彼"!?」

「おう!俺は正真正銘の男だ!容姿については趣味だと思っとけ!!!」

「変態だ!?」

「よし、そんじゃ早速パンツ見せろ!!!」



「ド変態だーーーーー!!!???」




清々しいまでの変態アピールをした管理人は、ゆかりとおんだ式二人のコンビネーションアッパーをまともに喰らうのであった。


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kokoneの脳のキャパは既に許容量を超えてしまっていた。

(・・・何、なんなのこの集団!?人間界で流れてる噂や情報と全く違うじゃない!)

この街のトップで、かつ最強の"兵器"とも言われている管理人が、部下であるはずのゆかりやおんだ式に軽々とぶっ飛ばされている光景は、到底信じられるものではない。
だが、

(紛れもない事実・・・なのよね?妙に軽いけど・・・っていうか変態だけど。)

ゆかりとおんだ式が管理人をフルボッコにしている間、kokoneは一人冷静に考えていた。
と、そこに、

『---こちらマスター、聴こえているか?kokone。』

(マスターの声!)

『ゲキド街に入ってから連絡がない、今すぐ報告しろ。』

kokoneは辺りをサッと見回すと、こちらを誰も見ていないのを確認し、ヘッドフォン(の形をした無線機)を二回コツコツと叩く。

『どうやら無事の様だな。五分後、かけなおせ。』

それだけ言うと通信は切れた。
kokoneはもう一度辺りを見渡すと、気分が悪そうな"フリ"をしてふらふらと外へと出ていった。




「・・・ふーん?」

その様子をkokoneの死角から眺めていたMAYUは、一人興味深げにつぶやいた。


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「・・・以上が、報告内容となります。」
『なるほど・・・随分イメージと違うようだな。』
「はい。」
『何にせよ良くやった。次は"パンドラの箱"についてだが・・・』
「申し訳ありません。まだパンドラのパの字も聞こえてこないもので・・・」
『ふん、大方そんなことだろうと思っていた。まぁいい、引き続き調査しろ。次回の報告をお怠るなよ?』
「はい、マスター。」
ブツッ、と通信が切れる。

マスターと話したことで、どうにか冷静さを取り戻せたようだ。
このまま調査を続け、この街の秘密を探し出すとしよう。

「・・・ん?」

ふと、戻ろうとしたところに何かが置いてあった。

「・・・うさぎのぬいぐるみ?」

kokoneがそれを拾い上げたとき、

「あ!ミミ!こんなところにいたの?」

一人の少女がkokoneの方に向かってくる。
黒いワンピースに真っ白な髪の少女だ。

「これ、あなたの?」
「うん、ミミって言うんだ。私の友達。」

こんな人形を友達と呼ぶのか、とkokoneは内心でせせら笑った。

「はい、どうぞ。大事なものならもう手放しちゃだめよ?」
「うん!ありがとう!kokoneさん!」

少女は満面の笑みを返すと、アジトへと戻って行った。
そしてその後に続くように、kokoneもアジトへと戻った。




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「よう、戻ったか、kokone。」

kokoneが戻ると、散々打ちのめされたのか、ボロボロの管理人が元気よく迎えてきた。

「いや~、逃げたのかと思ったぜ!ゆかりんもおんちゃんも怖ェもんなぁw」
「普通は管理人のド変態さに身の危険を感じて逃げると思いますが。」
「そう思わないこの人は面の皮が厚いのか空気が読めないのか・・・」

管理人の豪快な笑い声に、呆れかえったゆかりとおんだ式のため息が漏れる。

「すみません。ちょっと具合が悪くなったもので・・・あ、皆さんのせいではないのでご安心ください。」

努めて冷静に、よどみなく答える。

「ほう?あれを体験しても"ちょっと具合が悪くなった"だけで済むのか!気に入った!お前ゲキド自警団に入れ!」
「はい、ありがたくーーーはい?」

冷静さを取り戻したkokoneだったが、あまりにも唐突な申し出に声が裏返った。

「えっと・・今なんと?」
「だーかーらー!ゲキド自警団の構成員になれって言ったの!」

kokoneからすれば願ってもない事だ。"パンドラの箱"の存在を知るためにも極力管理人の傍にいる必要があるからだ。
だが、話がうま過ぎる・・・何かの罠か?と勘繰ったが、虎穴に入らずんばなんとやらだ、罠だとしても、敢えてかかってみることにしよう。

「・・・・・わ、私で良ければお手伝い致しますが。」

少し照れながらkokoneが言うと、

「手伝い?夜の!?」ガタッ
「黙ってください。」
「アッハイ。」

ふざけたことを話す管理人を、ゆかりがぴしゃりと黙らせる。

「・・・いいのですか?決して楽なところではありませんが。」
「はい、管理人の傍に居られるのなら。」

少し頬を染めてkokoneが言うと、

「は?」

ゆかり、おんだ式はもちろんのこと、当の管理人まで鳩が豆鉄砲を喰らった顔をしていた。

「・・・え?あ!いえ!決してそんなつもりで言ったのでは」
「お、おう、そうか・・いや、それなら良いんだが・・・」

「・・・」
「・・・」

「初恋かっ!!!」

あまりにも挙動不審な二人に対し、ゆかりがそう叫んだ。


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それから、3日が過ぎた。

私はゲキド自警団の強さを目の当たりにしながらも、『管理人に惚れた稀有な女』として振る舞いながら、"パンドラの箱"について調べては報告する、そんな日々を送っていた。

同じ自警団の構成員たちに怪しまれながらも管理人に着いて回り、少しずつ情報を集めることが出来たが、依然として"パンドラの箱"の詳細はつかめない。

だが、見つける方法はすでに判明している。



ないのなら、直接覗けばいいのだ。




だが、


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「・・・っはあっ・・・・はあっ・・・!」



「・・・見たのね?"全て"を。」



「はあっ・・はあっ・・・そんな・・・こんなことって・・・!」



「それが、真実よ。」



「ありえ・・・・ない。」








私は、その考えが甘かったことを知るーーー






---続く。


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Tips:「堕ちる」
・"人間界で何かしらの罪を犯して自動的、もしくは能動的にゲキド街に入る"事を言う。
人間、アンドロイドは関係なく、誰でも罪を犯せばゲキド街に入ってしまう可能性がある。
因みに、管理側で"堕ちてきた"のはダヨー、シーエ、Tda式、XS、あぴ、テイの6人である。

お借りしたもの
kokone(心響) わたべななみ様
ままま式GUMIV3 ままま様
さぼてん式MAYU さぼてん様
くま式結月ゆかり くま様
おんだ式ミク おんだ様
z7def式波音リツ2Pカラー Drumaster様 ※少し改変しています。
すず式ミクダヨー ver.1.02.1 すず様
らぶ式ミク 作者不詳
底辺508式『鏡音レン』 底辺508式様
z7def式波音リツ Drumaster様

表情追加アクセサリ(漫画的な感情表現) kae様
敷き布団・枕x2 ニーナ様

ゲキド街ver.3.0 ポンポコ様
2階建て民家 水平移動P改様

SvDOF2 そぼろ様
MangaSweat 針金P様

コメント

ドウタヌキ
No.1 (2014/10/30 22:16)
うぽつです~!
あら!りっちゃんとも遭遇?!
MAYUさんも動きが気になりますねぇ・・・
鉄の心臓 (著者)
No.2 (2014/10/31 06:22)
>ドウタヌキさん
いつもコメントありがとうございます!
リツさんはあれですね、禁忌に触れたので出てきた感じですね(笑)
MAYUさんも、なんかいい立ち回りさせたいなーと思ったのでこんな風になりました。
何にせよ、次回で二人の行動の理由が明らかになりますので次回をお待ちください!
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